人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.64 | システム紹介
BMW Group IT Messe
―モバイル版SPACE-Docの展示―
SI統括部 第一技術部
第二グループ 泉澤 優

はじめに

Cirquent本社
Cirquent本社

このたび、CirquentおよびNTTデータとともに、2011年10月に開催された「BMW Group IT Messe」の展示会に参加しましたので、ご紹介いたします。Cirquentは、ドイツのミュンヘンに本社があり、2011年に40周年を迎えた長い歴史を持つ会社です。

そして、2010年のLunendonk Listというドイツの企業ランキングでは、 ITコンサルティングおよびシステムインテグレータ企業部門のトップテンに属しており、ドイツのIT企業の中で重要なポジションにいる会社です。以前はBMWの情報システム子会社でしたが、2008年9月末からNTTデータグループの一員になったことで、NDESとの関係が生まれました。

Cirquentは、BMWを中心としたヨーロッパの自動車会社などの製造業向けPLM・PDM・CAD全般の事業を得意分野としており、それ以外にも銀行、保険、通信などさまざまな分野の事業を行っています。

その製造業向けの事業がNDESの事業との共通項であり、しかも同じDassault Systèmesの製品を扱っていることもあり、お互いに協合することでの相乗効果を目指しています。

協業にあたっては、スロバキアにあるNDESグループ会社のESSS(ENGINEERING SYSTEMS SOLUTION SLOVAKIA)も含めた3社体制で、Dassault SystèmesのV6製品関連の情報交換や技術交換などを行っています。特に、ESSSは同じヨーロッパに会社があるため、密接なニアショア開発も行っています。

BMW Group IT Messe

BMW本社(フォーシリンダービル)
BMW本社(フォーシリンダービル)

今回参加した「BMW Group IT Messe」は、名称の通りBMWが主催しているITシステム関連の展示会で、BMWが指定したベンダーのみが出展できます。

この展示会は2003年から毎年行われており、BMW本社から少し離れた場所のホールを貸し切って開催されています。今年で9回目になる展示会のテーマは「STAY CONNECTED」です。これは、人々の毎日の生活がインターネットでつながっていることや、製造業においてもITシステムやアプリケーションが重要であり、それにより発展してきたことを表現しているそうです。

今年の展示会には40社が参加しており、各社ごとに円柱形のブース内で展示や説明を行っていました。来場者であるBMW社員の方は、それらのブースを10人ほどのグループに分かれてガイドツアーのような形式で、各社の説明を聞いていました。

実際に会場に来てまず感じたのは、BMWが採用するシステムを検討するためだけにこの広い会場を貸し切り、これだけたくさんの会社がそれに参加しているということです。

また、この展示会はBMWが実際にどのシステムを採用するのか、その交渉の場にもなっており、「会社が導入するシステムを、IT部だけでなくシステムを利用するユーザが直接検討できること」、「出展している会社も、他社がどのようなシステムを持っているかを知ることができること」など、とてもオープンな雰囲気でした。

他社の展示については、ほとんどがドイツ語で書かれていたため詳細は分かりませんでしたが、実際の自動車を展示している会社や、工場ラインの動く模型を展示している会社、ドライビングシミュレータを利用した展示をしている会社などさまざまでした。その中でも多くの会社で見かけたのが、Appleの「iPad」を使用した展示でした。

Cirquent / NTTデータ 展示ブース
Cirquent / NTTデータ 展示ブース

実際、パンフレットの紹介文を確認すると、半数を超える28社が「iPad」「iPhone」「Smartphone」「Mobile」などのキーワードを使用していました。この展示会のテーマ「STAY CONNECTED」が示すとおり、タブレット端末やスマートフォンが一般ユーザに急速に普及してきたことで、「持ち歩いて使うには大きすぎるノートPC」と「業務で使うには機能が足りない携帯電話」の間を埋める存在として、企業の業務においても注目されていることが伺えます。実際、BMWの来場者の中でもiPadを持ち歩いているグループもあり、BMWの社内でも使われ始めているようです。

Cirquentの展示は、現在BMWと進めている様々な開発プロジェクトの紹介が中心となっており、その中でも、やはりiPadが登場する資料がありました。

また、NTTデータの展示は、渋滞情報の配信ソリューション「ViewRoad」の紹介でした。このシステムも、情報の収集や表示にスマートフォンが使われることを想定したものになっています。

SPACE-Doc V3 Smart!

そして、NDESが今回出展したのもiPadを用いたアプリケーションでした。この「人とシステム」で何度かご紹介している「SPACE-Doc V3」のモバイル版、「SPACE-Doc V3 Smart!」です。

このアプリケーションは、ファイルを参照する機能に特化したもので、Windows版のSPACE-Docと共通のサーバを参照して、登録されているOfficeドキュメントや各種CADデータのファイルをプレビューすることができます。iPadやiPhoneの標準的なメニューと同様な操作性を実現しており、画面レイアウトはiPad版、iPhone/iPod touch版の各画面サイズで見やすいようにザインしています。

「SPACE-Doc V3 Smart!」
「SPACE-Doc V3 Smart!」

このモバイル版のメリットは、もちろん「PCを使わずにデータの参照が可能」という点にあります。例えば、仕様書・図面を見ながらの作業や、3Dモデルを見せながらの打合せ、これまで印刷物を配布していた会議のペーパーレス化など、手軽に持ち歩ける端末であるということは、それだけで利用機会が増えていきます。

さらに、サーバを公開して外部から参照できるようにすると、取引先などでも同じような使い方ができます。

展示会では、実際に操作できるアプリケーションと端末を用意して、iPadとiPod touchを1つずつ展示しました。今回の展示で「SPACE-Doc V3 Smart!」の詳細な説明をして欲しいという依頼や質問などがあり、iPadなどへの関心の高さが伺えました。

具体的には、3Dの表示のレスポンスが良いという感想や、社内のデータを外部から参照するときのセキュリティについての質問などがありました。セキュリティに関しては、Windows版と同様にユーザグループ単位のアクセス権が適用できるため、権限の無いユーザはフォルダやファイルを参照することはできません。さらに外部から参照する場合は、HTTPSを使用することで通信のセキュリティも確保できます。

おわりに

今回ご紹介した「SPACE-Doc V3 Smart!」(iPad版、iPhone/iPod touch版)は、2012年1月にAppleの「App Store」へ公開予定です。

また、Android版についても現在開発中です。

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