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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.9 お客様事例

データの電子化について

川鉄マシナリー株式会社様は、機械設備の総合エンジニアリング会社としてクレーンをはじめとする機械・プラント設備の設計・製作、メンテナンス全般を事業展開されている機械設備に関するスペシャリスト集団です。常に高速化、高精度化、省力化、安全性を追求され、設備の維持コストの低減にも取り組まれています。今回は、設備の導入、図面の管理、解析、今後の課題などを中心にお話をお伺いしました。

事業内容について

当社は、機械設備の総合エンジニアリング会社として、産業機械の設計・製作、機械加工、プラント建設、メンテナンス全般を行っています。

(株)川崎電機工作所として昭和12年に誕生し、昭和27年頃からクレーンをメインに作りはじめました。それから昭和57年に川崎製鉄(株)殿のメンテナンス部門、保全部門が合併して、クレーン他の設計・製作からあらゆる機械設備の据え付け工事やメンテナンスまでを一貫して行う会社になり、平成6年に川鉄マシナリー(株)となり現在に至ります。

昭和40~50年代にかけては、製鉄業が非常に伸びていましたので製鉄関係のクレーンが主流であり、その後コンテナクレーンを手がけるようになりました。
当社は、現在までに約3,000台のクレーンを納めている実績があります。

人物写真
経営企画部システム室
室長 塚原 様

いわゆる一般のクレーンの他に、自動倉庫設備、地下式立体駐車場、搬送設備、マリーナ設備、水門、スキーのリフト等、クレーンの要素技術を利用した設備を手がけています。

当所には、プラントの構造物および大型製品の機械加工ができる設備を整えています。この設備は日本でも有数の大きなもので、大径シャフトや大きな構造物の加工ができます。プラント設計部門では、実機の据え付け、製鉄関係の設備の保守なども行っています。

メンテナンス部門に関しては、製鉄業界が全体的に飽和している状態なので、他の業界への外販拡大を目指しています。

AutoCAD、GRADE/ACE-Wの導入

今年の初めに設計者には1人1台のパソコンおよびCADという環境を整えました。導入した理由には、設計者に対してものを考える時間をもっと増やしていき、効率アップを図りたいという意図がありました。

設計者は製図をするわけではないので、構想図を描くために必要な最低限の機能のCADでAutoCAD LT、図面を描く人には製図用CADでGRADE/ACE-Wと分けて環境を整えています。

外注の方は26名ほど常駐して主に図面を描いています。外注の方には、図面を描くことに専念して欲しいということもあり、使いやすいGRADE/ACE-Wを導入しました。

OSがWindows95になり操作性が向上し、アプリケーションも充実して、AutoCAD LTであれば価格も安く、数を揃えられるということが導入の始まりです。

またExcelなどのアプリケーションや解析ソフトのNASTRANとの連携を考えるとAutoCADが適していました。

HZSさんからAutoCADを購入したのは、サポート面が充実しているということ、NASTRANや他のソフトとの連携を考えた適切な提案をしてくれるだろうという期待があったからです。

現在、設計・技術本部の水島では設計用マシンが80台、技術計算専用のマシンが2台、製図用CAD専用マシンが30台、事務職も含めて全員にWindows95対応のマシンが行き渡っている状態です。

GRADE/ACE-W 5セット
AutoCAD R13J 5セット
AutoCAD LT 38セット
AutoCAD R14 1セット
Mechanical Desktop 2セット
MSC/NASTRAN for Windows 1セット
他社CAD 25セット

Mechanical Desktopでの3次元設計

Mechanical Desktopは、計画的に進めている製鉄装置・設備の改造関係の仕事の流れの中で、少しでも早く干渉具合を確認できるのではないかということで導入することにしました。

今、川崎製鉄(株)殿より各種の製鉄設備を設計・製作するということで依頼を受けています。この設計をMechanical Desktopで行えば干渉具合も確認でき、間違いなく仕上げていけるのではないかということで、取り組んでいます。

これから3次元での設計を進めていく予定ですが、全員が3次元を使う必要はないと考えています。いろいろ構想を練るときには3次元で、実際の設計は2次元でと使い分けをしていきます。

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プラント機械設計部
掛長 川路 様

設計の担当者は、3次元モデルを頭で描いて2次元の図面に表現しているので、3次元ソフトでの設計にスムーズに取り組めるのではと思いましたが、なかなか難しいようです。逆に何にも知らない人のほうが3次元に向いているようですので、これからの新入社員の教育は、3次元から始めようかとも考えています。

上層部へのプレゼンテーションは、2次元の図面を見ながら3次元のイメージで説明していますので、理解していただくのに非常に苦労しています。今後3次元で説明できれば、プレゼンテーションも容易になると思います。

1つのコンテナクレーンは、総重量が700~900tぐらいで強度、応力計算を頻繁に行うので、設計者が3~5人、実際に図面を描いている人が3~4人ぐらいで、期間は8ヶ月程かかり、図面の数は700~800枚にもなります。

CADの図面データの管理について

既存の図面データを流用するような場合は、誰でも使えるように、図面に番号を取っています。新規の図面を作る場合、流用できる図面があれば、その図番を探して修正部分を紙に記入し、図面を作成する製図者に渡して描いてもらっていましたが、CADであれば図番が分かればすぐに呼び出せますから、CADを導入して非常に効率が良くなっています。

CADデータが正規の図面になればいいのですが、まだ紙の図面が正です。CADの図面データはあくまでも参考にしているだけで、CADの図面データを出力して手書きで修正を行っています。

ほとんどの会社が紙の図面を原図にしていますから、CADの電子データが原図となるには、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。

古い図面データに関しては、テープなどに保存して、必要な場合は読み出して使うという形式をとってます。そのためにディスク上に空きを作っていますが、古い図面は使う頻度は少ないです。常に新しい設計をしていますので、流用する図面も新しいものが多くなります。古いデータを保存してどれだけの効果があるかはわかりません。

一旦出した図面を修正する場合、CADの図面は少し手間がかかります。紙の図面であれば紙だけを修正するのに対して、今は図面とCADの図面データを同時に修正しないといけません。そういう場合に、図面と図面に属性をつけて、他の図面との関連付けをしていく必要があります。ひとつの箇所を修正すれば、関連のある図面は自動で全部修正できればいいのですが、いまはそれを人が行っています。そういうところを改善していきたいと考えています。

CADデータに関しては、常に自動でバックアップを取るようにしています。ディスクが壊れても次のディスクで補い、それも壊れたら、また別のディスクで補えるようにしてます。またそのサーバが壊れても、予備のサーバで対処できるような万全の体制です。Wサーバで、なおかつディスクアレイという組み合わせのバックアップ体制で管理しています。

解析ソフトMSC/NASTRAN

現在、熱解析などはランクが高い解析ソフトで行っていますが、あまり時間をかけられない場合に備えて、身近で使えるWindows版の構造解析ソフトを探していました。以前に解析ソフトを検討したとき、MSC/NASTRANも候補にあがったのですが、そのときはEWS版で価格も高く、導入は見合わせました。

今はNASTRANもPC版になり、機能もEWSと比較するとコンパクトで価格も手頃になっています。簡単な構造の製品でも強度解析が必要なため、できるだけ早く計算できるソフトを導入して、解析のエンジニアリングを強化したいという当社の要望に合っているのではないか、ということでNASTRANを導入することにしました。

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運搬機械設計部
副部長 森山 様

当社は、これまで使っていた解析ソフトに自社専用の後処理ソフトを開発して使っていましたが、バージョンアップすることで使えなくなりました。

3年前に購入した解析ソフトでしたが、アウトプットに変更が加わったバージョンアップでしたので、サポートはしてもらえず、新しいバージョンを購入するしかありませんでした。市販のソフトは常にバージョンアップされていきます。それは仕方ないことですが、カスタマイズしていると対応に困ります。

HZSさんにはNASTRANが同じような運命にならないようなサポートを期待します。

PDM導入計画

データを電子化して、それをいかに共有化して使いこなすかなど、設計に関してはPDMにも取り組んでいきたいと考えています。

現在は、CADデータと図面とを別々に保存していますが、PDMを考えるとそれをいかにつないでいくかが問題です。また、逆に保存しているデータをどこまで使うのかという問題もあり、ファイリングに対する意識が変わってくるのではないかと思います。急速に電子化が進んでいますので、その中で図面とCADデータを対応させ、もっと簡単に検索できるようにしたいと考えています。

また社内全体を、営業から設計、製造までつないで、図面、CADデータ、CAEデータ、設計資料、購買データ、積算データなどをデータベースにして、製品に関するライフサイクル、構造、部品、プロジェクトなどの管理を行うPDMの環境を3ヶ年計画で構築していこうとしています。

導入に向けての意識は高まっていますが、実際の導入までにはまだ時間がかかりそうです。

今後の課題について

今後の課題は、設計生産性を上げて、エンジニアリングの時間を多くすることで、引合から受注までのスピードアップおよび受注後のコストダウンをすることが最優先です。そのためのにパソコン、CADなどの設備を揃えました。

30t以下の軽量クレーンに関しては、営業マンがお客様のところにパソコンを持ち込み、定格荷重やスパンなどをインプットして、その場で計算し、いろいろな提案ができる営業をしていきたいのです。現状では実現できる環境にあるので、営業マンがそれを使いこなせるように準備中です。客先で打ち合わせをしながら、ある程度の仕様を固めてしまいたいというのが理想です。

クレーンの特殊仕様は、オプションを設けて、その中から選択できるようにすれば、コストダウンにもつながり交渉もしやすくなります。また、オプションもできるだけ増やして、組み合わせるだけで完成することができれば、設計のスピードアップにもつながります。

これからパソコンを1人1台として整備したことによる効果をいろいろな面で出していこうとしています。各自が資料を作れる環境にありますから、Word、Excel、PowerPointなどを使った資料作りの面でもスピードアップが図れると考えています。

パソコンやCADを有効に活用すれば、それだけスピードが上がり生産性も上がるわけですから、商売のチャンスも広がります。

他の企業の中には、外国での商談もパソコンを持ち込んで行っているそうですから、我々もそうなっていくべきで、そうしないと勝ち残っていけないと思います。

HZSに期待すること

コンピュータの移り変わりには、めまぐるしいものがあり、ついていくのに大変です。日々、CPU、OS、ソフト、その他のものがバージョンアップしている中で、マシン、ソフトの購入などに関しては、仕様に合ったものを見極めたいので、その辺りの情報をHZSさんには教えていただきたいと思います。

それから、新しいものばかりではなく、いかにして古いものを有効に利用するかについても教えていただきたいものです。

最近の雑誌を見ていると、何でもできるような機能の説明やこのソフトを導入しないと遅れを取るなどという内容が多いようですが、実際、導入しても雑誌に載っているようには使いこなせていません。失敗事例もあるはずですから、難しい点や気をつける点などを教えていただきたいものです。過剰宣伝しているせいか、そのことが見えにくくなっています。

PDMに関しては特にそうです。まだ途中の段階で実際の成果を出しているところは少ないようですので、PDMに関する構築過程のノウハウなど是非とも教わりたいところです。

やはりHZSさんには、実際にモノを作っている会社は他とは違うだろうという期待があります。当社のような重工業的な考えやモノを作るノウハウを基礎に持って、システムに携わっていることがHZSさんの強みだと思います。

おわりに

川鉄マシナリー(株)様はISO9001を認証取得され、現在、CADを導入し急速に図面などのデータ化を図られていますので、将来は電子化した状態でISO9001の認証を更新されるそうです。また、社内的にもいち早く電子メールの環境を整えられ、水島事業所と本社、各事業所、営業所間の情報交換は電子メールが主流となっています。

たいへんお忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

会社プロフィール

本社東京都台東区蔵前2丁目17番4号
創業昭和12年
資本金11億円
従業員1,897名(1998年1月)
売上げ高411億円(1997年3月期)
事業内容産業機械の設計・製作(クレーン/運搬設備/ライン設備/環境設備/土木用設備/水門/レジャー設備)、プラント建設(大型設備の据付/改造/塗装/焼鈍)、メンテナンス全般(点検/診断/修理/改善/現地機械加工)
水島事業所岡山県倉敷市水島川鉄通1
事業所外観
水島事業所
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コンテナクレーン
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発電タービンのオーバーホール
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ごみ自動クレーン
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スキーリフト
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自送式作業台車