-CAXA(カーサー)のご紹介-
【雷 毅 様 略歴】

1989年 | 北京航空航天大学 卒業 工学博士 |
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1991年 | 北京航空航天大学 助教授 |
1993年 | 北京航空航天大学 教授 |
1998年 | 北京航空航天大学機械自動化学院 院長 |
2003年 | CAXA創立 総裁兼CEO(社長) 現在に至る |

竹内 敬二
竹内 CAXAは、中国における最大手のCAD/CAM/PLMソリューションプロバイダーであり、CAD/CAM/PLMマーケットのリーディングカンパニーです。
竹内 CAXAもNDESも製造業のお客様にPLMソリューションおよびサービスをご提供するという同じ目的の会社です。CAXAの成長には目覚しいものがあります。CAXAの事業概要やこれからのビジネス展開および中国における金型業界についてお伺いしたいと思います。
CAXA設立の経緯
雷 北京航空航天大学で、航空と宇宙航空つまり飛行機とロケットと衛星の設計製造を勉強し、その後大学で教えていました。1998年に北京航空航天大学機械自動化学院の院長になり、幅広く製造業を見るようになりました。
世界中の製造業が中国に移転してきており、中国が製造業の中心になるという考えがありました。海外の企業が中国で工場を作り、中国のローカル企業のレベルが向上しています。今後、中国市場に適したソフトウェアとサービスを中国の製造業に提供することが必要になってきます。しかし、そのような企業はまだなかったので、これはチャンスだと考えて、2003年1月にCAXAを設立しました。
CAXAとは、C:Computer、A:Aided、X:いろいろなテクノロジーとサービスでX、A:AllianceとAheadで、Computer Aided X Alliance - Always a step Ahead:一歩リードするコンピュータ支援技術とサービスです。4つのアルファベットはどれも閉じておらず、OPENな企業であることも表しています。
CAXAの企業理念は、「軟件服務製造業」で、中国の製造業向けのソフトウェアを開発し、サービスを提供することを意味します。
またCAXAの使命は、革新的な製品設計と協調的なデータ管理のための統合ソリューションとサービスを提供するために、そのPLMソリューションを特に中国の製造業向けに開発することです。
製造の分野だけでなく、設計~製造までをカバーするPLMテクノロジーとサービスを提供し、世界中のPLMテクノロジーの主要なプロバイダーと同様に、CAXAは、中国のPLMマーケット・リーダーになることです。
CAXAの経営戦略
【CAXAブランドの確立】
雷 海外のソフトウェアの代理店ではなく、中国市場に適した製品を自社で開発してブランドを作ろうと考えました。中国の製造業は成長を続けていますので、CAXAブランドを確立する製品を開発して、中国でCAXAの認知度を高めていきたいと考えました。
【Global企業とのアライアンス】
雷 中国の製造業の市場は大変大きいですから、自分たちだけではお客様に満足いただけるソリューションを提供することはできません。Globalにいろいろな企業と協力をしてソリューションを提供したいと考えています。もちろん、短期間の協力や発展ではなく、長期的な展望で協力しながらお互いに発展していくという考えです。
世界中から最も良い製品を集めて中国市場に提供し、さらにお客様に価値を提供するという考えです。
2003年4月にNDESからCAXAにCAMコンポーネントを提供してもらいました。NDESはCAXAのパートナーの第一号です。
2004年11月には、ダッソー・システムズと戦略的提携を発表し、北京に「CAXA-DASSAULT SYSTEMES Joint R&D Center」を開設しました。中国にPLMの価値を広げることをミッションとしています。
このように、いろいろな企業と提携や合併を行ってきました。
【中国国内の販売・サポート】

雷 中国国内にCAXAの営業所は35箇所あり、製品とサービスをお客様に提供しています。このネットワークを経由して、中国のお客様に近い立場で情報を収集し、製品の改善に役立てています。
製品を導入していただくときに、教育もサービスもCAXAが持っている経験も提供するという考えです。お客様の要望を聞いて、CAXAが持っている経験から、最大限の効果が出るソリューションを提供します。
たとえば、CAMシステムを提供するときに、マシニングの設備はいろいろありますから、どのようなパラメータを設定すればその設備に適しているかなどについてもCAXAのノウハウを提供します。
PLMを提供するときにも、単にプロダクトを販売するのではなく、お客様の状況を把握してどのようなソリューションを提供するかを考えます。最小の投資で最大の効果を生む提案をしています。
【CAXAのソリューション】
雷 大きくCAXAが製造業に提供するソリューションは、生産部門です。
会社の規模によりお客様のニーズが違いますので、CAXAには、大きく分けて2つのソリューションがあります。
ひとつは、「CAXA A5 PLM」です。これは、中小規模の企業をターゲットにしたパッケージ製品で、少ない投資ですぐに使えるシステムです。
CAXA A5 PLMは、以下から構成されています。
CAD
- CAXA EB:2次元図面作成
- CAXA SOLID:3次元ソリッドCAD
CAPP
- CAXA CAPP:切削プロセスの計画
- CAXA BOM:部品表
CAM
- CAXA CAM:2軸~5軸加工
- CAXA Wire Cutting:ワイヤーカット
- CAXA Lathe:NC旋盤ツール経路作成
- CAXA Internet DNC:ショップフロアーDNC
Data Management Software
- CAXA Vault:ファイル管理
もうひとつは、「CAXA V5 PLM」です。
これは、ユニークな要求でカスタマイズが必要な、大規模の企業をターゲットにしています。
CAXA V5 PLMは、以下から構成されています。
- CAXA V5 PLM
- PDMプラットフォーム
- CAXA V5 2D
- ドラフティング(2次元図面生成編集および、3次元モデルからの2次元図面自動生成)
- CAXA V5 3D
- 製品設計(部品、アセンブリー、サーフェス、金型、パイピング/チュービング、シートメタル、溶接、構造など)、インターフェース(STEP、STL、その他主要CADシステム各種を含む)、製品レビュー(デジタル・モックアップ、レンダリング、解析など)、NC(2.5軸、3軸加工)など
- CAXA V5 CAPP
- プロセス計画、ルーティング情報とプロセス・データの管理の作成ソリューション
- CAXA V5 MPM
- 統合した生産計画と製造工程管理プラットホーム

中国の製造業が、設計から製造にわたる開発サイクル全体をデジタル上で構築し、最適化を図ろうとする取組みを支援します。
「CAXA A5 PLM」から「CAXA V5 PLM」には、簡単に移行できるようになっています。
【中国におけるCAD/CAMの使用状況】



中国におけるCAD/CAMの使用状況
「CAD/CAM与製造業信息化」
2006年1月号より
雷 CAXAは、35箇所の営業拠点や約300箇所のトレーニングセンターや約300社のパートナーを通じて、200,000シート以上の納入実績があります。
雑誌「CAD/CAM与製造業信息化」2006年1月にCAD/CAMシステムの使用状況が報告されています。
CAXAのシェアは、2D-CAD分野は、AutoCADに次いでCAXA EBが2番目です。
3D-CAD分野は、UG NX、Pro/E、SolidWorks、CAXA SOLIDと4番目です。ミドルレンジで比較すると、SolidWorksに次いで2番目になります。
CAM分野は、MasterCAM、UG CAM、Pro/ECAM、CAXA CAMと4番目です。中国のオリジナルブランドではCAXA CAMが1番です。
CAXAは、中国ソフトウェア産業協会から、5年連続して「中国国内ベスト10ソフトウェア賞」を受賞しています。2006年には、最優秀ソフトウェアに与えられる「ソフトウェア金賞」を授与されました。

を受賞

を受賞
学校におけるビジネスについて
竹内 大学や職業訓練校のビジネスについてお伺いできますか。
雷 製造業に必要な人材を育成する教育システムソリューションを1,800校の大学や職業訓練校に提供し、200,000人の学生が利用しています。大学では設計者を、職業訓練校では技能者を育てています。
NDESのCAMコンポーネントを使用したCAXA CAMが約10,000シート以上導入されています。

上海では、高校に労働技能科を設置しており、生産技術の教育にはCAXAの製品を使っています。年間100,000名の高校生がCAXAの製品を使用しており、高校においては約50%のシェアがあります。
上海教育委員会が主催する3D CADの大会の中に、「CAXAカップ」という技能大会があり、ここ3年連続してスポンサーをしています。
これは、学生が自分でテーマを決めてCAXA CADを使って設計した成果物を提出します。この中から優秀な学生に賞が与えられます。このように人材教育には大変力を入れています。
中国における製造業について
竹内 中国における製造業、特に金型関連のマーケットについてお話いただけますか。
雷 中国の統計局の発表では、中国のGDPの約40%は製造業関係です。GDPの全体成長率は10.7%ですが、製造業は15%ほどの伸びがあると思います。その中でも金型は25%の成長率です。2005年は、2004年に比べて25%のUPです。これは、自動車関連と家電関連で大幅に成長しているからです。
製造業は、中国で一番大きな産業となっています。
金型のマーケットは、2005年は輸出(7.4億USD)も含めて610億元(9150億円)の市場で、約3万社の企業があり、約50万人以上の雇用があります。2006年は2005年と比べて25%成長しています。
また23億USDの金型を輸入しています。
竹内 本当に目覚しい成長を続けていますね。
雷 このような5年後10年後の市場の成長を見越して、CAXAは、2011年に今の10倍の規模の売り上げに成長することを目標にしています。中国の市場はいくらでもあります。
今後のビジネス展開について
竹内 CAXAの今後のビジネス展開についてお話いただけますか。
雷 今後、SIビジネスに力を入れていくことを計画しています。
・中国市場にサービスを提供
PLM全体のシステムインテグレーションをお客様に提供していくために、製品の販売だけではなく、CAXAのサービス+SIという形でお客様に提供します。
・Global市場にサービスを提供
提携相手と一緒にその会社を通じて、相手の国にサービスを提供していきます。今後、中国からロシアなどに製造業が移転したときにパートナーと一緒にサービスを提供したいと考えています。
また、ロシアやインドのローカル企業とも提携をしてそれぞれの企業を通じて提供するという考えです。提携あるいは合弁でGlobal化を計画しています。
提携するということはリソースを共有するということです。それぞれのリソースを最大限には発揮できる形で提供したいと考えています。
中国には世界の企業が進出し工場を持っていますから、中国市場にサービスを提供するということは、Globalに提供していることになります。
NDESに期待するところ
竹内 2003年にCAXAにCAMのコンポーネントを提供し、今後はさらに提携を進めていきたいと考えています。今後の提携を成功させるためにも、NDESに期待するところあるいはメッセージをいただけますか。

雷 NDESはCAXAにとって最初の提携相手です。締結した2003年はSARSが流行したので、みんなでマスクをしながらミーティングをしました。
CAXAとNDESは、対象とする市場やお客様がよく似ており、今までの提携の中にいくつかのポイントがあります。
NDESのCAMコンポーネントを使って、CAXA CAMを開発し、CAXA CAMの機能と品質を向上しました。NDESのCAMコンポーネントを使用したCAXA CAMは、唯一の中国ブランドのCAMです。この提携で、NDESもCAXAの技術力を認識していただいたと思います。今後はNDESの製品にもCAXAの技術を利用していただきたいと思います。
お互いの信頼関係を築き、良い協力関係になっていると思います。会社間、人間関係の信頼もできています。NDESとの提携は、今後の強力な提携を推進するのに大変役に立ちました。
技術面では、NDESが持っている技術でCAXAが持っていない技術、CAXAが持っている技術でNDESが持っていない技術もあります。今後は、持っていない技術については、お互いの技術を補完し合えますし、お互いに持っている技術については、さらに強化し合えると考えています。
提携は、どちらかが一方的に与えるものではなく、お互いにGIVE & TAKEの関係でなくてはならないと思います。このような考えで長期的な提携関係を持ちたいと考えています。お互いの得意な分野を生かして、製品開発の全面的な協力関係をもっと深めて、新しい製品を作りたいと思っています。
CAXAのサポート網をベースに中国に進出した日本企業のサポートもCAXAが協力したいと考えています。将来一緒にロシア、ブラジル、インドなどに開発した製品を提供したいと考えています。
両社でアウトソーシングの開発を協力していきたいと思っています。
NDESが日本で受注した仕事において、コストの面やNDESが手一杯でできないときは、ぜひCAXAを使ってほしいと思います。逆に、CAXAからNDESに仕事をお願いすることもあると思います。
両社が協力をして、お互いのお客様に満足していただくことが一番の目標です。未来の製造業にソリューションを提供していくためには、1カ国でやるということはありえませんので、協力してWin-Winの関係を確立していきたいと考えています。
竹内 今後も良い信頼関係を築き、お互いに成長を促進させる提携にしていきたいと考えております。
そのためにも、CAXAから技術者が2人、日本の仕事の仕方を研修しにNDESに来ていただく予定です。2011年には今の10倍の規模の成長を目標とされているCAXAのますますのご発展を祈念しています。
本日は、お忙しいところをどうもありがとうございました。
会社プロフィール
CAXA(カーサー)
設立 | 2003年1月 |
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資本金 | 1,000万元 |
従業員数 | 520名 |
概要 | 中国最大手のCAD/CAM/PLM ソリューションプロバイダーで、中国におけるCAD/CAM/PLMマーケットのリーディングカンパニーです。 |