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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.45 システム紹介

EOSINTとe-Manufacturing
「EOSINT Pの構成とオペレーション」

e-Manufacturingとは
EOSが提唱する新しいものづくりのコンセプト。
定義は「迅速に、柔軟に、低コストで、デジタルデータから直接製品を自動的に生産する手法」

はじめに

このコラムでは、3次元CADデータからダイレクトに製品を造形する粉末焼結型RP(ラピッドプロトタイピング)システムEOSINTシリーズについてご紹介しています。今回は、プラスチック材料を使用するEOSINT Pのシステム構成とオペレーションに関してご紹介します。

EOSINT Pシステム

EOSINT Pは、システム本体の他に複数の周辺機器、ソフトウェアによって構成されます(構成はお客様によって異なります)。表1は一般的な構成例です。図1は左から「アンパッキング& シービングステーション」、「自動材料供給装置」そして「EOSINT P385」です。自動材料供給装置には二つの材料タンクがあり、一方に新品の材料、他方にはアンパッキング&シービングステーションでシービング(ふるいにかける)されたリサイクル材料(使用済未焼結材料)を入れます。材料は、設定された混合比率で、システム本体につながるパイプ内で混ぜられながら供給される仕組みです。

EOSINT P385とIPCM
図1 EOSINT P385とIPCM
表1 構成例
装置 説明
1EOSINT Pシステム本体P700/P385
2PSWEOSINT制御ソフトウェアです。
制御用ターミナルで操作します。
3EOS RP-Toolsスライスデータの生成などを行います。
PCで使用します。
4レーザー冷却装置本体内レーザーを冷却します。
5自動材料供給装置材料をシステム本体に自動供給します。
6アンパッキング&シービングステーション造形したパーツの取り出します。
リサイクル用の材料振り分けを行います。
7工業用掃除機清掃に使用します。
8コンプレッサーシステム本体、ブラスターにエアを供給します。
9MagicsSTLデータの編集を行います。PCで使用します。
10PCRP-Tools, Magicsを使用します。
11ブラスター造形したパーツの処理に使用します。
12各種備品オペレーションに使用する備品です。
  • ※ 新材料のみでも造形できますが、一定比率でリサイクル材料と混ぜることにより、品質を保ちながらコストを抑えることができます。
  • ※ この統合生産運営(IPCM:Integrated Process Chain Management)の仕組みにより、オペレータの作業負荷を軽減します。また複数のEOSINT Pを接続し、効率よく運用することもできます。

RPのオペレーション

ここからは、EOSINT Pのオペレーション手順をご紹介します。

■STLデータの確認と修正(PCでの作業)

最初に行うのは、造形に使用するスライスデータの作成ですが、その前にPCにインストールされるSTLデータ編集用ソフトウェア「Magics(マテリアライズ社製)」を使用して、各種3次元CADから出力されたSTLデータの確認と必要な場合はその修正を行います。また、この時に造形パーツの形状や肉厚などを把握し、適切な造形位置や姿勢などを決定します。

  • ※ Magicsには、各種データフォーマットからSTLに変換するオプションもあります。

また、EOSINT Pでナイロン系材料の造形を行う場合、サポート(一般的にRPで必要とされる造形物を支える支柱構造物)が不要ですので、一度に多品種、多数個のパーツを造形することができます。これを行う場合、造形エリア内に複数のデータを適切に配置するという煩雑な作業が発生しますが、これを「EOSPACE」というMagics上で動作するソフトウェアで効率良く自動処理することができます。

図3は、その立体配置のイメージです。

立体配置のイメージ図 1 立体配置のイメージ図 2
図3 EOSPACEの活用

■スライスデータの生成(PCでの作業)

次に「RP-Tools(EOS社製)」を使用して、STLデータをEOSINT Pの積層厚に合わせてスライスデータ(断面データ)に変換します。EOSINT Pは、このデータを元に一層ずつ積層造形を行います。EOSINT Pの通常積層厚は0.15mmです。材料によっては0.1mmでの造形も可能です。

■造形パラメータ、造形条件の設定

EOSINT P本体に接続されているターミナルで、制御ソフトウェア「PSW」の造形パラメータや、造形条件の設定を行います。造形パラメータには、標準的なものが用意されていますが、必要に応じてレーザー照射速度や温度などをカスタマイズできます。図4はPSWに表示されたスライスデータです。

スライスデータの画面例
図4 スライスデータ

■造形開始準備および造形開始

上記のデータ処理と並行して、EOSINT P本体の造形準備を行います。材料の準備と、EOSINT P本体内造形室のヒーティングです。これは造形中、一定温度の環境が必要となるため、あらかじめ行っておく必要があります。通常、PA2200(ナイロン12)の場合は約180度です。準備が完了したら、造形開始です。無人で造形が行われます。

■造形終了後のフレーム取り出し

造形は、造形室内にセッティングされたフレームの中で進みます。造形が終了すると、このフレームを取り出しますが(図5)、そのままの状態で自然冷却(推奨:造形時間の1~1.5倍程度)を行います。これは、造形終了直後は加熱された状態であり、造形パーツ変形の原因となる急激な温度変化が起きないようにするためです。

なお、フレームを取り出した段階で、システムは次の造形準備に取りかかることが可能です。

図5 取り出されたフレーム
図5 取り出されたフレーム

■フレームから造形パーツ取り出し

冷却を終えたフレームは、アンパッキング&シービングステーションに取り付けられ(図6)、造形パーツを取り出すとともに未焼結材料(フレーム内のパーツとして固まっていない材料)をシービングし、リサイクル材料として確保します。取り出された造形パーツはブラスターで表面処理し、その後は必要に応じた研磨、塗装などの後処理を施します。

フレームが取り付けられたアンパッキング&シービングステーションの説明図 造形パーツの取り出し
図6 フレームが取り付けられたアンパッキング&シービングステーション(左)と造形パーツの取り出し(右)

EOSINT Pのこれから

今後は、造形スピードアップがひとつのターゲットです。造形時間の短縮は、生産性向上に直結します。また、より多くの製品への適用を目指し、適切な材料の開発も行われています。このことを実現しながらEOSINTは、本格的にRM(Rapid Manufacturing)システムに進化しようとしています。

おわりに

今年も設計製造ソリューション展に出展します。

EOSINTについては、新しくご紹介する製品もありますので、ぜひご来場ください。

◆ 第18回 設計・製造ソリューション展(DMS)

会 期:2007年6月27日(水)~29日(金)10:00~18:00

会 場:東京ビックサイト

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