人とシステム

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No.46 | お客様事例
金型生産管理システム「Dr.工程」シリーズ導入事例(Vol. 7)
システムソリューション統括部
ソリューションサポートグループ 安武 伸也

今回は「Dr. 工程lite」のお客様に、導入の経緯や目的とシステム選定の決め手、今後どのように活用していきたいか、などを中心にお聞きしました。

また「Dr. 工程lite」のオプションであるインターフェースプログラムについてご紹介します。

「Dr.工程lite」株式会社GMJ様<旧社名 株式会社 合田鉄工所>

■製造部について概要や役割を教えてください。

製造部機械Gr リーダー 山内 弘様
製造部機械Gr
リーダー 山内 弘様

製造部では、自動車用タイヤの金型製造を受注した場合、メーカからCADデータをご提供いただき、CAMデータの作成から始まり、金型部品作成、組立、検査までを行っています。数は少ないですが、金型の設計から行う場合もあります。また、受注した金型製作が社内で賄いきれないときは、外注先への発注処理も行います。その他には、金型作成に必要な材料の発注処理も行っています。

■「Dr. 工程lite」を導入する前の管理状況と問題点をお聞かせください。

導入前は工程の担当者が、部品ごとに加工スケジュールをEXCELで作成していました。納期としては、1つの金型で約2ヶ月のスパンがほとんどで、この加工スケジュールは、部品ごとに算出した実績工数を元にしていました。また、機械加工部門と仕上組立部門には、それぞれにスケジュール管理者が専任しており、別々にスケジュール管理していたので、進捗状況の把握も容易ではありませんでした。例えば、特急品が割り込んだ場合、納期にどれだけの影響が出るのかすぐに分からない状態です。これを改善するには、工場全体の進捗状況や負荷などが簡単に把握でき、営業的にもメリットを出せる全社的なシステムが必要でした。

■「Dr.工程lite」の導入の決め手は何でしたか?

以前から生産管理システムを検討していたので、デモを見るだけではなく、数社のメーカから評価版ソフトを借りて、短期間ですが実際に使っていました。その中で、「Dr. 工程lite」が当社の現状にマッチしており、一番使い易いと感じました。また、工程管理表が見やすかったことも決め手のひとつです。

■「Dr.工程lite」に期待することは何ですか?

製造部機械Gr 工程管理システム担当 江上 伸一 様
製造部機械Gr
工程管理システム担当
江上 伸一 様

やはり「見える化」の実現が一番です。前に述べましたが、特急品が入った場合、納期シミュレーションすることで状況確認が正確に早くできるようになります。今後はできるだけ早く、進捗管理の情報を関係者全員が共有できる仕組みを作りたいと思っています。

■「Dr.工程lite」の導入の決め手は何でしたか?

機械別については、EXCELで作成したスケジュール表を使用していますが、近々、Dr.工程liteで作成した工程をもとに山崩し(自動スケジュール)したスケジュール表へ移行していく予定です。(当取材は、2007年5月初旬に実施)

実績入力については、パソコン操作に不慣れな作業者がいることもあり、まずは手書きで日報へ記入してもらい、担当者がまとめて入力しています。

実績集計では、工番(製造NO)ごとにかかった工数をパソコン上で確認しています。集計作業そのものは簡単になりました。今は、その実績をアウトプットする形式について社内で検討中です。

■今後の展望と「Dr.工程lite」へのご要望をお聞かせください。

実績情報の「見える化」が実現できるようになったので、この情報をもとに工程ごとの負荷を分析し、工程時間の効率アップを図りたいと考えています。これは、今後の人員配置や設備投資を検討する際の重要なデータになると思います。

要望としては、操作面で、「ガントチャート」で割付固定(機械とスケジュールの固定)を多用しているのですが、これを一括して解除したい場合があります。現状は1工程単位のみの割付解除になっています。

NDES→要望項目として、開発元へ伝えます。

ありがとうございました。

会社プロフィール

本社外観
本社外観

株式会社GMJ

代表取締役合田 新一郎
本社〒675-1112 兵庫県加古郡稲美町六分一1295-7
創業1953年5月
資本金1,000万円
売上高64,100万円(2006年度)
従業員40名
主な業務内容自動車用タイヤ金型設計製造
工業用ゴム製品金型設計製造
その他各種金型設計製造
大型機械部品加工及び組立
5軸同時制御機械加工

「Dr.工程lite」インターフェースプログラムのご紹介(オプション)

インターフェースプログラムには、情報取込と出力の2種類があります。これは、「Dr.工程lite」のデータベースとその他のシステムとの間で情報をやりとりするものです。また、インターフェースプログラムの実行は、時間を設定することで定期的に自動で行えます。

■取込オプション

設計情報などを活用する場合に、工程入力情報をCSV(カンマ区切りのテキスト)ファイルで取込むことができます。この工程入力情報には、次の3種類があります。

  • 1.受注情報
  • 2.部品情報
  • 3.工程情報

■受注情報

項目名
 製造NO
 品名1
 品名2
 得意先
 担当者名
 受注日
 出図日
 着手日
 加工納期
 営業納期
 数量
 見積工数
 見積金額
 受注金額
 納入金額
 受注NO
 得意先品番
 図面番号

■部品情報

項目名
 部品名
 部品番号
 部品名
 図面番号1
 材質
 数量
 部品着手日
 部品納期
 部品備考1
 部品備考2
 
必須項目

■工程情報

項目名
 計画工程
 不良理由
 前段取工数
 有人工数
 無人工数
 日数
 機械名
 仕入先
 工程備考
 加工内容

例えば、設計時にCAD図面の表題欄や部品表に入力された情報をテキストファイルへ出力し、「1.受注情報」と「2.部品情報」用にCSVファイルとして保存した後、インターフェースプログラムで取込みます。

「3.工程情報」は、金型部品毎の加工工程順を指定します。ここでは、部品毎にパターン化された加工工程順があれば、繰り返し利用することも可能です。

また、インターフェースプログラムで取込んだ情報は、「Dr.工程lite」の中で追加/修正ができます。

■出力オプション

「Dr.工程lite」の[ 実績入力]により、入力した実績情報をCSVファイルへ出力できます。このCSVファイルを利用して、「Dr.工程lite」以外のシステムへ実績情報の受渡しができるようになります。右記が実績情報の出力例です。

■実績情報

項目名
 製造NO
 品名
 部品番号
 部品名
 実績工程
 実績機械名
 実績担当者名
 実績着手日付
 実績完了日付
 前段取工数
 有人工数
 無人工数
 ・・・

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