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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.70 お客様事例

Space-E/Moldによる金型設計の標準化を
海外グループへ展開

PT. MEIWA MOLD INDONESIA 様は、2002年にインドネシアの現地法人として設立され、現地スタッフの採用、育成にも力を入れており、10 年以上にわたり主力のアルミダイキャスト金型を中心に現地生産しています。日本と同等の品質とサービスを実現され、お客様のご要望に幅広く対応されていらっしゃいます。そして、売上規模は東南アジア諸国連合(ASEAN)でトップという目標を達成して、次のステップへと邁進されています。

今回は、現地法人の設立について、明和製作所グループとしての役割、そしてSpace-E/Moldでの金型設計への取り組みなどのお話をお伺いしました。

会社設立からの立ち上げ

代表取締役 大矢知 俊秀 様
代表取締役
大矢知 俊秀 様

当社は、株式会社明和製作所が事業のグローバル展開を目指して、インドネシアに設立した現地法人です。その他にも海外には、タイのMEIWA MOLD (THAILAND) CO., LTD、中国の明和精密模具(常熟)有限公司があります。

2002年5月に設立した当初は、工業団地内のサービスアパートを仮事務所としたスタートでした。それから、9月末には工場が完成し、10月には機械を搬入して本格的な操業を開始しました。この操業までは順調でしたが、その後の仕事が思うように受注できませんでした。やはり、お客様は信用できる金型がインドネシアで製作できるのか疑心暗鬼になっていました。そのため、最初の4カ月は金型修理しか依頼していただけず、その間は日本やタイのグループ会社から簡単な金型製作や部品製作をさせてもらいました。そうこうしながら、金型修理の技術を認めていただき、まずは簡単な新規金型の受注ができるようになりました。それからは、新規金型を製作するたびに信頼を得ることができ、徐々に受注が増えるようになりました。

ただ、これで安心はできませんでした。やはり、価格が安いのです。この先、仕事をスピードアップしても利益が出ないことが見えてきたのです。すぐに、機械加工の経験者を採用してトレーニングを始め、実務に入れるようになったとき、昼夜の2交代勤務にしました。これで生産量が増え始めたので利益を確保できるようになりました。

当社は、アルミダイキャスト金型が売り上げの90%を占めます。このアルミダイキャストは、金型の寿命が短いため同じ型を定期的に依頼されます。月に800トンの金型を8型ほど製造できる能力があります。

残りの10%ほどが、その金型修理とスペアパーツの製作、販売です。このスペアパーツは、破損して定期的な交換もあるため、かなりの需要があり、当社やインドネシアの外注で製作しています。その他には、インジェクション金型も若干製作しています。

特殊鋼の材料は、日本からの輸入材を使用しています。その他の材料も、大部分は輸入材ですがローカルで良い材料があれば使用しています。

グループ内での当社の役割

当社の最も重要な目的は二つあります。その一つは継続的な利益の確保による親会社への利益還元です。もう一つはローカルの人材育成と納税によるインドネシア社会への貢献です。

また、その他の役割としては、親会社の部品調達先を担っていることです。日本国内では、簡単で小さな金型部品の手配先が徐々に減少しています。この手配先は、規模の小さな会社が多く、経営が厳しかったり、跡継ぎの問題があったりして廃業するケースが多くなっています。そのため、当社で部品製作を受けてインドネシアの外注先に依頼し、検査は当社で行って日本に輸出しています。今後、インドネシアの価格が高くなれば、部品の調達も難しくなりますが、現在はコストダウンできています。

グループ内での役割としては、他の拠点がキャパオーバーになったとき、金型設計やデータ作成のアウトソーシングの受け入れ先になっています。

Space-E/CAMについて

Production General Manager Andri Wahyudi 様
Production General
Manager
Andri Wahyudi 様

Space-E/CAMは、機能が揃っているので部分的な変更が入る場合に便利なツールです。他のシステムでは、設定が自動で決まるため、変更があると対処が煩雑になります。

ただ、Space-E/CAMは機能を理解していないと設定ができないため、皆が使うシステムとしては操作が難しいと思います。現在は、機能を理解している一部のスタッフがテンプレートを作っているので、それを利用すれば誰でも同じようなレベルの加工データを作成できます。

切削経路(Space-E/CAM) 切削経路(Space-E/CAM) 切削経路(Space-E/CAM)
切削経路(Space-E/CAM)

Space-E/Mold導入と利用

取締役 和田 浩二 様
取締役
和田 浩二 様

金型の3次元設計システムは、当社の担当者に選定させました。まず、Space-E/Moldを含めた3システムに絞り、実際に使用して評価しました。これから自分たちで使っていくという視点で、使いやすさ、機能、カスタマイズなど、当社の金型設計に適したシステムを相対評価で検討しました。その結果、Space-E/Moldの導入を決めました。

この導入に至った要因は、Visual Basicを利用してMicrosoft Excelに数値を入れることで部品の自動配置ができるというNDESの提案です。他のシステムは機能的には良いのですが、部品配置に関してカスタマイズすることが難しかったのです。

現在は、Space-E/Moldを3台に増設して金型設計に取り組んでいます。まずは、部品のテンプレートを作成しています。それと並行して、Space-E/Moldのワークショップを社内で毎週開催しています。ワークショップでは、金型設計をするためのモデリングのやり方や操作方法を2時間ほど勉強しています。モデリングが上達するには、ここで勉強するだけでなく、数をこなすことも重要です。

3次元金型設計(Space-E/Mold)
3次元金型設計(Space-E/Mold)

金型設計の取り組み

設計(Space-E/Mold)
設計(Space-E/Mold)
機械加工
機械加工
金型の作業
金型の作業

図面レスで効率化を図る

金型の納期は、4カ月から50日と幅があります。短納期のものは、簡単な製品形状ですが、3次元で金型設計をするとモデリングに時間を取られるため、つい2次元で設計してしまいます。そこをチャレンジする気持ちで頑張ってほしいと思います。現在のネックは、2次元図面の作成に時間が取られていることです。これは、NDESへの要望として、もっと簡単に3次元から2次元図面が作成できるようにお願いしています。

今後は、図面レスに取り組みたいと考えています。と言うのは、3次元で金型設計をしても加工に図面が必要だという状況では、いつまでたっても工程を短縮できないからです。これからは、図面を描かずに設計した3次元データだけで加工したいと考えています。そうすると、設計時間が短縮できます。ただ、現場も図面レスに対応できるように準備をする必要があるため、設計と現場で連携して効果を出そうと考えています。

また、図面が必要なお客様もいらっしゃるので、3次元データを3Dビュワーで見ていただけるご提案をする必要があります。まだ、越えなければいけない壁はたくさんありますが、良い手ごたえを感じています。

当社は図面レスに取り組み、NDESは図面作成の簡略化に取り組んで、双方で実現できれば、どちらにしても工程を短縮できます。

金型設計の標準化

アルミダイキャストの場合は、お客様によって設備や型仕様が千差万別なので同じ金型設計をすることがなく、標準化が難しいと言われています。そのため、親会社では、それぞれのお客様のこだわりが詰まった金型設計を行うことがほとんどです。

ところが、インドネシアでは、金型設計の基準を当社で決めさせていただけるお客様がいらっしゃいます。そうなると、標準化に取り組むことができるのです。それに、お客様の数も多くなってきましたので、標準化できれば作業効率も向上します。

Space-E/Moldで金型設計をするために、さまざまなことに挑戦して壁にぶつかることも多々ありますが、これがうまく軌道に乗れば、タイ、中国に展開できます。

グループ全体の技術向上

親会社のCAM担当者と定期的にテレビ会議でミーティングを行っています。当社スタッフの切削技術のレベルが向上してきたので、親会社と対等にミーティングができるようになってきました。また、当社ではいろいろなテストを実施しており、親会社にとって参考になることもあります。

このミーティングで確立した技術を他のグループに展開して、グループ全体のレベルアップを図る予定です。さらに、グループ内での加工の標準化にも取り組んでいます。今年からグループのテクニカルミーティングを始めています。来週は、タイで行う予定になっており、各拠点から数名参加して加工の標準化を目的としたミーティングを2日間行います。

現在は、加工だけの標準化ですが、近いうちに金型設計の標準化にも取り組んでいきたいと考えています。この金型設計では、親会社に主導してもらうことになりますが、若干やり方が違うところもあります。当社で取り組んでいるSpace-E/Moldを使った金型設計の標準化は、特に海外で必要になってくるため、当社で立ち上げて、これも海外グループに展開していきたいと考えています。

さらに信頼できるブランドイメージに

この10年の間に、日本品質に近い金型が製作できるようになりました。そして、インドネシアのお客様から厚い信頼をいただけるようになったと感じています。今後は、現在の状態に満足することなく、MEIWA MOLD INDONESIAのブランドイメージをさらに向上させて、当社に頼めば間違いないと言っていただけるような会社にならなければいけないと思っています。

そのためには、お客様が困っていることに手が届くサービスを心がけています。そのサービスの一貫として、解析まで行っています。特に新規金型は、解析の依頼がなくても、大きな問題が発生しないように湯流れ解析、温度解析、凝固解析などを行っています。

このように、トラブルになりそうな問題を事前に解決して、できるだけ早期に良品質の製品が成形できるような努力を常に行っています。

NDESへ

当社が必要としているのは、素人でも使いやすいシステムです。オペレーターの技術レベルに差があっても、同じレベルのデータが簡単な操作で作成できるようにしたいのです。特にCAMシステムは、経験の浅いスタッフでも標準の切削方法、条件を入力するだけで経験あるスタッフと同じ加工データが作れるようにしてほしいと思います。

現在、CAM担当者は9名おり、Space-Eが足りない状態ですが、インドネシアでは1ライセンスの年間保守料を負担に感じています。

たとえば、Space-E/CAMをマニアック向けとスタンダード向けに分けてもいいのではないでしょうか。マニアック向けは技術を追求するためのシステム、スタンダード向けは誰もが使えるように機能を限定した安価なシステムです。そうすると、マニアック向けは数台で、スタンダード向けは主力として使うため、数を揃えることができます。

これまで、当社の発展とともにGRADEからSpace-Eへと移行して、NDESに協力してもらってきたと思っています。NDESには、いろいろと厳しいことも言ってきましたが、それは、当社グループにとって大事な基幹システムであるSpace-Eに良くなってほしいという気持ちがあってのことです。

特にSpace-Eは、日本で開発したシステムなので、欧米のシステムに負けないような素晴らしいシステムにしてもらいたいと思っています。ぜひ、他システムに負けないように頑張ってください。

そして、Space-Eを使っていると自慢できるように、さらにMEIWA MOLD INDONESIAが使っているのであれば、うちも使いたいと言っていただけるようなシステムにしてほしいと思っています。

おわりに

取材にご協力いただいたAndri様は、会社設立前に採用され、人材育成のため日本で2年間研修したそうです。研修後にインドネシアに帰ってきたときの成長はすばらしく、現在は工場長として中心的な役割を担われています。

この取材は日本語で行わせていただきました。

大変お忙しいところ、貴重な時間を割いてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

会社プロフィール

第一工場
第一工場
第二工場
第二工場
所在地 West Java, Indonesia ブカシ MM2100工業団地内
創立 2002年5月3日
資本金 USD 3,200,000
従業員 129名+日本人2名
事業内容 ダイカスト金型設計・製作
ラスチック金型設計・製作
型部品製作、型修理
グループ 株式会社 明和製作所
MEIWA MOLD (THAILAND) CO., LTD
明和精密模具(常熟)有限公司
金型の写真

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