人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.45 | システム紹介
図面・文書管理のフレームワーク
「SPACE-Doc」のご紹介
EIT 統括部 営業部 東田 友吾

はじめに

近年、製造業におけるIT化が急速に進み、日々の開発・設計・製造業務において膨大な電子データが生み出されています。このような背景のなかで、新規データの登録、旧データの検索・流用、複合ドキュメントの体系的な管理に加え、各製造工程間での情報共有化を迫られています。

SPACE-Docは、このような膨大な図面・文章・画像など、あらゆるWindowsファイルの管理に加え、複数部門間でのデータの流用促進と複合ドキュメントを管理するシステムのフレームワークです。

充実したベース機能に、お客様独自のカスタマイズ機能をアドオンし、低コスト・短期間でユーザーニーズに合ったデータ管理システムをご提供します。

機能紹介

SPACE-Docには、以下に示す数々の機能があります。

■エクスプローラライクな画面レイアウト

エクスプローラライクで使いやすい操作性と分かりやすい画面レイアウトを実現しています。Windowsユーザなら違和感なくすぐに使い始められ、キャビネット/フォルダーといった階層構造により、プロジェクト体系をそのままデータの管理体系として流用できます。(図1)

クライアントサーバ版詳細表示モード画面イメージ
図1 クライアントサーバ版詳細表示モード画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

動作環境

<サーバ>

・OS: Windows Server2000/2003
・RAM: 2GB以上推奨
・RDMS: Microsoft SQL Server2000/2005
・その他: .NET Framework 1.1

<クライアント>

クライアントサーバ版

・OS: Windows2000/XP
・RAM: 1GB以上推奨
・その他: .NET Framework 1.1

WEB 版

・ブラウザ:Internet Exproler 6.*
・RAM: 1GB以上推奨

■複数部門間でのドキュメント共有とセキュリティー確保

データの流用促進と情報漏洩防止の観点から、ファイルに付ける属性は、いくつかのグループに分けることができ、属性グループごとにユーザグループのアクセス権限を設定します。つまり、同じファイルを共有しながら各グループの目的に応じた運用ができ、他グループへの情報公開も安心して行えます。

例えば図面の場合、複数の部門に利用されます。

  • 営業が客先承認をするため
  • 製造部がCAMデータを作成するため
  • 資材部が外注依頼をするため
  • 品質保証部が検査成績書を作成するため
  • 設計が過去の図面を流用するため
  • 生産技術部が製造指示書を作成するため

これらの参照・流用要求を迅速かつ安全に行えます。また、1つのドキュメントに対して、各グループで必要な属性をタブ属性として付けることができます。属性は、グループごとに自由なレイアウト設定ができます。

■図面の部品表、子図面情報の取り込み管理

部品欄情報の自動登録画面イメージ
図2 部品欄情報の自動登録
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

CAD図面上の表題欄・部品欄から情報を自動的に抽出し、SPACE-Docのドキュメント属性として登録することができます。(図2)

■同一DB、同様なインターフェースのWEB版

Web版サムネイル表示モード画面イメージ
図3 Web版サムネイル表示モード画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

エクストラネット環境においても、ユーザ認証を経て図面や関連技術資料の保管・閲覧が行えます。また、クライアントサーバ版と共通のデータベースを使用しており、Web版とクライアントサーバ版を併用することにより効果的な運用ができます。(図3)

■バージョン管理

バージョン情報画面イメージ
図4 バージョン情報
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

改訂履歴の管理により、ドキュメント改訂時には自動的にバージョン情報が付加されます。また、バージョンアップ情報を指示すると、過去のドキュメントの確認や、バージョンアップ時の経緯情報が参照できます。(図4)

■詳細画面情報のエクスポート

属性値のエクスポート画面イメージ
図5 属性値のエクスポート
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

SPACE-Docで管理するドキュメントの属性値を、製造指示書・部品表にエクスポートできます。また、図面・製造指示書などのドキュメント印刷時に、属性値をバーコードとして同時印刷を行うことで、生産管理・原価管理システムなどへ情報を流用できます。

近年、納入先の品質に対するチェックが厳しくなる中、品質の安心とイメージアップのために、製品に製造履歴として製造番号・シリアル番号などをマーキングされることが増えており、このような情報としても利用できます。(図5)

■その他の機能

その他にも、簡単に操作できる機能があります。

  • 電子承認及び電子押印機能
  • ドキュメント一括登録機能
  • ドキュメント一括印刷機能
  • ダイナミックフォルダー機能

おわりに

今回ご紹介したSPACE-Docは、PDM(Product Data Management)に代表される設計・開発のエンジニアリング情報を、成果物管理するだけではなく、ものづくり工程全体に効率的なデータ活用を実現するシステム構築のためのフレームワークとしてご利用できます。そして、内部統制上の重要な要件である、業務の可視化・ドキュメントのセキュリティー確保をIT の側面からしっかりとサポートします。

NDESでは、自社開発の強みと豊富な業務経験を活かし、日本の製造現場で確実に役立つデータ管理・運用のためのシステムのご提案・開発を目指しています。

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