人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
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No.58 | システム紹介
複合旋盤加工機向けCAMシステム
CAMWorks2010のご紹介
ディー・エフ・エム株式会社
取締役技術部長 山田 尚史

はじめに

近年、量産部品や試作加工向において、部品形状の複雑化への対応や工程削減の要求に応えるため、旋削加工からミル加工まで一貫してワンチャックで行える複合旋盤加工機が多く導入されています。ただ多機能なぶん機構が複雑化しており、NCデータ作成には多大な労力を必要としています。

CAMWorksは、このような要件を持つ複合旋盤加工機を効率的に運用させることを目的として開発されました。以下、最新版であるCAMWorks2010の特徴とその機能をご紹介いたします。

CAMWorksの特徴

■加工形状自動認識 AFR(Automatic Feature Recognition)機能

図1 入力モデルと認識された工程
図1 入力モデルと認識された工程

CAMWorksでは、入力された3Dモデルから旋削とミルの複合した工程を自動的に認識する「AFR」機能を搭載しており、従来人手で行っていた加工指定を自動化できるため、加工指示作業を大幅に効率化します。

■干渉フリーパスとシミュレーション機能

図2 シミュレーション結果表示
図2 シミュレーション結果表示

複合加工では工程が複雑となるため、単工程での工具やホルダの干渉だけでなく、多くのポイントで工具経路の検証が必要となります。CAMWorksでは、前工程での加工上がり形状を常に認識可能で、工具のアプローチやリトラクト動作に関して最短で干渉のないパ作成が行えます。また標準でチャック形状を含んだ加工シミュレーションを行え、取り付け具に対しての干渉も確認できます。(オプションで機械シミュレーションも可能)

様々な種類の複合機への対応

図3 同時4軸/5軸加工
図3 同時4軸/5軸加工

複合加工機には、メーカや加工種別により制御軸数やタレット形状など様々なタイプが存在しますが、どのタイプの加工機にもCAMWorksは柔軟に対応します。

■複数スピンドル/複数タレット

複数のスピンドルを持つ加工機に対して、スピンドル間の持ち替え機能を搭載しています。また複数のタレット(工具ステーション)も制御可能で、ワークの上下からの加工もサポートしています。

■同時4軸加工(旋削軸[C]+ミル3軸[XYZ])

旋盤軸とミル軸を同時に制御しながら、円筒上に巻き付いたポケット部を加工できます。輸送機器の駆動シャフトや円筒カム加工に応用できます。

■同時5軸加工(旋削軸[C]+ミル4軸[XYZ+B])

同時4軸にミル傾斜軸を加えた同時5軸の加工もサポートしており、特殊ギアやインペラなどの加工に対応します。