人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.57 | システム紹介
EOSINTリポート
RPシステム統括部 営業グループ
グループマネージャ 橋爪 康晃

はじめに

今回は、試作金型用途に新たな可能性をもたらすEOSINT P・FORMIGA用の新材料などe-Manufacturing最新情報をご紹介します。

群栄化学工業様の試作型用材料

真球状カーボンSEM
真球状カーボンSEM
写真×100

群栄化学工業様(http://www.gunei-chemical.co.jp/)がインジェクション金型用材料として優れた特長を持った真球状カーボンとナイロン12の複合材料CB50を開発しました。

また同社では、この材料を使用した試作型のサービスも開始しており既に実績をあげています。
CB50は、プラスチック材料を使用するEOSINTP・FORMIGAで高速に造形することができ、短期間・低コストを求められる試作型に非常に適した材料となっています。
CB50を使った試作型の主な特長は次の3つです。

  1. EOSINT P・FORMIGAを用いて短納期を実現
    造形速度が速いEOSINT P・FORMIGAでは、どんな複雑形状の型でも短時間で製作できます。試作型製作において、金属ブロックの切削加工は、型形状が複雑になるほど製作に時間がかかりますが、EOSINT P・FORMIGAであれば、CAD データから直接、積層造形で型を製作するので、複雑形状であっても比較的短時間で製作できます。
  2. EOSINT P・FORMIGAを用いてコストを低減
    EOSINT P・FORMIGAには、造形領域内で自由に配置して製作できる、形状による作業時間や造形時間が左右されないという特長があります。この特長を活かして効率良く造形すれば、容易にコスト低減が可能です。また、造形に使用した未焼結材料はリサクルすることもできます。
  3. すぐれた材料特性
    独自の技術で開発した耐熱、高弾性率、優れた表面の平滑性を持ったCB50は、硬さ、耐熱性、離型性能に優れ、射出成形用型としての利用を可能にしました。

群栄化学工業様での比較事例をご紹介します。
アルミ合金(A7075)で製作した場合と、CB50を使用してEOSINT Pで造形した場合の例を比較しています。
下記の表より、EOSINT Pの特長を最大限に活かした3種類同時造形の場合に、その差が顕著に現れています。

【アルミ合金(A7075)とCB50との比較表】
試作型 工法 期間(h) コスト(%)  
製品A(コアのみ) CB50 8 90 CB50 試作型(キャビティのみ)と成形品(ABS, PP)
CB50試作型(キャビティのみ)と成形品(ABS, PP)
アルミ合金 10 100
製品B
(キャビ、コア、中子)
CB50 26 80 CB50 試作型と成形品(エラストマー)
CB50試作型と成形品(エラストマー)
アルミ合金 65 100
製品C
(キャビ、コアスライド)
CB50 33 70 CB50 試作型と成形品(ABS)
CB50試作型と成形品(ABS)
アルミ合金 79 100
上記3種類同時製作 CB50 59 50 EOSINTの特長を活かした3種類同時造形時の配置
EOSINTの特長を活かした3種類同時造形時の配置
アルミ合金 154 100

今回ご紹介したCB50の他にも真球状カーボンの配合率が異なるCB30、CB70が用意されています。
次に物性情報とCB50のお問い合わせ先を記します。

【CB50とEOS製ナイロン12】
CB50 ナイロン12 試験方法
曲げ強度(MPa) 64.0 52.2 JIS K 7171
引張り強度(MPa) 37.0 41.8 JIS K 7161
JIS K 7162
曲げ弾性率(MPa) 4209 1308 JIS K 7171
引張り弾性率(MPa) 3872 1430 JIS K 7161
JIS K 7162
引張破壊歪(%) 2.8 11.6 JIS K 7161
JIS K 7162
荷重たわみ温度(℃)1.80 Mpa 143.0 55.4 JIS K 7191-1
JIS K 7191-2
体積固有抵抗率(Ωcm) 1.30E+05 8.30E+13 3端子法(>E+10)
4探針法(<E+10)
収縮率–X・Y軸(%) 1.6 3.1
造形物密度(g/cm3) 1.10 0.94

◆CB50に関するお問い合わせ先
群栄化学工業株式会社 成形・複合材料ユニット 荻野様
電話:03-3253-6641(代表)

建築模型

現在、建築業界ではBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)というトレンドもあり、3Dデータの利用が活発になってきています。
建築模型については、シンプルな形状であれば従来の方法でも問題はなく、緻密なものでも様々な工夫を凝らして製作されてきた実績があります。

Tower of 888
Tower of 888
設計:岡部憲明アーキテクチャーネットワーク
+佐々木睦朗構造計画研究所

一方、データさえあれば、どんな形状でも容易に製作できるということには、やはり大きなメリットがあります。
「Tower of 888」は、岡部憲明アーキテクチャーネットワーク様(http://www.archinet.jp/)でのEOSINT P活用事例です。非常に微細で複雑な形状を持つ建築模型です。

この形状がデータから直接製作できること、微細であっても十分な強度を持っていること、データがあるので設計変更や追加製作などが非常に容易であること、そして製作にかかる時間が非常に短いことが3DデータとEOSINT Pを使った建築模型製作の特長です。
細部に至るまでデータに基づき、リアルに表現されることは、関係者間でのコミュニケーションの密度を高めることができます。

新製品 EOSINT P395、EOSIT P760

2009年12月に発表したEOSINT Pの2つの最新機種EOSINT P395とEOSINT P760の出荷を開始しました。
ワンオフ製作や試作品製作といった1個から極少量の製品製作や、最終製品生産まで対応するための新しい機能が搭載されています。主な新機能は以下の通りです。

  1. 用途に応じた積層ピッチ
    使用可能な積層ピッチが60ミクロン、100ミクロン、120ミクロン、150ミクロン、180ミクロンの5種類から選べるようになりました。それらに最適化した機器やパラメーターセット(造形条件の設定)も用意されています。
  2. サーフェース・モジュール
    EOSの高精細造形機FORMIGAのノウハウをEOSINTシリーズに応用しています。
  3. フラッシュ・リコーティング(P760用)
    材料散布速度が従来機の約2倍に高速化できるオプションです。大きめの積層ピッチと組み合わせると、生産能力が飛躍的に向上します。
  4. OLPC(P760用)
    オンライン・レーザーパワー・コントロール機構です。この機能により連続した一定品質の維持が可能になります。特に生産装置としての使用時には効果を発揮します。

この他にも新たなアイテムが用意されています。今後の展示会などでもご紹介していきます。

EOSINT M金属造形サービス

EOSINTの写真

金属材料を使用するEOSINT M270を設置する弊社「RPテクニカルセンター大阪」では、EOSINT Mを使用した造形サービスを開始します。
専門の技術者が、複雑な機能部品や高機能金型部品などを EOSINT Mで造形します。
造形をご希望のお客様は、ぜひお問い合わせください。

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