人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.113 | トピックス
Space-E 5軸CAM
ユーザー交流会のご報告

はじめに

2025年7月にSpace-E 5軸CAMユーザー交流会を開催しました。本会では、近年の金型業界の動向や、Space-E/5Axisの活用事例の紹介、お客さまからはSpace-E/5Axisの導入時の課題やその解決策についてお話いただき、最後には登壇者によるパネルディスカッションを行いました。また、交流会後の親睦会にも多くの方に参加いただき、5軸加工の情報交換の場となりました。

ここでは、本会で発表された内容の一部をご報告します。

金型業界の動向とAIの活用

近年、日本の金型業界は生産高や就業者数をみると下降のゾーンにあります。原因として若い人材の育成機会が減っていることや、高コストな新技術への投資ができないことなどが挙げられ、これからの日本の業界のありようを考える必要があります。その一つとして5軸加工を活用して技術者を育てることや、新しい価値提供のために別分野との連携を図ることが紹介されました。

また、2022年ごろからエージェント型AIが普及し始め、ものづくりや金型業界のソフトウエアでもAIの活用が求められています。5軸CAMの高度な開発と運用の中で人間自身が新しい技術を学び、知識と経験を得ていくことで、AIの正確な活用につながっていきます。

5軸加工の活用

5軸加工の基本的な考え方は「3軸加工では届かない場所を削る」ではなく、「剛性の高い工具を使うために5軸を使う」ことです。剛性の高い工具を使うことでビビりを減らし、質の高い加工を行うことができます。

Space-Eの機能としては、負荷制御、自動割り出し、コンタクトポイント/異形工具の先端を使った隅取り、自動5軸仕上げなどを開発してきました。

出展ブース
Space-E 5軸CAMユーザー交流会の様子

今回は上記の機能を使った実際の5軸加工事例として、加工時間を約31%削減した事例の紹介がありました。荒取りでは、負荷制御により、切りくず排出量を最大限上げることで加工時間を短縮できます。中取りでは、自動割り出しにより、加工時間自体は若干長くなってしまったが、CAMの作業時間は大幅に短縮できています。仕上げでは異形工具の活用により、加工時間を短縮しています。

5軸加工に異形工具を活用することには圧倒的な効果があります。現状の課題を解決し、よりよい5軸加工の実現に向けて取り組んでいきます。

5軸加工導入の事例

実際に5軸加工を活用されているお客さまからは、導入の背景や課題についてご紹介いただきました。

5軸加工を導入した理由としては、複合加工による段取り時間の低減や工法立案の幅を広げることができること、マシニングオペレーターの加工作業者から加工技術者へのステップアップが挙げられます。

スタートアップ時には経験者不足や教育体制の確立が課題とされていましたが、NTTデータエンジニアリングシステムズの手厚いサポートによりスムーズな運用開始につながりました。また、実際に設計者へ5軸加工を見てもらうことで、新しい提案を歓迎する雰囲気づくりを推進していました。

おわりに

本会では、現場のリアルな声のご共有やSpace-E/5Axisで最適な5軸加工を実現するための意見交換もあり、非常に有意義な会となりました。今後も、このような会を企画すると共に、Space-E/5Axisの機能向上を図り、5軸加工の普及に尽力してまいります。