人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.79 | トピックス
「第3回 AMソリューションセミナー」のご報告
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
営業本部 AMビジネスユニット
事業戦略部 事業戦略課 課長 北田 幸雄

はじめに

2015年7月30日に、産業用ハイエンド3DプリンターであるEOS製品のセミナーを開催いたしました。このセミナーでは、EOS製品の現在のターゲットや今後の製品動向についてのご紹介、さらに、ドイツEOS社から来日したChristian Waizenegger氏(タービンを主とする産業機器分野のビジネス開発担当マネージャ)による3Dプリンターを本格的な生産ツールとして活用しているユーザー事例の紹介、そして、NDESのAMデザインラボでの取り組みと研究成果の発表を行いました。ここでは、セミナーの概要をご報告いたします。

アジェンダ

セミナーは下記のアジェンダに沿って進めました。

13:30~13:35 あいさつ
13:35~14:35 Additive Manufacturingを実現するEOSのご紹介
14:35~15:35 金属3Dプリンターに関するNDESの取り組み
15:50~17:00 Industrial Manufacturing with Additive Manufacturing (SLS&DMLS)
17:00~17:20 EOS・NDES現在とこれから
17:30~18:30 懇親会

各セッションの概要

Additive Manufacturingを実現するEOSのご紹介

図1 Additive Manufacturingを実現するEOSのご紹介
図1 Additive Manufacturingを実現するEOSのご紹介
(クリックすると拡大画像が表示されます)

AM業界のリーディングカンパニーであるEOSの豊富な製品ラインアップとそれを用いた製品製造のさまざまな事例をご紹介しました。事例の適用範囲は、航空宇宙、メディカル/デンタル、金型、コンシューマー製品、自動車、産業機器分野など多岐にわたります。

また、EOS製品を使用して、樹脂・金属の造形受託を行う国内サービスビューローのご紹介や、EOSとNDESがご提供するサービス(運用・保守支援、トレーニング、AM設計手法教育やコンサルティング)をご案内しました(図1)。

金属3Dプリンターに関するNDESの取り組み

NDESのAMデザインラボの技術者が、金属造形を行う際の制約やコツをご紹介するとともに、実際に発生した失敗事例と解決策も具体的に開示しました。ご参加いただいたお客さまから「大変参考になった」とご好評いただくとともに、私たちが金属造形に取り組む姿勢をご理解いただいたと思います。

また、研究開発では材料として純銅を使用する試みについて、そして、先行技術開発としてはIoTの取り組み(造形機のダウンタイム削減に向けた取り組み)についてご紹介しました(図2、3)。

図2 銅の写真
図2 銅の写真
図3 IoTの取り組み
図3 IoTの取り組み
(クリックすると拡大画像が表示されます)

Industrial Manufacturing with Additive Manufacturing (SLS&DMLS)

EOS社のChristian Waizenegger氏による講演は、ガスタービンへの適用事例、EOSの大型金属造形機 M 400の製品開発の方向性についてのご紹介でした。

EOS・NDES現在とこれから

図4 AMの用途を試作から生産へ
図4 AMの用途を試作から生産へ

金属3Dプリンターを使いこなすには、どのようなポイントが重要か、今後の3Dプリンターの方向性についての講演をNDESのAMビジネスユニット長 橋爪が行いました(図4)。

おわりに

定員50名の予定でしたが、60名を超えるお客さまにご来場いただき、真夏の開催の中まさに熱気にあふれるセミナーとなりました。

3Dプリンターは、製造業に大きな変革をもたらす可能性のある技術ですが、一方で、「何でも簡単にできるのではない」「何が難しい」「何がすごい」「使うにはどのようなことを知っておく必要があるか」「使い始めるとどのような課題があり、どう乗り越えるのか」を認識する必要があります。NDESはAMデザインラボを維持・運営し、これらのハードルをお客さまに先んじて越え、そのノウハウを共有することで、少しでもお客様の導入がスムーズになるようご支援しています。今後もお役に立つ情報を定期的に発信していきたいと考えていますのでご期待ください。