アップカット/ダウンカット


工具の回転方向で決まる切削の向きと加工物の送り方向の関係でアップカットとダウンカットの2種類の削り方があります。

アップカットとダウンカット

アップカットの場合、理論上は切削の厚さが0(切削していない状態)からはじまり、次第にその厚さが増していきます。しかし実際は切削厚さが0の点では刃先が被削材に食込む力も0であるため削ることができません。ここでは前の刃で削られた切削面を刃先がこすることになります。ダウンカットの場合は切削はじめは切削厚さが大きく、次第に減少して、切削厚さが0の点では刃先が被削材を離れるような力が働いています。また同一回転数、送り速度、切込量の場合では切削長さがダウンカットのほうが短くてすみます。このことからアップカットは、工具の寿命が短いので、一般にはダウンカットで切削します。



(1)工作機の剛性が低くても切削できる。
(2)切削部を引き剥がす力が働くためビビリを生じやすい。
(3)切削はじめが食込み0なため摩擦力が大きく、工具に曲げ力が強く働きビビリを生じやすい。
(4)切込み時の摩擦熱で工具の刃が摩耗しやすくビビリでかける。
(5)切削面は光沢面できれい。
(1)食込み時の衝撃が大きく工作機に高い剛性が必要。
(2)ビビリは少ない。
(3)食込み時の衝撃が大きく工具に剛性が必要。但し食込がよいのでロングエンドミルなどに向く。
(4)刃先の摩耗は少ない。
(5)切削面のツヤがない。

通常、工具の回転方向はM03(正転)に決まっているので(工具の刃の向きが、正転用になっている)工具の進行方向で被削材の左側に工具がある状態で切削すればダウンカットとなります。

したがって工具の進行方向は常に一方向でなくてはなりません。三次元の形状では一方向に切削しても部分的にアップカットになってしまうこともあります。この場合、切削領域を分けて加工するか、等高線に加工する方法をもちいます。