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第27回 これからの技術を知る
製造業の効率向上に人工知能(AI)を!(前半)

掲載日:2018/12/3

はじめに

自動運転や画像認識、スマートフォンの音声応答など人工知能(AI)分野の開発が急速に進んでいます。労働人口減少が深刻な日本でも、様々な分野でのAI活用が期待されています。

新聞やニュース等でもよく耳にするAIですが、AIとは何かと問われた時回答できますか?なんとなくわかるけどうまく説明できない。いまさら聞けないAIについて、今後2回に分けご紹介いたします。

これまでのAI開発の歴史

近年特にAIは注目されていますが、実は現在のブームは第三次人工知能ブームと呼ばれています。意外にもAIの歴史は古く1956年のダートマス会議で初めて言葉として誕生したといわれています。

図1:人工知能(AI)の歴史

図1:人工知能(AI)の歴史
出典:平成28年版 情報通信白書(総務省)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/index.html

○第一次人工知能ブーム(1950年代後半~1960年代)

コンピュータによる推論や探索が可能となったことがブームの要因といわれています。ルールとゴールが明確で、コンピュータに記述できる総当たりの計算で解決できるような単純な問題(例えば迷路やチェスの対戦ゲーム、数学の定理証明など)を解くことができるようになりました。しかし複雑な現実の問題は解決できず、第一次人工知能ブームは衰退していきました。

○第二次人工知能ブーム(1980年代)

第一次人工知能ブームが終わり、冬の時代にあっても人工知能の研究開発は継続されていきました。その結果、人工知能に専門分野の「知識」を与えることで現実の問題も対応できるようになっていきました。専門分野に特化したエキスパートシステムが多数生み出されます。エキスパートシステムとは、専門家が判断材料となる情報を元に答えを出す手順をシステム化したもので、専門知識を持たない人間であっても専門家と同じように答えを出すことができるものです。例えば、感染症の診断を69%の正解率で判断することができました。これは当時専門医が80%の正解率であったことを考えると十分実用的と言えるでしょう。しかし、ここでも新たなハードルが生まれます。専門家の知識は膨大で、言語化が難しい暗黙知もあり、その全てを手作業で教え込むことは非常に困難です。このような限界から人工知能ブームは再び冬の時代に入っていきました。

○第三次人工知能ブーム(2000年代~)

2000年代に入り、インターネットや他デジタル技術が急速に発展し、第二次人工知能ブームの頃と比べものにならないほどの膨大な量の情報(ビッグデータ)が人の手を使わずに入手できるようになりました。

このビッグデータをAIが自身で収集・処理し、知識を獲得できるようにしたものが「機械学習」と呼ばれるものです。さらに知識を定義する要素自体をAIが自らが習得できる「ディープラーニング」が登場します。※「機械学習」と「ディープラーニング」については、後半の回で詳しくご紹介します。

画像を見て映っているものが何であるか判別したり、自然言語での問いかけに適切な回答を返すことなどより高度な判断ができるようになってきました。さらには、囲碁や将棋のプロにすら勝利するAIやキーワードから絵を描くAI、小説を書くことができるAIなど様々なAIが生まれています。

第三次人工知能ブームはこれらの技術開発や膨大な情報を処理するハードウェア自体の高性能化などにより今も続いています。

そもそもAIとは?

ここまで、AIの歴史についてご紹介してきましたが、一度基本に立ち返りそもそもAIとは何か、解説いたします。

人工知能を簡潔に言い表すなら、知的な機械のこと、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術のことを言います。

しかし、同じ人工知能の研究でも機械学習やディープラーニングなど基礎分野と画像認識、音声認識など応用分野に分かれていますし、研究者によってAIに対する考え方も立場も違うため、統一的な定義というのは難しいといわれています。

人工知能の分類には、事前に与えられた枠内で考えることができる「弱いAI」と枠を超えて人のように考えることができる「強いAI」があり、さらに4つのレベルという分類もされています。

○レベル1:単純な制御アルゴリズム

事前にプログラムされた条件通りに動作する単純な制御アルゴリズムを指します。部屋の温度や湿度に合わせて自動調整するエアコンや洗濯物の量に応じて自動で時間や強さを調整する洗濯機など、いわゆるAI家電といわれるものの多くで実用されています。

○レベル2:知識を元に判断できるAI

レベル1よりも多く、複雑な知識・ルールを与えることで振舞うパターンが非常に多いことが特徴です。第三次人工知能ブーム以前のいわゆる古典的な人口知能と呼ばれるものです。部屋の形状をセンサーで認識し汚れているところを重点的に掃除できるお掃除ロボットなどはこの範囲に入ります。

○レベル3:自動学習するAI

レベル2までのAIのようにパターンからのみの判断ではなく、ビッグデータを元に自ら学習し判断することができるものです。レベル2のAIに機械学習を取り入れ、レベル3まで上がってきて、最近のAIは、このレベルを指すものが大部分です。検索サイトの関連キーワードや通販サイトのおすすめ機能などが代表的です。

○レベル4:パターンも自動で獲得・学習するAI

判断するための材料だけではなく、そのパターンまでも自分で収集・学習できるものを指します。AIが自身でパターンを学習できるため、より多くの対応パターンを持ち、また急速な成長が期待できます。現在、最もホットな領域で世界各国が研究・開発に力を入れています。Googleのアルファ碁や自動運転技術などが有名です。

おわりに

今回は、AIご紹介記事の前半としてその歴史や概念についてご紹介しました。現在も続く第3次人工知能ブームがブームとしておわるのか、それとも定着するのはまだわかりません。しかし、既に製造業の業務効率の向上にAIは活用され始めています。後半の回では、これからのAIをテーマに、現在のAIを語るうえで欠かすことのできない「機械学習」と「ディープラーニング」についての解説、製造業分野へのAI活用、そして弊社のAIへの取り組みについてご紹介していきます。

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