第34回 施行迫る!労基法改正の対策はできていますか?
労基法改正への対策と業務効率改善のポイント
掲載日:2019/3/18
2018年6月に労働基準法をはじめとした働き方改革に関連する法律を改正する「働き方改革推進関連法」が成立しました。2019年4月以降順次施行されますが、みなさまは対策済みでしょうか?この労基法改正では、長時間労働の是正がポイントとなっており従業員1人1人の労働時間削減は避けられません。現状の仕事を維持したままこれを解決する方法の一つは新規雇用ですが、そもそも人手不足も企業が抱える課題の一つです。現状の人員で仕事をこなすためには、業務効率の改善・生産性の向上は必須です。
今回は、労基法改正のポイントと業務効率改善のヒントをご紹介いたします。
本記事は下記のような方におすすめです。
労基法改正は「長時間労働の是正」、「多様で柔軟な働き方の実現」、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」を柱としたもので主な改正内容と施行時期は下記の通りです。
表:主な改正内容と施行時期
特に注目したいのは赤字部分の労働時間に関わるものです。これらを違反した場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金もあります。企業の信頼にもかかわるため、対策の重要性は非常に高いものになります。
しかし、ただ社則等で労働時間を規制しただけでは仕事量を維持することはできません。新規雇用や残業代の割増賃金率の引き上げなどコストは増加するばかりです。問題はコストだけではありません。同じ仕事を少ない時間で対応すると従業員の負担も増え、離職のリスクやそれによる人材不足の深刻化が考えられます。現在の人員で仕事を維持するためには、無駄な業務の削減・業務効率の改善がポイントになります。
無駄な業務の削減のためには、現状を知る必要があります。まずはタイムカードやパソコンの利用時間など客観的な情報から実態に合った勤怠状況が把握できる環境を整えます。次に各業務の流れとそれにかかっている時間を見える化します。これにより、業務のどこに負荷がかかっているか、無駄があるかをチェックできるようになり、課題の洗い出し・改善に着手できるようになります。
では、業務効率の改善のためには何をすればいいでしょうか。
業務効率の改善するために、労働生産性に着目します。労働生産性とは「労働の成果(付加価値)」を「労働時間」で割ったもので労働者1人が1時間あたりに生み出す成果の指標です。よく日本は労働生産性が低いと言われます。国レベルで比較する時は、GDPを付加価値として計算されるのが一般的です。OECD(経済協力開発機構)や各国統計局等のデータによると2017年の日本の労働生産性は84,027ドル(837万円)でOECD加盟36カ国の中では21位です。1位のアイルランドは164,795ドル(1,641万円)でなんと日本の約2倍にもなります。では業務効率を改善し、労働生産性を高めるためにはどうしたらよいでしょうか。労働生産性が高い状態の例を挙げると「費用対効果が高い」、「短時間で成果が得られる仕組みがある」、「無駄(工数、プロセス等)がない」などがあります。業務効率の効率化を行う際は、ぜひ下記のポイントをご確認ください。
生産性向上・働き方改革に向けた取り組みとして、「テレワーク人材の活用」、「高齢者や育児介護などで出社が難しい女性の活用」、「外国人労働者の活用」などがありますが前述の通り人手不足の状況での新規雇用はなかなか取り掛かりにくい現状があります。そこで、比較的取り掛かりやすいITツールによる業務の省力化・自動化などの取り組みをお勧めいたします。
以下にITツールを活用した「製造業」での取り組み例をご紹介いたします。
改善事例
■いつでもどこでも、社内の情報を得られる仕組み
【現状業務の把握・課題の洗い出し】
【ITツールを使った取り組み】
出先でもPCやスマートフォン、タブレットで自由に社内の情報にアクセスできる環境を整備
(クラウドデータ管理システムの導入)
【改善の効果】
労基法改正に対応する順番を整理すると下記のようになります。
ITツールの導入は、それ自体が目的ではなく業務効率改善・働き方改革の手段の1つです。まずは、IT活用により改善したい業務、期待する効果など、目的を明確にすることが大切です。
弊社はものづくり業界のお客様の業務効率改善に役立つ様々なサービスをご提供しています。改善のご相談は下記までご連絡ください。
・クラウドサービス事業部 電話:03-5711-5331