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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.39 システム紹介

Space-E CAA V5 Basedの新たな取り組み

人物の写真
日立造船情報システム株式会社
システムソリューション統括部
システム開発部
取締役 部長 小嶋 一郎

はじめに

2002年にDassault Systemes(以下DS)と戦略パートナーシップを締結し、以降CATIA V5のPLMを金型製造業に使っていただくため、V5 CAA上に金型製造業向けCAD/CAMシステムSpace-E V5を開発してまいりました。R14SP4以降、CATIA V5 SMG(3アクシス・サーフェス・マシニング)の性能が大幅に改良されました。SMGを搭載しているSpace-E V5も、さらにお客様に満足して使っていただくために、6月から7月にかけて約1ヶ月あまり、DSと共同で、Space-E V5 CAMの技術的な見直しを実施しました。その内容および今後の開発内容について説明します。

これまでのバージョンアップ内容

2002年秋にR10を出荷以降、最新のバージョンR15まで6回のバージョンアップを実施しました。これまで、HZSが機能追加してきた項目を記します。

【Space-E V5 Core & Cavity Design】

CATIA V5のCCD(コア&キャビティー・デザイン)に、HZSの機能を追加。キャビティ・コア形状のモデリング工数削減を狙い、複合曲面機能を中心に改良しています。

説明図

【Space-E V5 Mold Design】

CATIA V5のMTD(モールド・ツーリング・デザイン)に、HZSの機能を追加。日本の金型部品データベースの整備、穴明けとの連動、温調設計、アンダーカット設計などを追加、改良しています。

説明図

【Space-E V5 CAM】

CATIA V5のSMG(3アクシス・サーフェス・マシニング)に、HZSの機能を追加。Space-E/CAMを直接起動できるブリッジ機能。ポストプロセッサー、パス編集、自由経路、リブ加工、隅取り加工などSpace-Eで実績ある機能を追加しています。

説明図

Space-E V5 CAM R14とSpace-E Ver.4.3の相対評価

Space-E/CAM Ver.4.3とSpace-E V5 CAM R14の詳細な機能比較、ベンチマークでの性能比較を実施しました。

【機能比較】

Space-E V5 CAMが優れている機能は、下記の表になります。

Input data
CATIA V5データの取り込み データ変換&変換プログラム不要
NC Programming/Machining Feature
加工範囲の定義 加工範囲の定義で、CATIAはモデル表面の工具が接触する位置で範囲を制御できる(Space-E/CAMはZ方向から見た工具中心を制御)
残り代の定義 面毎の残り代定義ができる
Roughing Rework
螺旋荒取り機能 螺旋荒取りのボリューム加工対応
Semi Finishing / Finishing
等高線仕上げ機能 等高線仕上げの加工対象:ポケットのみなど、きめ細かに指定ができる

【性能比較】

4つのベンチンマークモデルで、Space-E V5 CAMとSpace-E/CAMの性能評価を実施しました。

-経路の品質
-操作性(クリック回数、操作時間を計測)
-経路計算時間の比較

■ 経路の品質

両システムともに、品質の良いパスを作成できます。

■ 操作時間

Space-E V5 CAMのクリックの回数が多く、操作に時間がかかっています。これは、リブ溝加工用経路の作成において、Space-E V5 CAMの自由経路の操作を改善することで、Space-E/CAMと同等となります(R15に搭載)。さらに、テンプレートなどの活用で、操作時間を短縮できます。

また、R15よりHZS作成コマンドの配置を変更しました。Space-E V5 CAM R14までは、HZSコマンドは、機能に関わりなく、HZS専用のツールバーに配置されていましたが、R15より、各コマンドの機能に合わせて、既存のCATIAのツールバーの中に移動しました。操作性が大幅に向上され、CATIA V5をお使いのお客様もHZSコマンドを違和感なく使用できます。

■ 経路計算時間

荒取り計算では、Space-E V5 CAMが速い結果がでています。

Space-E V5 今後の開発内容

Space-E/CAMのお客様に、Space-E V5 CAMをお使いいただくために、Space-E V5 CAM R15、R16にSpace-Eの機能を移植します。

【Space-E V5 R15で搭載】

  1. Space-E Ver.4.4の隅取り加工
    隅部の削り残し部加工を自動で認識した高速なパス計算を実現します。
  2. Space-E Ver.4.4のリブ加工
    リブの多い3Dモデルに対して、リブの溝加工が可能となります。
  3. Space-E Ver.4.4のスジ彫加工
    自由曲面上でのスジ彫加工が可能となります。
  4. Space-Eの最適化レポート算出機能
    全工程で使用する工具の最適首下長さを一括してレポート算出します。

Space-E V5 CAM R15 HZSコマンドをCATIA V5ツールバーに移動

説明図
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【Space-E V5 R16で搭載(2006年1月に出荷予定)】

  1. Space-E Ver.4.5の等高線仕上げ
    仕上がり部と未仕上がり部を交互に出力およびコーナーRが可能となります。
  2. Space-E Ver.4.5の走査線加工
    エッジ保護、コーナーR、平坦部と傾斜部のパス出しが可能となります。
  3. Space-E Ver.4.5の加工シミュレーション
    高速の加工シミュレーションを提供します。
  4. Space-E Ver.4.5の面沿い
    Space-E仕様の、トリム面の面沿い加工を実現します。

Space-E V5 R16以降の開発内容

2006年度中には、上記の項目に加え、さらに以下の項目を開発する予定です。

【Space-E V5 Core & Cavity Design】


*:EPX2は、3次元CAD/CAMとNC型堀放電加工機をつなぐためのフォーマットです。

【Space-E V5 Mold Design】

【Space-E V5 CAM】

商品構成の見直し

技術的な改良と並行して、商品構成の見直しを行っています。Space-E V5に、より多くのCATIA V5のコンポーネントを搭載し、リーズブルな価格でお客様にご提供できる商品構成にします。10月よりキャンペーンを実施しますので、詳細につきましては担当営業にお尋ねください。

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