人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
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No.105 | システム紹介
受注生産型製造業向けのERPソリューション
Project-Space® Version 3.0のご紹介
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
ビジネスインテグレーション事業部 第二営業部 営業課 担当課長
松村 卓範

はじめに

Project-Spaceは、設備工事、建設、造船、橋梁、新電力等、受注生産型製造業に特化したERPソリューションです。NTTデータグループで開発した純国産となるERPのBiz∫(ビズインテグラル)をベースとしたProject-Spaceは、業界特有の機能を実装していることでカスタマイズを最小限に抑えることができ、企業の主要業務を支える基幹業務システムを構築できます。

本稿ではリリースを予定しているProject-Space Ver3.0(以下、Ver.3.0)の概要についてご紹介します。

※リリースの内容は予告なく変更することがあります。

図1 Project-Spaceの構成
図1 Project-Spaceの構成

Biz∫ Ver3.0への対応

Project-Space Ver.3.0は、Biz∫の新バージョンである3.0へ対応しました。Biz∫3.0では、お客さま固有の機能を追加する開発方式が強化されました。この強化に伴い、Project-Spaceと外部アプリケーションの連携などを容易に実現することができます。今後もベースとなる統合基盤intra-mart、ERPパッケージBiz∫の新バージョンに対応し、新しいテクノロジーを採用していきます。

機能強化

①新収益基準の対応

日本の会計基準を国際的な会計基準に合わせる方針から、定められた新収益認識基準に対し、必要な機能を追加しました。

  • 原価回収基準への対応
    工事が始まる前に総売上と総原価が確定しなくても売上計上を実施できる「原価回収基準」に対応しました。
    「原価回収基準」は、回収することが見込まれる費用の全額で収益を認識させるため、売上時の売上高に発生原価を設定します。
図2 工事区分に原価回収基準を追加
図2 工事区分に原価回収基準を追加
  • 契約資産、契約負債の管理
    契約資産および契約負債の管理は、仕訳定義にて調整することができます。

②電子帳簿保存連携

国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存など、スキャナー保存制度、電子取引のうち、以下の機能を強化しました。本機能により、電子帳簿保存法の対応がさらに容易になりました。

  • 国税関係書類の伝票として添付する資料の一括管理、一括ダウンロード機能の追加
  • 電子帳簿保存に特化したパッケージとの連携機能の追加

③入金消込機能の強化

次のように入金消込機能を強化しました。これにより、入金管理作業の効率アップを図ることができます。

  • 入金消込情報の検索条件の追加
    検索条件の追加により対象債権の選択がさらに容易になります。
  • 入金予定情報に関する更新機能の追加
    資金繰りへの連携を強化しました。
  • 滞留債権に関する回収状況管理の強化
    滞留債権の回収状況管理がさらに容易になります。

④資金繰り機能の強化

資金繰り機能に関して帳票の追加など、機能を強化しました。多くのお客さまから資金繰りに関するご要望がありましたので、この資金繰り機能は、Ver.3.0より標準機能として装備しました。

  • 収支予定/実績を収集する機能の追加
  • 発注済み未検収情報、受注済み未請求情報を取得する機能の追加
  • 資金繰り表、収支明細の帳票/ファイル出力機能の追加
図3 資金繰り表の出力
図3 資金繰り表の出力

短期導入型テンプレートツールの強化

Project-Space Ver2.7から実装した短期導入型テンプレートツールの機能充実を図りました。Ver.3.0は、より短期間でProject-Spaceの導入が可能です。

①インターフェース、移行データ簡易取り込みツールの提供

システム間のインターフェースにおける項目マッピング、項目補完などを考慮した連携機能の構築が可能です。また、移行データからデータ取り込みまでのチェックと取り込みを行うことができます

②短期導入型テンプレート環境の構築

クラウドサービスのプラットフォームであるアマゾンウェブサービス(AWS)上にProject-Spaceの標準機能の環境を構築しました。これにより、パソコンがあればProject-Spaceの標準機能を利用して、データを確認することが可能となります。

短期導入型テンプレートツールは、お客さまの業務をProject-Spaceの標準機能に合わせていただくことで、短納期・低コストでのシステム導入を実現します。さらにシステム導入を機に、煩雑になっている社内業務を標準化できます。また、法改正や機能強化などProject-Spaceの新機能が容易に適応できるメリットもあります。

私たちは、100社を超える業界へのERP導入実績・ノウハウを生かし、標準機能に沿った業務改善をご提案します。

図4 短期導入型テンプレートツール(標準的な導入法と短期導入プランの比較)
図4 短期導入型テンプレートツール
(標準的な導入法と短期導入プランの比較)

おわりに

Project-Spaceは今後も時代のニーズやお客さまのご要望にお応えした新機能および既存機能の強化を行い、「はやく ながく 確実に」を合言葉に、お客さまに満足いただける製品として発展していきます。

ぜひとも、これからのProject-Spaceにご期待ください。

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