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No.40 | システム紹介
Space-E CAA V5 Based R16 新機能のご紹介
システムソリューション統括部 システム開発部
金型製造グループ グループマネージャ 小日向 章
金型設計グループ チームリーダー 田丸 昭洋

はじめに

Space-E CAA V5 Based(以下Space-E V5)の新バージョンであるR16のモールド設計機能、コア&キャビティ設計機能、3次元CAM機能の各商品の新機能および改善された機能についてご紹介します。

Space-E V5 Mold Design R16

Mold Design R16では、お客様のご要望を検討し、設計工数の削減を目指して、モールド設計支援として以下に示す機能を追加及び改善しました。

【リターンピン配置機能強化】

説明図
図1 リターンピンの配置
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

R15までのリターンピン配置機能では、カタログから選択した部品を配置するだけでした。Space-E V5のMold部品配置コマンドには、配置状況(位置、プレート)に応じて、部品の長さを自動的に選択したり、部品穴の寸法をお客様が変更できる機能があります。そこで、Space-E V5のMold部品配置コマンドと同等の機能にするため、R16では、リターンピンの長さの自動選択機能、およびリターンピンの穴の寸法の変更機能を追加しました。

リターンピンの長さの自動選択機能では、リターンピンの配置位置から終点プレート(通常はコアプレート)までの距離を計算します。そして、システムが自動的にリターンピンのとり得る長さ(リターンピンの仕様)と比較し、仕様表から計算された距離以上で最も近い値を選択します。

リターンピンの穴の寸法の変更機能では、リターンピン配置のメインダイアログに、穴の寸法を設定するタブ(「スマート設定」)を追加しました。タブ内の各項目は以下の通りです。

■スマート設定を使用

新規機能をリターンピンに適用するかどうかを選択します。オフにすると、従来通りカタログから選択された部品が、そのまま配置されます。

■ザグリ穴クリアランス

エジェクタプレートにあけるザグリ穴とリターンピンのツバとのクリアランスを指定します。

■キリ穴クリアランス

キリ穴とリターンピンの軸とのクリアランスを指定します。

■リーマ穴

先端のリーマ穴の長さを指定します。「実寸」を選択した場合、「長さ」にリーマ穴の長さを数値入力します。「倍率指定」を選択した場合「倍率」は、リーマ穴の長さの径に対する倍率を指定します。この場合、リーマ穴の長さは"径×倍率"になります。

■イメージを表示

説明図
図2 スマート設定タブ及び各部寸法
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

「イメージを表示」ボタンをクリックすると、スマート設定内の各項目を説明する図が表示されます。

【登録モールドベースの追加】

モールドベースカタログに、図3、図4、図5のモールドベースを新たに追加しました。いずれも標準部品は配置済みです。

画面例
図3
Futaba DAシリーズ(3プレート)
画面例
図4
Futaba DBシリーズ(3プレート)
画面例
図5
Futaba SCシリーズ(2プレート)

Space-E V5 Core & Cavity Design R16

Core&Cavity Design R16では、新たに次の機能を追加しました。

【電極設計機能】

説明図
図6 電極設計
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

通常の切削加工のみでは、加工が非常に難しい形状が含まれる場合、放電加工が併用され、電極設計が必要になります。これまで、Space-E V5になかった電極設計機能を、R16で新たに追加しました。

説明図
図7 電極設計コマンドの設定(電極台定義)
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

加工面の選択、電極材料などの設計情報の設定、電極台の形状の選択、寸法設定を行うことにより、放電加工用電極を作成することができます。(図7)

なお、設計した電極からSpace-E V5 CAMで設計情報を取り出し、放電加工機の制御情報を作成できます。

Space-E V5 CAM R16

CAM R16では、Space-E/CAMでご利用いただいている経路作成機能や、フィレット作成機能などをSpace-E V5に追加しています。既存機能と同様の機能もありますが、それぞれ得意とする処理があるため、場合に応じた使い分けができます。また、放電加工用EPXファイル出力機能を標準搭載しました。EPXファイルとは、日本金型工業会東部支部主催のWG*1にて策定された放電加工情報の標準フォーマットです。

*1 ワーキンググループ名は、「3D-CADデータと放電加工の連携について研究・開発WG」です。

【走査線仕上げ加工機能】

ひとつの経路作成コマンドで、走査線加工で未仕上がりとなる急傾斜部分の経路を、同時に作成できる走査線仕上げ機能です。重なり部分を削除することもできます。

説明図
図8 走査線仕上げ加工の設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
画面例
図9 未仕上がり部加工付き経路
画面例
図10 未仕上がり部加工付き経路
(重なり除去)

【等高線仕上げ加工機能】

ひとつの経路作成コマンドで、等高線加工で未仕上がりとなる平坦部分の経路を、同時に作成できる等高線仕上げ機能です。等高線部分と平坦部の経路の順序を交互に設定することもできます。

説明図
図11 等高線仕上げ加工の設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
画面例
図12 経路イメージ

【面沿い加工機能】

曲面が持つパラメータ曲線に加工方向を合わせた面沿い加工機能です。曲面のトリム状態に依存しない経路を作成できます。

画面例
図13 アイソパラメトリック加工の場合
画面例
図14 面沿い加工の場合

【経路確認・加工シミュレーション機能】

Space-E/CAMで使用している経路確認・加工シミュレーションをSpace-E V5 CAM工程から起動できます。3軸加工用工程に特化することで、高速な加工シミュレーションを実現しています。

説明図
図15 Space-E V5工程例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
説明図
図16 起動画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
画面例
図17 シミュレーション例

【フィレット作成機能】

加工負荷が高くなる箇所を避けた加工経路を作成するため、モデルに対してフィレットを一括して作成する機能です。モデルにフィレットを付加するので、経路種を問わず、高負荷部を避けた加工経路が作成できます。

説明図
図18 フィレット作成機能の設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
画面例
図19 フィレットの有無による経路の差

【放電加工機制御機能(EPXファイル出力機能)】

Space-E V5 Core&Cavity Design R16の電極設計機能(R16新機能)で設計した電極情報から、放電加工用のEPXファイルを作成する機能を追加しました。電極設計機能で設定された加工位置や減寸量、投影面積などの情報を参照することができます。これにより、従来図面から手作業で入力していた座標値や加工情報を、直接NCコントローラに渡すことが可能になるので、作業効率の向上が期待できます。

説明図
図20 EPXファイル出力機能の設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

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