人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.58 | お客様事例
Space-Eでの3次元金型設計・製作で
工数削減、効率アップを狙う

株式会社ヒロセ精工様は、金型の新規製作・メンテナンスにおいてノウハウや技術を蓄積し、最新設備による金型づくりを実施している金型専門メーカです。金型の種類は、亜鉛ダイキャスト型、プラスチック型、マグネダイキャスト型、アルミダイキャスト型など幅広く550トン引当までの大きさに対応できます。

今回は、2次元CAD/CAMからSpace-Eへ移行し、3次元データによる3次元金型設計・製作の取り組みや効果などについてお話をお伺いしました。

事業概要

人物写真
工場長 清 隆範 様

ヒロセ精工は、金型製作、メンテナンスの専門会社として1988年に設立して、2010年で創立22周年を迎えます。そして、当社の子会社として2005年に設立した中国の廣瀬模具有限公司は、金型製作に携わって5 年目になります。当社の取引は、ホンダロックが99%を占めています。売り上げは、大きく区分して、新規71%、メンテ22%、部品加工7%の割合になっております。

最近は、樹脂部品が増加し、プラ型の需要が増えておりますが、主な製品としましては、ドアミラー、ドアハンドル、ソレノイドボデー、キーシリンダーなどで、小物金型から大物金型製作まで手掛け、金型製作からメンテナンスまでの一貫体制を整えております。

Space-Eによる導入効果

■金型製作の効率化

人物写真
金型製作部
課長 今市 誠 様

3次元CAD/CAMが気になり始めた1999年に加工方法、ツールなどを勉強しながら1年かけてシステムの選定を行い、ホンダロックがGRADEを使用していた流れから2000年9月に1台目のSpace-Eを導入しました。それから順次増設していき、今ではSpace-Eを5台導入しています。Space-Eの立ち上げは大変でしたが、初めて3次元に取り組める楽しさもありました。

それまでは、2次元CAD/CAMで作成した単純なNCデータだったのが、Space-Eでは、3次元のパスを組み合わせて一括したNCデータを作成できます。夕方、NCデータを機械にセットすると朝には完成しているので、加工の効率アップを図れました。また、デザイン面の金型が多くなってきたので、Space-Eであれば対応できます。

Space-E(3次元金型設計モデル/NC経路)
Space-E(3次元金型設計モデル/NC経路)

■3次元金型設計への取り組み

人物写真
金型製作部
課長 桜井 克義 様

Space-Eを導入したので、金型設計も2次元から3次元に変更して、一気にNCデータまで作成した方が効率よくできると考えました。実際に、Space-E/Modelerで金型の3次元設計を始めたのは2003 年です。その当時から、キャビ・コアは3次元で設計して、モールドベースは2次元で設計する方が楽だという考え方がありました。周りからも、3次元設計はデータの作成に時間がかかり設計工数が増えるので、2次元で設計する方が早いと言われていました。しかし、今後は全部品の3次元データが必要になる時期がくる。そして、設計工数は必ず削減できると確信していたので、3次元設計を進めていきました。

当初は、部品をゼロからモデリングしていたので時間もかかりましたが、それでもSpace-Eの操作性が良かったので、金型一式のモデルデータを複数揃えることができました。
そうなると部品データを流用できるので設計工数も短くなり、本来の3次元設計のメリットである部品どうしの合わせの確認や干渉チェックにより、詳細部分まで追及した設計ができるようになりました。その当時、周りは2 次元設計だったので、当社が3次元設計に取り組んだのは全国でも早かったと思います。

金型製作の主要な製品
金型製作の主要な製品

Space-E/Moldは、2004年に導入して標準部品を利用しています。さらにSpace-E/Moldの利点は、ボルトなどの配置後に購入品リストを一括して出力できることです。今、部品メーカへの発注はインターネットを使っているので、購入品リストのExcelをインターネットに貼り付けるだけで発注ができてしまいます。以前は、FAX注文のため、注文書5~6枚に購入品を記述していたので、その工数を削減できました。

今後の取り組み

■ユーザ部品について

人物写真
金型製作部
大島 稔 様

Space-E/Moldでは、ユーザ部品というパラメトリック部品を構築できますが、ユーザ部品をどこまで使えるか見極めているところです。ユーザ部品に頼っていると設計が固定化されてしまうため、人が考える部分が無くなってしまいます。
CAD/CAMは道具として利用し、人が設計構造や仕様を考えることを重視したいので、ユーザ部品は規則が多くならないように利用することを考えています。

■優先的に最新バージョンを導入

設計室・CAD/CAM 室
設計室・CAD/CAM室

金型の仕様は、ホンダロックの金型部門と相談して決めています。金型のコスト削減の要求もあり、それに応えるには、Space-Eのような道具を使って、いかに安く、早く、作るかということが重要です。そのため、機能の改善・追加がある最新バージョンを優先的に導入するようにしています。それから、中国の廣瀬模具のSpace-Eとは互換性を持つようにしています。当社でバージョン内容を確認してから、中国でも同じバージョンを使うように考えています。

Space-Eなどの道具を導入した成果が見えないと今後の設備投資も難しいため、効率アップ、工数・コスト削減を実践することでアピールしていきたいと思っています。

おわりに

2009年にSpace-E/Modelerで3次元CAD利用技術者試験1級に合格。今年も受験を予定されているそうで、CADオペレーションのスキルアップに力を入れられています。

大変お忙しいところ、貴重な時間を割いてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

会社プロフィール

本社
本社

株式会社ヒロセ精工

本社 〒880-0121 宮崎県宮崎市大字島之内湯取6284-2
創立 1988年4月
操業 1988年5月
資本金 1億7千万円
従業員 26名
事業内容 金型製作、およびメンテナンス

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