人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.59 | システム紹介
電磁界解析ソフトウェア
JMAG for CATIA V5 ver.1.0 のご紹介
PLM事業本部 営業統括部
ソリューション営業部
西日本営業グループ
西村 成人

「JMAG for CATIA V5 ver.1.0」について

JMAG CAA V5 画面

このたび、NDESが販売を開始いたします「JMAG for CATIA V5 ver.1.0」についてご紹介します。

「JMAG for CATIA V5 ver.1.0」は、3次元CADシステムである「CATIA」に「JMAG」のテクノロジーをアドオンした電磁界シミュレーションソフトウェアです。設計とシミュレーションの距離が近づいたことで、電気電子機器製品の開発・設計の確認が即時に行えます。

「JMAG」のご紹介

「JMAG」は、電気電子機器の製品開発・設計を支援するために株式会社JSOLが自社開発されているソフトウェアです。機器内部の複雑な物理現象を正確にとらえ、高速に分析します。1983年のリリース以来、多くの企業、大学で利用されています。今日、環境問題・エネルギー問題等々で電力が注目され、「JMAG」はモータ設計、開発をサポートする機能も充実しており、様々な形状・仕様が「JMAG」を用いて開発されています。

「JMAG for CATIA V5 ver.1.0」で何ができるの?

画像1 IPMモータの解析例
画像1 IPMモータの解析例
画像2 ソレノイドの解析例
画像2 ソレノイドの解析例
画像3 リニタモータの解析例
画像3 リニタモータの解析例

例えばモータやトランスに対しては、小型化や高効率化の要求が高まっていますが、小型化を進めるために様々な理由から損失が大きくなってしまうことがあります。この問題に対して、電磁界シミュレーションを行うことで、損失を生み出している要因を視覚的に確認でき、対策を立てることができます。

電気電子機器の設計のためのインダクタンス、トルクなど基本特性が簡単に算出できます。また、形状をパラメトリックに変更し、それぞれの特性を即座に求めることができるので、試作回数を低減することも可能です。

<電磁界シミュレーション テーマ例>

  • 磁気飽和や漏れ磁束、動作点の確認
  • インダクタンスの確認
  • 負荷時、無負荷時のトルク計算 など

<出力項目例>

  • 磁束密度・電流密度・磁力
  • トルク等の特性値算出 など

システムの特長および機能について

電磁界シミュレーションの世界的なマーケットリーダである「JMAG」を構成する技術がシステムのコアテクノロジーを担っています。また、電磁界シミュレーションを初めて利用される設計者の方でもすぐに使える環境をご提供します。

1つのパネルに集約

図4 条件設定のGUI
図4 条件設定のGUI

1つのパネルで、電磁界シミュレーションの条件設定(材料、メッシュ、運動、出力)のすべ全てが行えます。また、設定している項目に矛盾が生じている場合は、パネル上で警告シグナルが表示され、ユーザへ注意・確認が促されますので設計者の方は迷うことなくシミュレーション(操作)を進めることができます。

断面解析

図5 IPM モータ断面解析例
図5 IPM モータ断面解析例

3次元形状より断面を取り出した断面解析が可能です。断面解析を有効に活用することにより、計算時間の短縮を図りながら精度の高いシミュレーション結果を得ることができます。

材料データベース

図6 材料データベースの参照
図6 材料データベースの参照

電磁界シミュレーションで使用される材料特性データとして、大手メーカから正式に提供された信頼性の高い「JMAG」の材料データベースを参照できるので、材料選択時の手間を軽減できます。

メッシュ作成

図7 スライドメッシュ例
図7 スライドメッシュ例

電磁界シミュレーションに適したメッシュを作成するため、JMAGメッシャーを採用しており、部品に対するスタンダードな自動メッシュ生成機能、パーツやフェイス毎のサイズ指定などの詳細な設定機能などがあります。それ以外にも、計算対象領域の空気メッシュの生成機能、モータのような回転・並進運動するモデルを表現するのに適したスライドメッシュ生成機能、要素サイズに起因する結果の精度向上を図るのに適したリメッシュが可能なアダプティブメッシュ機能を備えており、条件に応じて最適なメッシュを作成することができます。

図8 アダプティブメッシュ例
図8 アダプティブメッシュ例

商品構成について

「JMAG for CATIA V5 ver.1.0」は、電磁界シミュレーションを行うための条件設定や結果表示を行う機能(プリ・ポスト機能)を備えています。

電磁界シミュレーションを行うためのソルバーとしては、静磁界解析機能(ST)、2次元過渡応答磁界解析機能(DP)および3次元過渡磁界解析機能(TR)に対応しており、解析テーマに応じたソルバーをご導入いただけます。

おわりに

「JMAG for CATIA V5 ver.1.0」は、CATIAをご利用されている設計者の方にとって、身近に電磁界シミュレーションを感じていただける製品です。

本稿では、簡単なご紹介でしたが興味を持たれたお客様は、ぜひ、NDES営業担当者までお問い合わせください。皆様のお役に立てるものと確信しております。