RPシステム部 橋爪 康晃 |
RP+RM+α=e-Manufacturing
近年、市場のニーズが多様化し、製品ライフサイクルが極端に短くなったことから、それに対応できるツールとしてRP技術への関心が業種を問わず高まっています。そしてRP技術の多様化として、生産設備に活用する「RM=Rapid Manufacturing」という概念が登場しています。通常RPシステムは、専用材料を使用するため、RMを実践するには、最終製品として使用できる材料が必要になります。そして造形される製品は、用途に応じた十分な特性が必要です。このRMを実行できるシステムとして、粉末材料を使用するRPシステムが注目されています。EOS社は、この分野でのリーディングカンパニーであり、RPからRMまで対応し、製品ライフサイクルのどの場面でもツールとなる「e-Manufacturingソリューション」としてEOSINT、FORMIGA、材料、アプリケーションの開発を進めています。
※ 本文中はRMを行うシステムについても、RPシステムと表現します。
EOS社でのe-Manufacturing
EOS社内でのe-Manufacturing事例をご紹介します。RPシステムは、従来工法では製作が困難な複雑形状、あるいは複数部品で構成されるものを一体で造形できる特性を持っています。写真1は、EOSINTの材料搬送装置に使用している固定具です。従来は、複数部品で構成されていたもの(左)を、機能を有した一体部品として設計変更し、EOSINTで造形したもの(中央)で、EOS社で年間500個以上作られています。これにより、コスト削減、工期短縮が達成され、一体部品になったことで使用するときの作業効率も上がっています。さらに、サイズ変更して造形できる柔軟性があり、特性を活かした象徴的な部品となっています。


RP(アイデア→データ化→造形→デザイン最適化)

EOS社の新シリーズFORMIGAの造形フレームに使われているシールの事例をご紹介します。造形中に粉末漏れを防止するシールの部品は、使用温度や機構的な条件を同時に満たす必要があります。そして、できるだけコストも抑えて、条件に合った最適形状を見つけるためにEOSINTを使用した試作が行われました。スケッチから形状をデータ化して解析を行い、複数のパターンを柔軟性のある材料(未発売)で造形しました。このような形状で、複数のパターンの同時造形が可能になり、短期間での最適化が実現できました。このシールは、最終的にシリコンで生産されています。
RM(アイデア→データ化→造形→実装)

FORMIGAには、EOSINTとFORMIGAで造形した複数のRM部品が実装されています。アイデアから試作、最適化、製作までのプロセスが非常に効率よく行われています。図2は、光学機器を筐体外から調整する部品のスケッチ、および造形品です。
おわりに

今回、事例でご紹介した新製品FORMIGA P 100は、NDES RPテクニカルセンターに設置しています。
見学ご希望の方は担当までお問い合わせください。
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