これは体験版ですので、一部の項目しか使用できません。

1.材料の性質

ここでは、プレス加工で主に使用される金属材料の性質を学習します。
材料の内部の動き(材料力学)を理解することにより、加工に関して、広いアプローチが可能になります。

1.1 応力と変形

応力の求め方

製品に荷重が作用すると、構造は変形すると同時に、内部に応力とひずみが生じます。

変形するための力関係

加えている力の大きさ(荷重)を、力を加えられている材料の断面積で割った値を応力といいます。

単位断面積あたりの強さが求められます。

荷重が大きくなればなるほど、また、断面積が小さくなればなるほど、応力は大きくなります。

応力

応力は作用する荷重の種類により様々で、引張り力を加えた場合は「引張り応力」、圧縮力を加えた場合は「圧縮応力」といいます。応力が大きくなりすぎると、製品が破損します。

プレス加工に使用される金属材料においても、引っ張りすぎるとちぎれてしまい、圧縮しすぎると押しつぶされてしまいます。一般的な鉄鋼材料が破壊する応力は392〜980Mpa(40〜100kgf/mm)です。

応力が大きすぎると破損
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引張り応力の計算

例として、一辺が20mmの角柱を、196kNで両側から引っ張った時の引っ張り応力を計算してみましょう。

応力の計算例

   
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材料の強弱

材料の強弱は、耐えられる応力の大きさで判断します。

下図の引張り試験の例では、荷重F1, F2の大小比較でなく、応力σ1, σ2の大小比較が必要です。

応力の比較
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