~まずは削ることから刷新~
| 営業本部 MSビジネスユニット 営業部 企画課 課長 阿部田 哲史 |
はじめに
日頃は、金型設計/加工支援システム Space-Eをご愛顧くださいまして誠にありがとうございます。本年度は、私たちの主力ソフトウエア群の商品力をさらに強化する方針を打ち立て、お客さまのニーズにマッチした、より一層の商品開発と発行を心掛けますので、どうぞご期待ください。
本号では2015年7月にリリースするSpace-E Version 5.4についてご紹介します。
従来の機能をさらにパワーアップ
工具移動量の削減と工具負荷の軽減
特殊隅取りの加工方向に「混在」を追加しました。混在モードでは、往復加工の経路を作成できるため、加工負荷が小さい材質の場合に加工時間を短縮できます。
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無駄な経路が発生して経路計算に時間がかかっていた回避動作のロジックを見直しました。
これにより、無駄な経路の発生率を大幅に抑止できるため、工具移動量の削減による経路計算の時間短縮および工具負荷の軽減を考慮した経路作成が実現できます。
入力操作の簡便化で操作者の負担軽減
Version 5.3までのCAMの初期値は、実際の加工に必要な数値に適合していなかったので、習熟度の高い技術者でなければ適切な設定が難しい場合がありました。
Version 5.4では、従来の初期値を見直したことで、経験の浅い技術者でもオペレーションの手数やミスを削減でき、熟練者と同等の設定が可能になります。
さらなる高精度加工を実現
経路5軸変換の5軸制御方法に「切削方向に対する傾き(4軸)」を追加しました。1軸を固定することで、回転テーブルの速度がスムーズになり、急な速度変化に伴う仕上がり面の傷を防止できます。
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3.5軸・5軸加工機能のブラッシュアップを図りました。
工具の急激な姿勢変化の際も、回転速度制御を考慮することで、加工品質の向上を実現できます。本機能は、NDESのマニュファクチャリングラボにて、民間金型企業様のご協力のもと、実際の加工機で検証を繰り返しながら開発した成果を反映しています。
メモリーとマルチスレッドの最適化により大規模モデルも快適操作
メモリーとマルチスレッドの処理を最適化しました。
これにより、ファイルオープン時や自動バックアップ時、アイテム選択時の待機時間を削減できるため、大規模モデルでも快適に操作することが可能になります。
またCAMにおいても、特殊隅取りや等高線仕上げなどの13種類の加工機能で回避最適化計算をマルチスレッドに対応したことで、計算時間を削減することが可能になります(表1)。
多言語対応インストールメディア
Version 5.3までは、言語ごとにインストールメディアを分けていたので、海外でご利用いただく場合は、各インストールメディアから環境設定を行う必要がありました。
Version 5.4からは、インストーラを多言語に対応したことで、1枚のメディアでインストールすることが可能になります。
ユニット部品の属性軽量化
Space-E/Moldで作成、配置したユニット部品は、ファイルサイズが大きくなることがオペレーションに不満を感じる要因になっていました。
Version 5.4からは、ファイル保存時にキャッシュデータを削除できるので、ファイルサイズを約30%縮小化することが可能になります。
※ただしファイル再オープン時には、復元処理時間が発生します。
サポート対象OS変更のお知らせ
Version 5.4からサポート対象OSは64bitのみになります。
2014年4月のMicrosoft社によるWindows XPのサポート終了に伴い、Space-EもVersion 5.3をもってWindows XPへのサポート終了のご案内をさせていただきました。
そして、今回のVersion 5.4からは、既にご案内のとおり、32bitOSへのサポートを終了させていただきます。(※Draw・Draw-IGESは除く)
お客さまには、お手数をお掛けすることとなりますが、サポート対象OSへの移行をご検討いただきますようお願いいたします。
64bit OS環境下でSpace-Eをご利用いただくと、大規模・大容量モデルに対して、快適なモデリングやCAM計算が可能になるなど、さまざまなメリットがあります。詳しくは担当営業までお問い合わせください。
※正式なご案内は別途ご送付させていただきます。
次期バージョンに向けて
本号でご紹介したようにVersion 5.4は、CAMの機能強化に主眼をおいたリリースバージョンとなります。
次のVersion 5.5は、CAM機能のさらなる強化とともに、STL機能の強化を図ることを主眼として開発着手しています。Version 5.4で大規模モデルを快適に取り扱えるようにしたことで、Version 5.5では、容量の大きなSTL形式のモデルをさらにハンドリングできるように機能拡張を行う予定です。そして、解析やリバースモデリングと連携して、ものづくりにおけるSpace-Eの適用範囲をなお一層拡大いたします。
またManufacturing-SpaceR版では、クラウドサーバーの演算資源を活用した高速処理を実現します。
Version 5.5は2016年2月頃にリリースの予定です。
おわりに
1998年にPC版ハイブリッドモデラーとして誕生したSpace-Eは、金型設計/加工支援ツールとして、それ以前のGRADE時代からのお客さまも含めて、これまでに多くのお客さまにご活用いただいてきました。
ここに至るまでには、ITインフラのイノベーション、加工技術の進歩、横断的なソリューション連携など、ものづくりに変革をきたしたように、Space-Eも時代のニーズにマッチするために、さまざまな機能を実装しながら発展してきました。
NDESは、お客さまが関わるものづくり業界において、必要とされる機能やパフォーマンスの実現に、これまで以上に留意し取り組んでいきます。
今後とも、皆さまのご用件やご要望を商品開発へ反映するため、ご意見をお聞かせいただくアンケートなどへのご協力をよろしくお願いいたします。
