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第29回 これからの技術を知る
製造業の効率向上に人工知能(AI)を!(後半)

掲載日:2019/1/7

前半では、人工知能(AI)のこれまでの歴史と概要についてご紹介しました。後編となる今回は、これからのAIを知るうえで避けることができないキーワード「機械学習」・「ディープラーニング」の解説と製造業分野でのAI活用、そして弊社のAIへの取り組みをご紹介いたします。

本記事でわかること

  • 「機械学習」と「ディープラーニング」の概要・違い
  • 製造業におけるAI活用のヒント
  • NDESにおけるAIへの取り組み

「機械学習」と「ディープラーニング」

過去2回のブームを経て、現在は第3次人工知能ブームと言われています。新聞やテレビでもよくAIが特集されていて、機械学習、ディープラーニングという言葉も一般的になってきたのではないでしょうか。とはいえ、その区別はよくわからないという方も多いかと思います。簡単に区別すると、「機械学習」は「AI」の基礎技術の1つで、「ディープラーニング(深層学習)」は「機械学習」の1手法です。

図1 AI・機械学習・ディープラーニング関係図

図1 AI・機械学習・ディープラーニング関係図

「機械学習」は、入力された大量のデータから機械が自ら法則性や関連性を学習し、未知のデータに対する判断・予測をすることができます。例として、通販サイトのおすすめ機能がこれにあたります。購入商品や購入者の年齢・性別などの購買データを学習させることで、購入した商品や購入者の年齢、性別等に適したおすすめ商品を提示することができます。

機械学習以前のAIは、入力したデータから答えに至るまでの条件・法則は人が入力していました。このため、膨大な量の情報や条件、分岐が必要となる複雑・曖昧な問題には対応が困難でした。しかし「機械学習」では、AIが大量の学習データから規則性・関連性を導きだし、条件・分岐等のパターンを自ら学習することができます。学習のための大量なデータを処理することができるようになったハードウェアの進歩も、機械学習を支えています。

さらに「ディープラーニング」は、人の脳の情報伝達の仕組みをモデルにした機械学習の手法です。例として、画像認識で犬の画像を見て犬と判断させるために、従来の機械学習では目や耳、鼻など、どこをみれば犬と認識できるかの特徴のパラメータを人が教える必要がありました。しかし、ディープラーニングはこの特徴も機械が自ら学習することができ、認識の正解率も向上しました。

図2 従来の機械学習とディープラーニングの違い

図2 従来の機械学習とディープラーニングの違い

利用例としては、自動運転の障害物の認識やスマートフォンの音声認識などです。

なお、ディープラーニングはあくまでも脳の仕組み自体を参考にしているだけで、SF映画のように心や意識を持たせるようなものではありません。

製造業への適用

製造業の分野でもAIは活用され始めています。例えば品質向上のための異物・異常の検知です。人が目視でチェックするとどうしても見逃す可能性があります。またセンサーを使って検知する場合も、その条件は人が設定する必要があるため、条件が不足していれば検知の精度も落ちてしまいます。AIの場合は、どうでしょう。事前に問題ない製品と問題のある製品の情報をAIに与え学習させることで、自ら条件や合否の法則を見つけ出します。そして、与える製品データを増やせば増やすほどその精度を高めることができます。

また、既に製品の量産(製造)行程において、IoT・AIの活用で業務の自動化・品質向上を実現している企業もあります。今までは高度なノウハウが必要な成型業務はベテランが暗黙知で対応していました。今では、成型製品の計測データを収集し、AIに与え、機械を制御することで製造行程における属人作業をなくし、自動化による生産性の向上と品質向上を実現しています。

NDESの取り組み

弊社も製造業の皆様の業務効率向上を目指し、AIやIoT等の最新技術を活用した業務自動化への取り組みを行っております。例えば「モデルの形状チェックやデータ変換などの自動化」、「CAMモデルの自動作成」、「加工工程設計の自動化」があげられます。また、工作機・工具メーカーとの連携を強化し、最新の工具情報や切削条件などを利用しAIよる最適加工データを全自動で作成する取り組みを進めていきます。

図3 Manufacturing-Spaceのロードマップ

図3 Manufacturing-Spaceのロードマップ

おわりに

2回に渡り、AIについてご紹介してきました。AIが人の仕事を奪うと言われて久しいですが、現状のAIは適用できる分野が限定されています。また、AIによる効率化で作業量が減る分、AIを導入・普及するための仕事やAIを活用する新しい仕事が創出されます。今後、日本の労働者人口はますます減っていきます。業務を維持・拡大していくためにはツールの力を十分に活用し、より効率的な働き方へ改善していく必要があります。NDESはこれからもお客様の業務に役立つツールをご提供していきます。ご期待ください。

・クラウドサービス事業部   電話:03-5711-5331