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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.33 お客様事例

試作・開発品にSpace-EとICEM Surfを活用する

株式会社トピア様は、あらゆる分野における試作品、開発品の板金加工、精密機械加工を得意とされ、業界をリードするスピード化に挑戦し、日本一、世界一進んだ企業づくりを目標にされています。また、その時々の最先端設備、技術を完備され、付加価値の高い製品、技術力の高い製品づくりに挑戦されています。

今回は、Space-E とICEM Surfを導入された背景と効果についてのお話を中心に、代表取締役 社長 佐々木英樹様、副工場長 山口和也様、設計部 CAD 源本耕司様にお伺いしました。

事業概要

当社は金属に関わる全ての試作品、開発品の加工を行う会社です。

加工に関しては、絞る、曲げる、削るという加工全般を行っており、材料も鉄、ハイテン、アルミ、ステンレス、チタン、マグネシウムなど、その他いろいろな金属を取り扱っています。当社の業務内容は、自動車だけに限定することなく、OA機器、医療機器、環境機器、服飾関係の金型、玩具など幅広い分野に渡ります。このような幅広い分野の試作、開発会社は珍しいのではないかと思います。

【トピアの技術力】

トピアの強みは3つあります。まず1つ目は、短納期です。独自のノウハウを蓄積した製造技術力、十分な台数と能力を持った設備を組合わせた仕組みで、業界標準の半分の納期に対応しています。2つ目は、ハイテン材の加工技術です。常に業界トップの技術を目指しており、100kgf/mm2~150kgf/mm2までの加工技術を持っています。今後、自動車における一層の軽量化が求められるため、ハイテン材の技術力が重要になります。3つ目は、デザイン設計から量産までをトータルでご提案できることです。

現在6月完成に向けて、2,400坪の敷地に新工場を建設中です。ホワイトボディーなどの大物サブアセンブリの試作ラインも、23億円を投資して新設します。今後も、お客様のご要望に最先端技術で対応いたします。

GRADE導入の背景

職人さんが木型を作っていると、どうしても限界があります。モデルがないと型が作れないので、モデルができるまでは後工程が進まなくなります。そこで、何とかモデルを早く作れないかということで、3次元CADを検討しました。

当時、GRADEも候補にあがりましたが、最終的には他社のCADを導入しました。導入した3次元CADを実際にオペレーションしてみると、なかなかモデルが完成できずに、やっと完成しても切削するとモデルの寸法が違うということがよくありました。

それでもしばらくは使っていましたが、GRADEが良いらしいという評判を聞いて、再度検討して平成3年にGRADEを1台導入しました。GRADEの操作は難しそうでしたが、GRADEに決めた一番の理由はCAMの加工精度が良かったからです。

人物の写真
副工場長 山口 和也 様

この頃、まだ金型メーカは3次元CADを導入していませんでしたが、当社は、これからは3次元CADを使う必要が絶対あると考えて、いち早く投資をしました。

その後も増設を考えて、他CADメーカも見に行きましたが、モデルの精度が非常にラフで、加工精度も悪かったり、グラフィックスの性能に問題があったりしました。その頃のGRADEは、細部まで形状の線がきれいに繋がり、加工精度も良く、シリコンのマシンに搭載され、グラフィックスの性能も良かったので、GRADEを3台増設しました。

それからも増設をしてGRADEを5台にしました。

このように先行して3次元CAD/CAMに投資してノウハウを構築してきましたが、性能の良いハードがどんどん出てきていました。そのため、後発の企業にハードのスピードで負けないように、頻繁に最新のハードに変えて、その時のスピードや優位性に関しては、他社よりも常に進むように取組んできました。

GRADE導入の効果

CADを担当していた山口副工場長は作業が早く、図面の理解力が優れているという一種特殊な才能がありました。他社よりもかなり早く3次元CADを修得して使いこなし、スムーズに前工程の流れに組み込むことができました。

それでモデルが早くできるようになると後工程がすごく楽になり、製作日数が短縮されました。

「とにかくトピアは、ものができるのが早い。」ということが今の当社の売りになっています。

ICEM Surf、Space-E導入の背景

GRADEの増設のときに、デザインや曲面が自由に操作できるCADということで、ICEM Surfのデモを見せてもらいました。そのときデザインの仕事はありませんでしたが、将来的には必要になると見込んでICEM Surfを1台導入しました。

設計部では、常にCAD/CAMに関して、今後どのようなツール、ソフトを使って、機械をどのように動かしていくのかを検討しています。

その後Space-EをGRADEの後継として導入しています。

画面例 画面例
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モデル(Space-E)

ICEM Surf導入の効果

【ノウハウを構築して増設】

ICEM Surfを導入してから、漫画とクレイモデルからプラモデルを製作してほしいという依頼がきました。外寸だけが決まっていて、クレイモデルからCADに落としていく作業で、曲面を操作できるICEM Surfでなければできない仕事でしたので、ICEM Surfを有効に活用できました。

このように主にプラモデル関係の仕事にICEM Surfを使っていましたが、自動車関係の仕事依頼があったことが、ICEM Surfの増設のきっかけになりました。ICEM Surfは、業種が違ってもプラモデル製作でノウハウをある程度培ってきたので、スムーズに自動車関係の仕事に取り組むことができました。

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ICEM Surfによる曲面操作

【非接触3次元測定機との複合】

次に大きな効果があったのは、非接触3次元測定機との複合です。非接触3次元測定機は5年ほど前からいろいろ検討していましたが、スピードや精度などに問題があり、まだ導入する段階ではないと思っていました。2年程前に現在使用している非接触3次元測定機のデモを見せてもらい、スピード、精度の問題が解決していたので、即決で導入を決めました。まだ、自動車メーカしか持っていない頃に導入していますので、非常に早い投資でした。

またICEM Surfを増設するときに、点群から取り込めるスキャン機能のモジュールを追加したので、非接触3次元測定機で測定できるものは自由自在にCADへ取り込めるようになりました。

今のもの作りは、昔のような倣いがありませんので、CADにデータを入れて形状を再現するには、非接触3次元測定機しかありません。スキャニングなどもありますが、時間がかかり、精度などいろいろ問題があります。CADにデータを取り込むことにより、当社の設備を活かして、部品や金型の復元製作や設計変更に対応できます。1から作り直すことと比べるとリードタイムが1/3になり、ものづくりの根本的なスピードアップを図れます。非接触3次元測定機もICEM Surfがなかったら、ここまでの効果を出すことはできなかったと思います。両方あって、それぞれの機能が組み合わさったので、期待以上の効果が出ています。

現在は、非接触3次元測定機とICEM Surfを使って、実際の自動車のデザインなども行っています。

挿絵
非接触3次元測定機

【評価機能の利用】

ICEM SurfはハイエンドなCADなので、簡単なものを作成するときも工数がかかっていましたが、1年ほど前に、ICEMクイックサーフェイスを導入して使っています。ICEM Surfは評価機能が優れていますので、他社のソフトも使っていますが、曲面を評価するときは、必ずICEM Surfに戻して評価機能を使っています。これで簡単なものもそれにあった工数で作成できるようになりました。

【やりがいとチャレンジ精神】

通常のプレス部品などは、内部に入るものが多いのですが、ICEM Surfを使う部品は必ず表にでてきます。自分達でデザインしたパーツなどが、実際に世の中に出ているので、ここは自分がやったところというのが、はっきり分かり、社員もやりがいを感じています。

それから、ICEM Surfを使うと汎用的に細かいことが操作できるので、通常のCADを使うより時間が短くてすみます。それが「救急病院の責任感」、「チャレンジ精神」という会社の経営方針にのっとったやり方に合っていました。

今ではデザインに関する需要は年々増えて、仕事量も2倍になっています。関東の方がデザインの需要としては多いので、関東にデザインセンター、CADセンターを3月に開設しました。

人物の写真
設計部
CAD 源本 耕司 様

【売上げトップに貢献】

神奈川と埼玉に営業所を開設して9年ぐらいになりますが、開設して4~5年目頃は本社の営業より売上が多いときがあり、それで一気に売上が倍になりました。売上が落ちた時期もありましたが、社長自らが営業の最前線に出て、全社一丸となって頑張ってきました。当社は決算が7月で、去年の前期の段階で平成9年から比べると7年間で250%の売上になります。

また今期も20%アップする予定なので、同業界の売上げ予想はトップを見込んでいます。

この試作業界の競争をトピアが勝ち抜いてきた背景には、Space-EとICEM Surfを使用していたことが上げられます。

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モデル(Space-E)

今後の展開

【海外への展開】

今後は、アメリカやヨーロッパなど海外へ進出して営業展開していく予定です。

ものを作っている工場ではなくて、ものを開発している会社へのアプローチとして、3月に開催されたアメリカのサプライヤー展示会にも出展しました。ものを作る工場としては、中国などアジアになってくるのかもしれませんが、依然として世界の中ではアメリカとヨーロッパが製品を開発しています。

【量産までのエンジニアリング提案】

量産につなげていくには、開発品、試作品など実際のものを作って、それをテストに使っています。もちろん今後もその形は残りますが、やはりデジタル化として、いわゆる試作レスに向けての対策が必要です。試作レスになると、会社として成り立たなくなってしまうので、量産立ち上がりのトータル的なエンジニアリングとしてコンピュータを利用した提案をしていきたいと考えています。そのためには2010年ぐらいまでに、実際のもの作りだけではなく、企画から量産までをトータルでサポートしていける体制を整えていく必要があります。

【設備投資】

昨年末にユーロモールドの展示会やドイツ国内のいろいろなベンダーを回ってきました。

日本の工作機、ソフトウェアが優れている時代もありましたが、今はドイツの時代かなと思いました。例えば、CAD/CAMばかり進んで良いデータを作っても、機械の精度が追従していないと良いものができません。ハードスペックに耐えらる工作機が必要です。ユーロモールドの展示会で実際マシンを目の当たりにすると圧倒的にスピードや品質の面で日本製は負けているなと感じました。金型を作るのにドイツの機械を使うと、日本で部分的に20時間かかっていた作業が、半分の時間でできていました。今後の設備投資の参考になりました。

【情報収集と目利き】

営業所の開設、海外への展開、ツールの投資などは目利きが必要です。この目利きは、感性と情報から成り立っていると思うので、いろいろなお客様からの情報や、新聞・雑誌を読んで、世の中の流れを自分なりに予測しています。新しくて面白そうなツール、ソフトには興味があるので、先行投資していますが、将来的には工程内に取り込み連動させるつもりで導入しています。ICEM Surfは導入後、実務に入るまでノウハウを蓄積する時間がありましたが、非接触3次元測定機は、導入した途端に仕事が入ってきました。先を見据えた先行投資のつもりでしたが、時代の動き方が思った以上に早くなっているので、今後の情報収集と目利きは重要です。

HZSへ

CAD/CAMベンダー全般に言えることですが、ユーザのニーズが分かっていないと思います。当社は試作会社なので、特殊な使い方なのかノウハウなのか分かりませんが、他の金型メーカと違った使い方をしています。もっと少数意見の要望も取り入れてほしいと思います。

当社は海外へ進出しますが、ものは日本で製作します。海外で注文を取って、日本で製作するというMade in Japanで、それだけのスピード、品質で競争力を持たせようとしています。HZSはCATIAに力を入れられていますが、オリジナルの部分も出して、Made in Japanとしても頑張ってもらいたいと思います。

おわりに

スピードスケートの清水選手の技術的なスポンサーもされているお話などもお伺いでき、幅広い分野でご活躍されていることをあらためて感じました。

大変お忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

会社プロフィール

会社の写真
本社・工場
本社・工場 三重県鈴鹿市一ノ宮町1477番1
創業 昭和48年8月
資本金 86,000,000円
従業員 370名
事業内容 3Dデザイン・設計、試作板金加工、量産型・治具・検具、精密機械加工、精密溶接、組立て
製品の写真
ステハン
製作期間:[受注から15日]

製品の写真
シート部品
(ハイテン100K)
製作期間:[試作15日]
製品の写真
シートフレームアセンブリ
製作期間:
[ワイヤーデータから15日]

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