| 株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ クラウドサービス事業部 第一営業部 部長 小野村 豊 |
はじめに
Manufacturing-Space Version 4.3(以下、Ver.4.3)では、これまでの機能に加え、お客さまのデータ利用のシーンに合わせた業務の効率化を追求しました。Ver.4.3では、新サービスとして3D類似形状検索をサービスインします。また、従来のデータコンシェルジュサービスの図面検索、権限設定を強化したほか、CADデータチェッカーサービスの出力ファイルに新たにSTEPを取り入れました。それでは、Ver.4.3の概要についてご紹介します。
3D類似形状検索サービス(仮称)
3D類似形状検索とは、データコンシェルジュへ登録されたCADデータから類似形状をモデルの特徴点で検索できるサービスです。モデルの特徴点は、CADデータをデータコンシェルジュに保存する際、CADデータが画像化され特徴点を数値化しデータベースに登録されます。データベースへ登録されたモデルの特徴点は、AIによる機械学習でより正確な形状が検索できるようになります。
次のような場合に、3D類似形状検索は有効活用できます。
- お取引先から見積もり依頼が届き、過去に同じような仕事をしたので参考にしたい。でも、3Dデータの保管場所が分からず探すのに苦労した。
- リピート金型の注文がありデータの保管場所が分からない。データの場所が分かれば、同じフォルダ内に見積もりやNCデータがあるはずなのに見つからない。
このような場合、3D類似形状検索サービスを利用すると、お探しの3Dデータに類似した形状の類似率を基に候補を表示し保管場所の特定ができます。これにより、時間を要していた業務が短時間で可能となります。
また、外出先からでもデータコンシェルジュを利用することで3D類似形状検索が可能です(図1)。
図面データ検索機能
データコンシェルジュに登録されたMDファイル(Space-E/Draw:弊社CAD)および、DXFファイル(中間ファイル)を対象に図面内に書かれている文字を検索し、図面を特定することが可能となりました。これにより、図番などを基に図面ファイルを容易に検索できます(図2)。
フォルダ権限設定の強化
Ver.4.3のフォルダ権限では、下位のフォルダを対象にした設定が可能となりました。従来の権限設定では、複数部署でデータコンシェルジュを利用する場合、あらかじめ部署ごとのフォルダ構成を検討しアクセス制限を付加する必要がありました。
Ver.4.3より、下位のフォルダに対し権限設定を行うことで、幅広いアクセス制限を設けることが可能になりました。例として会社組織に適応した場合をご紹介します(図3)。
CADデータチェッカー機能強化
従来のCADデータチェッカーでは、CADデータの入出力は同一ファイルのみの対応でした。Ver.4.3では、出力の際にmdpからSTEP、STEPからmdpというファイル変換が可能となりました。
STEPダイレクトトランスレータとデータ修復が融合された内容となります。他社へデータを送る場合や、自社内のCAM担当、CAE担当へデータを送る場合など、修復後の高品質データが利用できます(図4)。
おわりに
Ver.4.3は、Manufacturing-Space をご利用いただているお客さまには利便性の向上、導入をご検討されているお客さまにはデータ利用による業務の効率化をご提案できる内容となっています。
今後も新サービスおよび既存サービスの強化を行いお客さまに満足いただけるサービスを展開していく予定です。
ぜひとも、これからのManufacturing-Spaceにご期待ください。




