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金型設計・製造業界向けCAD/CAMシステム「Space-E」
最新Version 5.7をリリース

~ 機能強化により安全性・加工品質・作業効率の向上を実現 ~

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ(本社:東京都大田区西蒲田、代表取締役社長:東 和久、以下 NDES)は、このたび金型設計・製造業界向けCAD/CAMの最新バージョン「Space-E」※1 Version 5.7を、2018年11月中旬にリリースします。

「Space-E」は、NDESが20年以上にわたり開発・販売している3次元CAD/CAMシステムです。最新のVersion 5.7では、沖縄マニファクチャリングラボでの研究テーマである、「安全性・加工品質・作業効率の向上」の研究成果を基に、金型設計・製造のリードタイム短縮を実現します。

背景

近年、金型設計業界では海外との競争力強化のためのさらなる工期短縮や、職人の高齢化による熟練者不足という課題が発生しています。

また、5軸加工機の性能向上により、荒加工から仕上げ加工までの一連の加工が可能となり、ソフトウェアについても5軸CAM機能の強化が求められています。

これらの課題対応のため、NDESはSpace-Eの最新 Version 5.7をリリースいたします。

バージョンアップ内容

5軸荒取り加工のアンダーカット※2対応

図1 同時5軸荒取りによるストック引き継ぎ

図1 5軸荒取りによるアンダーカット加工

(クリックすると拡大画像が表示されます)

5軸荒取り加工のアンダーカットに対応するため、5軸経路のストックを5軸機能全般に引き継ぐように改修しました(図1)。

これにより、いままで熟練者に限定されていた作業が誰でも可能となり、CAM作業の時間短縮につながります。

バレル・レンズ工具※3の対応

5軸仕上げ機能と5軸ガイドカーブ機能でバレル・レンズ工具に対応しました。これらの工具を利用すると大きなピッチでもボールエンドミルと同じカスプハイト※4が保持できます。

そのため仕上げ加工時間を大幅に短縮することが可能です(図2、図3)。

図2 バレル工具(テーパバレル)と加工事例

図2 バレル工具(テーパバレル)と加工事例

図3 工具別の加工時間比較表

図3 工具別の加工時間比較表

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5軸切削シミュレーションの対応(オプション)

5軸荒取り経路の干渉を確認するため、切削シミュレーション機能を搭載しました。

これにより、加工前に無効刃での切削やホルダー・シャンク※5部の干渉チェックが可能となり、安全性が確保されます(図4)。

図2 切削シミュレーション使用例

図4 切削シミュレーション使用例

※1:Space-E は、NDESが提供する金型業界向けCAD/CAMシステムです。

※2:アンダーカットは、一方向から見ようとしても見えない、加工できない部分にある形状の事です。

※3:バレル工具は工具の側面に、レンズ工具は工具底面に大きなRが付いた形状の工具です。

※4:カスプハイトは、工具の形状により削り残る部分の高さの事です。

※5:ホルダーは、工具との結合部、シャンクは工具のシャフト部分の事です。

Space-E Ver.5.7の販売目標

1年間で100モジュールの販売を目指します。

今後について

今回ご紹介した機能以外にもSpace-E Version 5.7では、Modelerのクラスパネルにおける操作性を向上させる機能など、お客さまのご要望にお応えした改良を実施しています。

今後も、お客さまの声を大切にし、より良いシステムやサービスを継続してご提供していきます。

また、沖縄マニファクチャリングラボでの研究成果であるSpace-E/CAMの特殊隅取り機能、5軸加工機能にとどまらず、新しい機能の研究、開発を行いSpace-Eに反映していく予定です。

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズについて

1977年に日立造船㈱の情報システム部門を分離して設立され、2006年に(株)NTTデータの完全子会社となりました。

設立以来、国内初の金型業界向け3次元CAD/CAMシステムの製造、販売を開始し、現在ではクラウド技術を利用したサービスの提供を実施しています。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

企画管理統括部 企画部 広報課
涌本 弥

電話:03-5711-5317

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

クラウドサービス事業部
技術部 第一サービス課
小野田 秀幸

電話:03-5711-5360