人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.111 | トピックス
新年のごあいさつ

明けましておめでとうございます

旧年中は皆さまの並々ならぬご厚情を賜り心よりお礼申し上げます。
2025年の年始にあたりごあいさつ申し上げます。

株式会社NTTデータ エンジニアリングシステムズ 代表取締役社長 東 和久
株式会社NTTデータ
エンジニアリングシステムズ
代表取締役社長 東 和久

2025年は、世界全体が保護主義的な傾向に進むと見られており、そうすると貿易が圧迫され、EUや中国の経済に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、世界全体の経済成長率が大きく下振れする懸念があり、経済の見通しは依然として不確実性が高い状況が続くと予想されます。特にEUでは、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化に伴う地政学リスクの高まり、さらにエネルギー安全保障の脆弱性といった要因から、厳しい状況に直面しています。

日本では、2024年の実質成長率が0.4%と前年から後退しますが、同年の税収は73兆円に達し、過去最高を記録する見込みです。また、物価上昇率は2.6%となり、前年と比較して減速するとの予想です。さらに、2025年の賃上げ率は2年連続で5%台になる見込みから、個人消費は底堅く推移すると考えられ、2025年の実質成長率の予測は1.1%とされています。ただし、米国をはじめとする保護主義的な措置が強化された場合、経済の不確実性が高まることから、企業は生産性向上に向けてデジタル戦略が不可欠になります。

2025年に注目されるテクノロジーとして、AIエージェントや空間コンピューティングがあります。AIエージェントは、仮想労働力として業務支援へ活用することで、人間の負担を軽減し、大幅な生産性向上が期待できます。従来のAIアシスタントは、チャットボットのように単一のタスクをこなすだけでしたが、AIエージェントは複数のAIモデルやデバイスの組み合わせで、高度で複雑なタスクを自律的に実行できるようになります。しかし、AIエージェントには結果の検証が難しいという課題があります。そのため、企業成長に必要な技術でありながら慎重な導入が求められます。ただし、今後、AIエージェントを活用する企業とそうでない企業とでは大きな差が生まれると考えられるため、導入に向けた活動は計画していかなければなりません。

空間コンピューティングは、物理的な世界とデジタルの世界を融合させる革新的な技術です。従来の画面ベースの表示を超え、現実空間とデジタルコンテンツを統合的に扱うことにより、全く新しいユーザー体験を実現します。この技術により製造業やロジスティクスにおける意思決定の改善、リアルタイムでの情報提供、効果的なコラボレーションの実現などが期待されています。

さて、2025年は私たちの中期経営計画の最終年となります。本計画の基本方針は「NDESは、お客様のビジネスを成功に導く新たな価値を創出・向上させ、持続可能なモノづくり社会の実現に貢献する、必要不可欠な存在になる!」であり、そのスローガンは“Be essential, be professional.”です。

「Be essential」では、お客さまのパートナーとして必要不可欠な存在であるために、最新技術ソリューションの提案、構築、導入を円滑に進めており、FY2025の中期経営計画の目標達成に向けて順調に推移しています。また、「be professional」では、品質強化のための取り組みを進めています。親会社のNTTデータの知識と経験を最大限に活用し、品質ガイドラインの適用を開始しました。これにより、プロジェクトの品質向上と共に成功へ導くことで、お客さまの満足と信頼を得られるよう努めます。

さらに、新しい人事制度の本格導入を進め、NDES-CDP(キャリアデベロップメントプログラム)と共に人財育成と社員満足度の向上を引き続き目指していきます。

そして、私たちは2025年も企業理念である「時代の変化に対応したグローバルなシステム関連事業を通じてお客様の信頼を得、社会に貢献する企業となる」を基本的指針として事業を行います。今後とも倍旧のお引き立てを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

最後になりましたが、皆さまにとって本年が明るく良い年であることを祈念して、年始のごあいさつといたします。

2025年 元旦