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内海造船株式会社様

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多種多様な船種に対応する技術力を支える基幹システム

業界に特化した受注生産型製造業向けERPのProject-Space

瀬戸内の地に2つの造船所を持つ内海造船株式会社様は、基幹システム更改にあたり、新基幹システムとして受注生産型製造業に特化したERPテンプレートであるProject-Spaceを採用しました。

《本プロジェクトのポイント》

  • 造船業特有の業務をすべて理解したうえでの新システム構築
  • 原価比率を期ごとに分散して売上を計上する工事進行基準に応じた決算を実現
  • 旧システムと新システムの入力イメージを近づけることで導入時の負担を軽減

個別受注型企業に最適なProject-Space

フェリーや自動車運搬船など、一船ごとに仕様が異なる船種の建造を得意とする内海造船様。取締役 常務執行役員 管理本部長 原 耕作 様は、自社の特長を「多種多様な船を建造することで存在感を示す会社」と説明します。船のサイズや構造は航路や旅客定員数などにより変わることから、それぞれの船に対する個別設計に加えて、高い建造技術と品質管理が求められます。確かな建造技術ときめ細かな対応力を持つ内海造船様は、中・小型のフェリーに関する建造実績で日本一を誇るといいます。

同社では、長年にわたり導入から運用まで私たちNDESが担当したシステムを使用されていましたが、グループでのシステムに対する方針の変更もあり、古くなっていた旧システムから新たな基幹システムへの更新を決断されました。システム構築には、原価計算を中心に造船業特有の業務への理解が求められます。そのため、旧システム時代からすべての業務の流れを把握しているNDESであればスムーズに開発できるとのご判断もあり、個別受注型企業である同社の要求に合致するProject-Spaceを採用いただきました。

「顧客ニーズに合わせた船を建造するという当社の特長を理解しているNDESだからこそ、うまく新システムに移行できたと思います」

内海造船株式会社 取締役 常務執行役員 管理本部長 原 耕作 様

内海造船株式会社
取締役 常務執行役員 管理本部長 原 耕作 様

造船業界では必要不可欠な機能を実装

新基幹システム構築の検討について、導入プロジェクトの中心的な役割を果たした経理部長の井戸垣篤広様は、「どのような要望であってもNDESが実現してくださるのは分かっていたのですが、あれもこれもとなると、時間や開発費用が限りなく増加していきます。また、便利だと思う機能でも、どのくらい使うのかという観点から、本当に必要かどうかを見極めていきました」と振り返ります。

内海造船様では、一般的な工事完成基準と異なり、発生した原価の比率で期ごとに分散して売り上げを計上する工事進行基準に応じた決算を行っています。旧システムでは当月の売上高を手計算して入力していましたが、Project-Spaceでは発生原価から売上高を自動計算できます。これにより、手間が省けるだけでなく計算ミスが生じる可能性もなくなったといいます。

また、Project-Spaceの原価配賦機能も重要です。例えば溶接では、ガスの原価を工事ごとに割り振る配賦の必要があり、各作業員の作業時間を基準にそれぞれの工事にガスの原価を自動配賦することで、業務の効率化の一端を担います。

さらに、Project-Spaceの好評な機能にExcelからの取り込みがあります。Excelからデータを取り込むことで、システムに1件ずつ手入力せずに伝票入力できます。現場のご担当者様からも「費用計上する部門がたくさんある時もスムーズに処理でき、ずいぶん役に立っています」との評価をいただいています。

月次処理の自動化も、負担軽減につながりました。Project-Spaceでは、ジョブ管理ツールによるバッチ処理が可能で、経理部門の承認があればすぐに月次処理を実行できます。簡単かつ即時に仮締めができることで、確認作業の効率化につながっています。

その他、取引先への支払いについては、大手から中小企業までいろいろな会社が数多くありますが、それぞれの支払い条件に応じた対応が可能となりました。会社ごとの支払日の設定や、同じ会社でも外注費と材料費とでは異なる支払い条件など、複雑な処理にも対応できます。また、海外の取引先に対する外貨建てでの処理機能なども、高評価につながっています。

執行役員 管理本部 経理部長 井戸垣 篤広 様

執行役員 管理本部 経理部長
井戸垣 篤広 様

新基幹システム導入プロジェクトの成功

プロジェクトは、内海造船様とNDESが密にコミュニケーションを取りながら進行しました。NDESの対応について井戸垣様から、「こちらからの要求や現状の課題に対する解決方法の提案とともに、今どこまで進んでいるかが一目で分かるようにグラフ化したリポートを、毎週の進捗会議で提示してくれました」と管理手法を評価いただいています。

さらに井戸垣様より、「造船業界で必要な機能を実装できたのは、NDESとProject-Spaceだからこそだと思います。次のステップとして、他のシステムとの統合を進めていきたいと考えています。現在は、調達や勤怠などを別の周辺システムで運用し、インターフェイスを通じてProject-Spaceとデータ連係しています。これを一気通貫でまとめることができればさらに効率化できると考えています。現在の周辺システムの中身を理解いただき、アドバイスをもらいながら、一番良い方法で実現できればと思います」と期待をお寄せくださいました。

新基幹システム全体構成図

intra-martとBiz∫上に構築するProject-Spaceは、柔軟なシステム構成が可能です。
新基幹システム導入後も、定期的な意見交換の機会を通して新しい機能やトレンドについての情報共有を続けることで、さらなるブラッシュアップにつなげています。

新基幹システム全体構成図

この取材は2019年1月に行いました。

お客様プロフィール

内海造船株式会社
瀬戸田工場 因島工場

上:瀬戸田工場、下:因島工場

内海造船株式会社

https://www.naikaizosen.co.jp/(外部サイトへ移動します)

【本社】広島県尾道市瀬戸田町沢226-6

【設立】1944年11月22日

【事業内容】
《新造船事業》顧客ニーズに基づいた受注生産で中型船を建造。船種はコンテナ船、プロダクトタンカー、自動車運搬船、バルクキャリア、ケミカルタンカー、貨物船、旅客フェリー、調査船など。
《改修船事業》各種船舶、艦艇の修理・改造。

【工場】瀬戸田工場、因島工場

【関係会社】内海エンジニアリング株式会社