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エア・ウォーター・プラントエンジニアリング様

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基幹業務システムをERPで再構築

業界向けテンプレートで工事情報の一元管理を実現

産業ガス、ケミカル、医療、エネルギー、農業・食料などの幅広い分野で「空気、水、地球、そして人」にかかわる事業を展開するエア・ウォーターグループの一員であるエア・ウォーター・プラントエンジニアリング様は、ガス供給設備や貯蔵設備などの産業用ガスに関わる総合エンジニアリングの専門集団として事業を展開しています。同社はNTTデータエンジニアリングシステムズ(以下、NDES)の業界向けERPテンプレート「Project-Space®」を導入し、2016年10月に新基幹業務システムとして稼働を開始しました。

導入の背景
将来を見据え改修ではなく刷新を決断

酸素や窒素などの産業ガスは、空気から分離・生成される。そのため、分離設備や貯蔵設備、供給のための配管設備、運搬するローリー車などが必要になる。これらエンジニアリングを担う部門が2001年にエア・ウォーターから分社独立して、「エア・ウォーター・プラントエンジニアリング(以下、AWP)」が設立された。AWPでは親会社が使用していた会計システムを、不足していた機能を追加開発で補いながら継続的に使用してきた。

長年使用してきたそのシステムも、OSのライフサイクルが終了し、保守も限界を迎える日が迫っていた。「大規模な改修も考えましたが、個別原価管理と工事情報管理を効率的に行えるパッケージソフトを新たに採用した方が、業界特有の思想が標準装備されていることや、会計基準・税制改正などへのタイムリーな対応、OSバージョンアップにも迅速に対応できることなどから、思い切って刷新することにしました」と、AWPの久郷惠子様は説明する。

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社 取締役 管理部長 久郷 惠子様

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社
取締役 管理部長
久郷 惠子様

導入の経緯
社内のキーパーソンがそろってProject-Spaceを推薦

AWPでは、2015年にNDESも含めた4社にプレゼンテーションを依頼。「その時の当社の質問に対して、NDESは間髪を入れずに、『これは実現できますが、これはできません』『実現するには、この方法を提案します』と答えてくれました」とAWPの久郷様は当時を振り返る。その対応を見て「これならいけそうだ」と直感したという。

最終的にはNDESともう1社の2社に絞り込んで、細かく検討し、導入パッケージを決めることにした。重要なのは、実際に各業務で使う社員の使い勝手。使い手が納得するシステムを導入したいと考えたAWPは、調達、会計、販売(工事管理)それぞれの部門のキーパーソンの判断を重視することにした。すると、キーパーソンの3人全員が、業界向けERPテンプレートである「Project-Space」でやりたいと言ったという。

会計のキーパーソンであるAWPの原塚雅嗣様は、その時のことを次のように説明する。「当社にとって特に必要な要件が、購買管理ワークフローとWeb購買の仕組みだったので、そのことに対してNDESは明確に『両方ともやります』と言ってくれました。さらに、今までできていなかった工事情報と会計システムとのデータ連携もNDESは実現できると断言してくれたので、Project-Spaceに決めました」

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社 管理部 主査 原塚 雅嗣 様

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社
管理部 主査
原塚 雅嗣 様

導入効果
工事情報を一元管理「使いやすい」システムが完成

実際の導入プロジェクトは、2015年7月にスタート。調達、会計、販売(工事管理)に営業、設計とメンテナンスの各部門を加えた13名のメンバーが集められた。導入プロジェクトメンバーは、標準のProject-Spaceを導入プロジェクトの早い段階で実際に社員に操作してもらい、意見を出してもらった。その多種多様な意見を必要なものと不必要なものに振り分けて、システムに反映させる意見を絞った。

「いろいろな意見を取り入れて拡張機能を追加すると費用が増すため、私たちの業務をできるだけProject-Spaceに合わせることを基本方針にして仕様を詰めていきました」と久郷様は話す。とはいえ、プロジェクト終盤の2016年夏頃には、AWPのやり方を残さなければどうしても業務がうまく回らないということも出てきた。さらに、別々に管理していた機能を一つにするために、さまざまなところから情報を集めて移行データを作らなければならなかった。「一元化の効果は大きいですが、その作業には大変苦労しました」と原塚様は苦笑する。こうした苦難を乗り越え、計画通り2016年10月からサービスインした。

「購買はユーザーが何百人といる中で問題をつぶしながらサービスインしていきましたし、販売もいくつもの仕組みがある中で、システムを統合しました。導入プロジェクトは、社員全体を巻き込んだ全社的なプロジェクトでした」と前田陽一朗様は話す。

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社 管理部 副部長 前田 陽一朗 様

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社
管理部 副部長
前田 陽一朗 様

旧システムでの工事情報管理は最低限の情報しかなく、不足している情報を別のシステムに連携させて、売り上げに計上した後、Excelで統合管理していたという。そこで工事情報管理の機能を一つにまとめることにより、入力を簡素化し、タイムリーにすることで効率化していくことが、新システムの最大の目的でもあった。

基幹業務システムの一本化により、情報インプットの簡素化および受注情報の一元管理や、多彩なアウトプットが可能になった。さらに、最新かつ最適なハードウエアとソフトウエアで、Web環境でのシステムを運用できるようになった。

「多くの課題を一つずつクリアし、ようやくスタートラインに立てたことに満足しています」と久郷様は話す。AWPではさらなるステップアップを図るべく、予算実績管理機能の実装など、業務改善のためのIT活用をこれからも積極的に行っていく構えだ。

新基幹システム全体構成図

新基幹システム全体構成図

お客様プロフィール

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社

エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社

http://www.awpe.co.jp(外部サイトへ移動します)

【本社】大阪府堺市西区築港新町2丁6番地40

【設立】1981年9月25日

【資本金】3億円

【事業内容】

  • 絶対零度に近い温度のコントロール技術を活用した各種低温機器・設備などの製造
  • 高真空機器、高真空配管などの開発
  • 環境負荷を低減する技術・工法の開発
  • 環境負荷の少ないLPG、LNGヘの取り組み