これは体験版ですので、一部の項目しか使用できません。

2. 「切る」加工

この章では「切る」加工の手順や動作・特徴を説明します。


2.1 切る加工(せん断加工)の原理

せん断加工とは

板材料を切断(打ち抜き)する作業が主の加工です。

はさみの上刃と下刃で紙を切るように、金型のダイ(雌型)の上に素材を置き、パンチ(雄型)を押し込むことで素材を分離させます。

まず最初に、せん断加工の映像を見てみましょう。


せん断加工の例です。

板状の素材から、望む形のものを切り取ったり、抜いたり、穴を明けたりする加工を総称します。

※音声はありません
 

せん断加工のプロセス

(1) パンチが下降して、ダイ上の素材と接触する。
(2) パンチが押し込まれて食い込みを開始し、「だれ」が形成される。
(3) せん断荷重が増加して「せん断面」を形成し、クラックが発生する。
(4) クラックが貫通して、せん断が完了する。このとき「破断面」が形成される。

せん断加工


せん断加工のプロセスを、スローモーション映像で詳しく見てみましょう。


見ていると簡単そうですが、このあっという間の一工程に何段階もの現象が金属の中で起きています。

最初に上型であるパンチが降りて、下型であるダイの上にある材料に接触し、中に食い込みます。
次に、この食い込みがさらに進むと、パンチとダイの刃先からクラックが発生します。
そして、クラックが成長して材料を貫通し、せん断が完了します。

※音声はありません
 
これは体験版ですので、映像は表示できません。