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Project-Space導入事例

株式会社 横河ブリッジホールディングス様

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グループ横断の新基幹システムをProject-Spaceで実現

横河ブリッジホールディングス様は、設計・製作・施工・維持管理までを一貫して手掛ける橋梁事業を中核に、システム建築や鋼製セグメントなどの土木関連、さらに精密機器製造や情報処理といった先端技術分野にも事業を展開する国内屈指の総合エンジニアリング企業です。今回は、旧基幹システムの老朽化および事業の拡大や多様化を背景に、グループ会社7社を横断して取り組まれた「Project-Space」による基幹システム刷新についてご紹介します。ここでは中心的役割を担われた同社情報企画室様と横河ブリッジ技術情報様にお話を伺いました。

《本プロジェクトのポイント》

  • ERPパッケージのProject-Spaceによる基幹システムの刷新
  • 事業の拡大、多様化に合わせてグループ会社7社の基幹システムを統合

基幹システム刷新の背景
既存システムの老朽化、DX推進の中核施策

横河ブリッジグループ様の事業は、個別工事単位で展開されるプロジェクト型ビジネスであり、各工事における受注・契約管理、予算管理、原価管理、損益管理が重要となります。また、1つの工事案件に「製造業」と「建設業」という業務プロセスが共存していることも特徴です。工場での製作工程と現場での施工工程があり、それぞれの担当部門が予算管理・原価管理を実施し、さらに契約金額を分割して進行基準に基づく売上計上を行い、最終的に合算していました。

橋梁工事などの大型案件では、主契約に加えて電気・通信設備などの付帯工事について別契約が発生することも多くあります。このような複雑な工事管理にどのように対応するかも重要であり、柔軟なシステム運用が不可欠です。さらに、購買処理や財務会計部分は共通システムとなっていますが、事業会社の統合等により、個別工事管理については会社別・部門別にシステムが分かれている部分もあり非効率な状況が続いていました。

このような同グループの事業背景のもと、基幹システムの刷新にあたり、同社情報企画室様と横河ブリッジ技術情報様が中核となってプロジェクトを牽引しました。同社情報企画室長(当時)の小林明様によると、本取り組みには大きく二つの要因があったと言います。

「まず、一つ目は既存システムの老朽化です。2008年に稼働した従来の基幹システムは、パッケージシステムを中心に整備した会計と購買のシステムと、自社開発した周辺システムにより構成され、独自性の高いシステムとなっていました。当初はコストも抑えられてメンテナンスも手軽にできるという利点がありましたが、徐々にシステムは複雑化し、運用管理が特定の担当者に依存していきました。その後、担当者の高齢化や後継者不足が重なり、システムを維持することが難しくなってきました。さらに、システム導入当時と比べると事業全体の売上規模、業務量ともに倍以上に拡大してきたため、十分な対応ができない状況でした。また、会計システムのベンダーサポートが2024年には終了するという情報もあったので、安定運用と今後の拡張性や発展性を考えると従来の基幹システムの継続は難しいという判断に至りました。

二つ目は、デジタル戦略の中核施策としての位置づけです。当グループの第6次中期経営計画において、業務システムや会計システムといった基幹システムの更改を進めていく方針とされました。部門ごとに分かれている現行システムを見直して、必要な情報がきちんと連携され集約されるような全体最適の状態を目的としています。また将来的には、データ分析に基づいて情報を可視化し、経営判断に活用するための土台をしっかりと整備する取り組みを推進していくという目標が掲げられました」

株式会社 横河ブリッジホールディングス 常務執行役員 情報企画室長(当時)小林 明 様

株式会社 横河ブリッジホールディングス
常務執行役員
情報企画室長(当時)
小林 明 様

株式会社 横河ブリッジ 技術情報執行役員 エンタープライズシステム部 部長 三橋 政光 様

株式会社 横河ブリッジ技術情報
執行役員
エンタープライズシステム部 部長
三橋 政光 様

基幹システム選定の経緯
ERPパッケージのProject-Spaceを採用

基幹システムの選定は、2022年にRFI(情報提供依頼)を通じて複数ベンダーを比較検討するプロセスで進められました。その中で最大の検討ポイントとなったのが、同グループ特有の「複雑な工事管理」への対応力でした。この課題をERPパッケージの標準機能で解決できる製品が存在しないことをRFIの段階で把握していました。そのため、小林様は各ベンダーの提案に大きな期待を寄せていたと言います。

「NTTデータエンジニアリングシステムズの提案は、この期待にしっかり応えていただいたものだと受け止めています。Project-Spaceの機能としては、契約や工事のN:M対応や、振替プロジェクトの活用など訴求力のある内容でした。さらに、このベンダーの選定ではプロジェクトマネージャー(PM)の人物像も重要な判断材料と考えていたので、提案の説明者はPMの方にお願いしました。その結果、短時間で全てを把握することは難しいものの、NTTデータエンジニアリングシステムズのPMの淀みない説明と的確な回答から非常に信頼できると実感しました。また、当社からの『全く改良・変更できない部分はありますか』という質問に対し、『最終的にはプログラムの該当部分を取り出して別に作成すれば対応可能です』との回答をいただいたことで、ベンダーの技術的な自信や覚悟を強く感じました。これは、今後2年間を共にするパートナーとして高く評価できる点であり、Project-Space採用の決め手になりました」

基幹システムの刷新にあたっては、横河ブリッジホールディングス様と横河ブリッジ様をはじめ、横河ブリッジシステム建築様、横河NSエンジニアリング様、楢崎製作所様、横河ブリッジ技術情報様、ワイ・シー・イー様のグループ会社7社が対象です。

Project-Spaceの構成図

新基幹システム全体構成図

Project-Spaceの導入プロジェクト
運用ルールの1本化

運用ルールの1本化に向けてパッケージの仕様を受け入れた背景について、鋼橋の設計・製作・施工などを支援する多くのシステムの自社開発に関わってきた横河ブリッジ技術情報の執行役員・エンタープライズシステム部長の三橋政光様は次のように語ります。

「当グループでは、日常の業務で利用するシステムの多くは基本的に自社開発を行ってきました。そのため、業務の効率化を図るべく、細部までシステムで対応しようと徹底して取り組む文化が根付いています。また、品質確保のためにヒューマンエラーを抑止するという考え方も強くあります。一方で、パッケージを導入するにあたっては、これまでの取り組みとの間に考え方の違いを感じたのも事実です。しかし、Project-Spaceの仕様を理解し取り入れることで、自社での継続的な機能改修が不要となるだけでなく、会計基準の改正にもベンダー側で対応可能となるため、今後はパッケージの利点を活かしていきたいと考えています」

これまで別々に運用されてきたシステムに対して業務の一本化とシステム統一のために部門間での議論を行う中、従来の基幹システムとのギャップを埋めるための対応について小林様に伺いました。

「本プロジェクトの大きな課題は、“工場での製作”と“現場での施工”という異なる業務プロセスの統合でした。まず取り組んだのは、利用者とシステム管理者の妥協点を見出すことです。横河ブリッジを中心に仕様を定めつつ、全体最適の観点から将来を見据えたシステムにするため、経理・営業・技術の各部門から選出した代表者3名がリーダーになり、要望や議論をまとめてもらいました。また、利用者の要望はすぐに却下するのではなく、優先順位をつけることで将来への希望を排除せず、改善につながる要望を出やすくしました。その要望が必要かどうかの判断については、有識者を絞って対応しました」

業務や管理レベルの違いを調整しながら標準化を進めた一方で、グループ会社7社の同時導入という大規模な取り組みは、マスタ整備や運用統一には多くの工夫と調整が求められました。プロジェクトリーダーである三橋様は「この3名のリーダーが利用者の声を丁寧に吸い上げ、的確に取りまとめてくれたおかげで、システム仕様の検討をスムーズに進めることができ、大変心強い存在でした。マスタ設定などの共通化については、利用者や部署ごとに業務や背景に基づく考え方の違いが明らかになり、一見同じように見えるマスタであっても運用や解釈に違いがあるので、その調整をすることで実態に即した形での共通化を目指しました。同一システムの利用に向けた調整を通じて、各社の強みを活かしながら、より一体感のある仕組みづくりにつながったと考えています」と話します。

<業務領域ごとの基本方針>

本プロジェクトでは、「全体最適」と「Fit to Standard」を基本方針に掲げ、業務領域ごとに異なるアプローチを採用しました。

(1) 会計:標準機能を受け入れる
会社や部門で大きな差異がない業務については、業務を統括している横河ブリッジホールディングス様の経理部門主導で導入を進めました。

(2) 購買・原価:アドカス(アドオンカスタマイズ開発)
会社ごとの業務差異については、横河ブリッジ様の業務を基本とし、どうしても合わせられない部分について開発を実施しました。特に、工場製作と現場施工という異なる業務形態における差異については、両部門で議論を重ね、新たな方法を検討するなど、可能な限り一本化を図りました。

(3) 受注管理・機材管理・材料購買:独自のスクラッチ開発
必要性の高いシステムについては、新たにスクラッチ開発を行うか、既存システムを残すことで対応しました。

複数工事発注伝票登録(左上)、売上変更(右上)、実施算登録(プロジェクト別)(左下)、日常振込入金(右下)についての Project-Space画面

複数工事発注伝票登録(左上)、売上変更(右上)、実施予算登録(プロジェクト別)(左下)、日常振込入金(右下)についての Project-Space画面

基幹システムとして業務に活用される Project-Space

基幹システムとして業務に活用される Project-Space

今後の取り組みと期待
次世代につながるProject-Space

現時点ではProject-Space導入後間もないこともあり、効果の定量化は途上にありますが、いくつかの変化と今後への期待が見え始めています。業務面では、JOB処理(自動処理)やワークフロー機能の活用により、今後の効率化と統制強化が期待されています。Project-Spaceによる新基幹システムは、同グループのデジタル戦略の要としても認識され、DWHとBIツールの活用の取り組みも始まりました。三橋様は「DWHによるデータの一元管理体制は整っていて、それをBIツールに連携するところまでは仕組みとしてはできあがっています。ただ、利用者側がBIツールを使って何を実現していくのかが明確になっておらず、会社や部署によって意識のばらつきがあるため、そうした意識改革に取り組んでいく必要があると考えています。横河ブリッジ技術情報にBIツールを担当しているチームがあるので、そこを中心に活用方法の提案や利用促進を進めていく予定です。いずれにしても、データ自体はProject-Spaceの中に一通りのものが蓄積されているという認識ですので、そこを今後どうやって経営判断に活かしてくのかを検討していきます」と話します。

今後の取り組みの一環として、Project-Space利活用ワーキンググループがあります。各社の若手社員が集まり、Project-Spaceの活用方法や各社の事情に応じた改修などについて意見交換を行う場だといいます。グループ内の交流や情報共有を図るとともに、次世代を担う若手人材の育成にもつながるのではと期待されています。

最後に、今回のプロジェクトに関するご感想を伺いました。三橋様からは「本プロジェクトに関わっていただいた多くの皆さんのご協力によりシステムを稼働させることができました。こちらからの多種多様な無理難題を根気強く受け止め、解決策を見出していただいたNTTデータエンジニアリングシステムズの皆さんには心から感謝の意を表したいと思います。ただ、まだ終わりではなく、残置しているシステムや新たに加わったグループ会社への対応などいろいろな課題が残っていますので、今後とも末長くお付き合いください」とのコメントをいただきました。

小林様からも「これまではスクラッチ開発の対応が中心だったので、パッケージに業務を適合させるFit to Standardの難しさを強く実感しました。長期間にわたりご尽力いただきありがとうございます。お付き合いが始まってから3年ぐらいになりますが、これから先のほうがむしろ長くなります。そして当グループにとって最も関係の深いITベンダーになると思いますので、今後ともよろしくお願いします」とお話しいただきました。

同グループのProject-Space導入プロジェクトは、約2年半のシステム構築期間を経て2025年10月に運用を開始しました。私たちNTTデータエンジニアリングシステムズは、今後も横河ブリッジグループ様が目指す基幹システムの課題解決に尽力していきます。

お客様プロフィール

株式会社 横河ブリッジホールディングス

https://www.ybhd.co.jp/(外部サイトへ移動します)

【本社】東京都港区芝浦4-4-44 横河ビル

【設立】2007年 8月

【資本金】94億円(東京証券取引所プライム市場)

【横河ブリッジグループ】
○持株会社
 株式会社 横河ブリッジホールディングス

○事業会社(稼働開始当時)
 株式会社 横河ブリッジ
 株式会社 横河ブリッジシステム建築
 株式会社 横河NSエンジニアリング
 株式会社 楢崎製作所
 株式会社 横河ブリッジ技術情報
 株式会社 ワイ・シー・イー