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第1回 ERPとは

はじめに

橋本さくら

皆さまいつもお世話になっております。
NTTデータエンジニアリングシステムズ(NDES)の橋本さくらです。
今年の7月にインテグレーション事業部に配属されました。
インテグレーション事業部は主に、ERPを中心としたビジネス系ソリューションを提供している部署になります。
まだまだ勉強不足で分からないことも多いですが、お客さまに最適なソリューションを提供できるように頑張ります。
このコラムを通して、まだまだ勉強中の私と、ERPについて知っていきたいお客さまと一緒に勉強できればと考えています。
今回は講師として同じ部署の村上さんもコラムに登場します。
村上さん、自己紹介をよろしくお願いします。

村上たくや

皆さまいつもお世話になっております。
NDESの村上たくやと申します。
橋本さんと同じ部署のビジネスインテグレーション事業部に所属しています。
ERPの業務に携わり7年目になり、講師としてコラムに登場させていただきます。
皆さまに分かりやすくコンテンツをお伝えできるように頑張ります。よろしくお願いします。

ERPとは

村上たくや

では、記念すべきERPの基礎編第1回のコラム「ERPとは」ということで、早速ERPについて学習していこう。
橋本さん、そもそもERPってなんの略語か知っていますか?

橋本さくら

えーと、たしかEnterprise Resource Planningの略で日本語訳にすると企業資源計画です。一応これは勉強しました。

村上たくや

そうそう!その言葉通り。
企業の持つさまざまな資源、例えば人材、資金、設備、資材などの情報を統合的に管理、配分して業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法のことをERPと言います。そのERPを実現するためのソフトウェアがERP(統合業務)パッケージなのです。

橋本さくら

なかなか難しいですね・・・。

村上たくや

もう少し簡単に説明すると販売、調達、生産、物流、在庫、会計、人事、給与といった企業の基幹業務をサポートする情報システムのことで、現在はERPという言葉そのものがERPパッケージを指していることが多いようです。

橋本さくら

なんとなくイメージはつかむことができました。
ERPパッケージは、会社の人材、資金、設備などを管理するためには無くてはならないものということですね。

村上たくや

そういうことです。ERPパッケージが必要不可欠になっている理由は、会社では常にさまざまな状況を確認して経営戦略などを決定する必要があるからです。
経営に関する情報をリアルタイムに把握したいとき、その情報がどこにあるのか、分かりやすくまとめられているか、がとても重要です。

橋本さくら

ERPパッケージを導入することで、企業内の経営に関する情報を簡単に確認できるということですね。

村上たくや

ERPの基礎知識としては、ここまでの説明になります。
橋本さん理解できたかな?

橋本さくら

はい!ERPがなぜ必要で、なんのため必要なのか理解することができました。
ご説明いただき、ありがとうございます。

村上たくや

よかった、よかった。
じゃあ、より理解を深めるためにERPが誕生する背景について勉強していこう。
ERPがなぜ生まれたかその背景を知ることは理解を深めるためにも
とても重要だよ。橋本さん、引き続き頑張って学習していこう。

ERPが誕生する背景

村上たくや

ここで学習するのはERPが誕生する背景です。

橋本さくら

はい!よろしくお願いします。

村上たくや

現在では、ほとんどの会社に導入されているERPがどのように普及したのか、
それは、1960年代後半に事務用の専用コンピューター(オフコン)が企業へ導入されはじめました。

橋本さくら

オフコンってなんですか?

村上たくや

オフコンは、事務処理に特化したコンピューターで、この頃はオフコンを使って会計業務を電子化したんだ。
このときの機器は大きく、価格は高くてなかなか普及しなかった。
それがだんだん小型化・低価格化が進んで、いろんな企業に普及したんだ。オフコンは、今じゃ珍しくなったけど、働いているうえで時々出てくる言葉だからこの機会にしっかりと覚えておこう。

橋本さくら

はい!最初はオフコンで企業の情報を管理していたのですね。

村上たくや

そうそう。
オフコンにより電子化がスタートして、業務処理能力が大幅に向上しました。
さらに、オフコンが普及していくことによって、最初は細かい計算が必要な経理部門や製造部門でしか利用されなかったオフコンも、さまざまな部門で利用されるようになっていきました。
ただ、当時のオフコンは部門間での連携が難しく、経理部門は他部門が入力した情報を再度入力するという手間が発生することもありました。

橋本さくら

連携ができないということは、二重入力の手間が発生するだけじゃなく、情報の一元管理もできませんよね。

村上たくや

そのために開発されたのがERP!
ERPが開発されたことによって、それぞれの部門の会計情報が経理部門に自動で連携され、常に会社のさまざまな情報を瞬時に確認できるようになりました。

橋本さくら

ERPが開発されるまでの背景を理解できました。
ありがとうございます。

村上たくや

ERPがなぜ生まれてきたのか、理解できて良かったです。
次はERPの特徴について学んでいこう。

ERPの特徴

村上たくや

ここで学習するのはERPの特徴です。
ERPの特徴は以下のように大きく3つあります。

  • 情報の一元管理
  • 企業の情報をタイムリーに確認
  • 業務の効率化

それぞれの特徴を説明していきます。

橋本さくら

はい。よろしくお願いします。

村上たくや

まずは、「情報の一元管理」です。
ERPを導入することによって、システムごとにバラバラに存在していた情報を1つにまとめて一元管理ができるようになりました。この情報の一元管理の実現は、他の2つの特徴にもつながっていきます。

橋本さくら

「ERPとは」の章で説明されていた販売、調達、生産、物流、在庫、会計、人事、給与といった元々はバラバラだったシステムをERPで1つにまとめることができるのですね。

村上たくや

その通り!情報を一元管理することによって、その情報をタイムリーに連携することができるので、正しい経営情報をすぐに確認できるようになりました。
例えば、登録されている受注情報に対して売上処理が実行された場合は、営業部門から経理部門に売上データがタイムリーに渡ります。

また、情報の一元管理は業務の効率化にもつながっています。
従来はシステムごとに情報が管理されていたので、それぞれのシステムに情報を入力していたため、2重入力、3重入力が発生してしまい業務効率が悪くなっていました。それがERPを導入することで情報が自動的に連携されるので、入力する手間がなくなり、業務効率化に繋がります。

橋本さくら

2重入力、3重入力が発生してしまうと、情報を誤って入力してしまうこともありそうですね。
そういった手戻りがなくなるメリットもありますよね。

村上たくや

そうだね。
ERPを導入することによってさまざまなメリットがあります。

橋本さくら

企業に必要不可欠なERPは、働き方改革にも関係しているのですか。

村上たくや

そうだね。
現在は働き方改革に力を入れている企業も多いので、業務効率化のためにERP導入を検討する企業も増えています。
これも踏まえ次回は、ERP基本編の最後としてERPの種類を学習していこう。
橋本さん、最後まで気を抜かず頑張っていきましょう。

橋本さくら

はい!頑張ります。また次もよろしくお願いします。

ERPの種類

村上たくや

ではERPの基礎編の最後に、ERPの種類について学習していこう。

橋本さくら

はい。よろしくお願いします。

村上たくや

ここで説明するERPの種類は、統合型ERP、コンポーネント型ERP、業務ソフト型ERP、業界特化型ERPの4つです。
それでは順番に説明していきます。

最初の「統合型ERP」は、先ほども説明した販売、調達、生産、物流、在庫、会計、人事、給与といった全ての業務をカバーできるERPです。

橋本さくら

全ての業務を一式で管理できるので、情報連携に優れてそうですね。

村上たくや

次の「コンポーネント型ERP」は、必要な業務を対象にして導入ができるERPです。
さらに追加でシステム化を行いたい業務が増えた場合に拡張することもできます。
例えば、人事と給与の業務だけシステム化したい場合に、人事給与のシステムを導入し、その後に販売業務をシステム化するといったパターンがあります。

橋本さくら

必要な機能だけを選択して導入できるので、費用を抑えることができそうですね。

村上たくや

そして「業務ソフト型ERP」は、特定の業務のみ対象にして導入ができるERPです。
例えば会計業務の場合は、会計業務に必要な機能をまとめたシステムなので、会計情報をまとめて管理することができます。

橋本さくら

コンポーネント型ERPの、さらに機能を細かく選択できるイメージですね。

村上たくや

最後の「業界特化型ERP」は、業界によって業界独自の業務があり、それに適用したERPです。
本来ならカスタマイズ等で自社の業務に合わせたシステムを構築する必要がありますが、業界特化型ERPなら標準でその機能を備えているので、カスタマイズを減らして導入費用の削減が可能となります。

橋本さくら

さまざまな種類のERPがあるのですね。
これは覚えるのが大変そうです…。

村上たくや

まとめるとこんな感じかな?

  • 統合型ERP
    全ての業務を網羅したERPで情報連携の手間を省くことができます。
  • コンポーネント型ERP
    必要な業務を対象にしたERPでシステムを選択して導入することができ、必要な業務を後から拡張することも可能です。
  • 業務ソフト型ERP
    特定の業務を対象にしたERPで各種業務の情報をまとめて管理ができます。
  • 業界特化型ERP
    業界特有の機能があるERPで業界特有の業務に対応ができます。

さまざまな種類のERPがあることが分かったと思いますが、
どの種類のERPも一長一短で各会社に合わせたERPを導入することが重要です。
ところで私たちNDESが自社開発しているERPの「Project-Space」は、どの種類に当てはまるかな?

橋本さくら

「Project-Space」は、業界特化型ERPに当てはまりそうですね。

村上たくや

そうだね。
「Project-Space」は、設備工事業やエンジニアリング業等の個別受注生産に特化したERPだよ。
それじゃあ次回はその「Project-Space」について学んでいきます。

橋本さくら

ありがとうございました。
ERPについてこれまでよりも詳しくなれたと思います。
次回までに今回の内容をもう一度振り返ってみます。
引き続きよろしくお願いいたします。