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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.93 システム紹介

3DEXPERIENCE CATIAによるモールド設計プロセスフローのあらたな革新③
「Advanced編」のご紹介

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
ビジネスインテグレーション事業本部
ソリューション企画室
PLMソリューション部 第一営業課 時重 良太

はじめに

本誌前号では、ダッソー・システムズ株式会社(以下、DS社)の次世代製品である「3DEXPERIENCE Platform CATIA」のモールド設計について、2018年9月20日(木)に開催した第2回Webセミナー「3DEXPERIENCE CATIAによるモールド設計プロセスフローのあらたな革新 ~Mold Tooling Designer編~」の内容をご紹介しました。

本号では、そのセミナーの続編として2018年11月28日(水)第3回Webセミナー「3DEXPERIENCE CATIAによるモールド設計プロセスフローのあらたな革新 ~Advanced編~」の内容をご紹介します。

モールドプロジェクトテンプレート

図1 モールドプロジェクトテンプレートの配置例
図1 モールドプロジェクトテンプレートの配置例
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3DEXPERIENCE CATIAのモールドプロジェクトテンプレートは、金型サイズの検討、モールドベースの作成を効率よく行うためのテンプレートデータです。製品モデルのサイズを基にプレートサイズを検討し、そのサイズでモールドベースを配置できます(図1)。

テンプレートデータには、インサート、簡易的なモールドベース形状、成形品のダミーモデル、設計を補佐するためのナレッジが組み込まれています。インサート、プレートのサイズは、製品モデルの最外形サイズから決定される仕組みです。そのパラメーターを変更することで、インサートやプレートのサイズが調整できます。また、数式やナレッジを用いて設計ノウハウを盛り込むことにより、各社の設計ルールに基づいたテンプレートを構築することも可能です。

スライドユニットテンプレート

1.ロッキングブロック付きのスライドユニットテンプレート

図2 ロッキングブロック付きのスライドユニットテンプレート
図2 ロッキングブロック付きのスライドユニットテンプレート
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3DEXPERIENCE CATIAには、スライドユニットテンプレートの他にロッキングブロック付きのスライドユニットテンプレートも用意されています(図2)。用途に合わせておのおのの使い分けが可能です。

2.スライドユニットのインスタンス化

多数個取りなどで、同じ仕様のスライドユニットを複数配置する場合、配置済みのスライドユニットを配置部品として指定することでインスタンス化を行うことができます。

3.メカニズムプレーヤーによる簡易動作シミュレーション

図3 メカニズムプレーヤーによる簡易動作シミュレーション
図3 メカニズムプレーヤーによる簡易動作シミュレーション
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従来のCATIA V5では、スライドをユニット部品にすると、射出側、可動側に振り分けるべき部品が一つになります。そのため、型開きを確認する仕組みとして寸法拘束やパラメーターを使用しても、全ての部品はキャビティ側かコア側のどちらかに連結され一緒に移動してしまいます。もちろん、複雑なパラメーターを調整すると型開きの確認はできるのですが、手間を要していました。

3DEXPERIENCE CATIAでは、スライドユニットテンプレートを用いることで、適切な位置にスライドユニットを配置するだけで、メカニズムプレーヤーによる簡易動作シミュレーションが可能になります(図3)。

3DEXPERIENCEでのデータ管理

1.排他制御

図4 予約ユーザー以外の保存時メッセージ
図4 予約ユーザー以外の保存時メッセージ
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CADデータの編集権利を特定のユーザーに割り付けることで、他のユーザーから同ファイルへの編集・保存を防止する排他制御が可能になります。これにより、不用意なデータの保存による編集内容の喪失を防ぎ、作業のロスを未然に防ぐことができます。

特定のユーザーがデータを予約して開くと、その予約中のデータは他のユーザーが保存できないように制限できます。排他制御には、形状の変更をロックする「インスタンス」予約、アセンブリの位置関係などをロックする「リファレンス」予約があります。予約されたデータは、その予約をしたユーザーだけが保存することができます。データを予約していないユーザーが編集しても、保存時に予約されている旨のメッセージが表示されて保存はできません(図4)。

2.イテレーション(作業履歴管理)

図5 イテレーションの一覧
図5 イテレーションの一覧
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イテレーションは、回数を指定して保存状態を記録することで、いつでも過去の保存状態に復元できる機能です(図5)。

3Dパーツ、3Dシェイプ、図面などを保存したタイミングで、自動的にイテレーションが作成されます。

間違えた内容で編集を行って保存してしまった場合や、設計変更が発生した場合など、手戻りが必要なときにイテレーションを利用すると、すぐに過去の保存状態に戻すことができます。イテレーションは、単に一つ前に戻るのではなく、一覧から戻りたい保存状態を選択できます。

3.リビジョン(変更履歴管理)

図6 リビジョンの検索結果例
図6 リビジョンの検索結果例
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リビジョンは、データの変更履歴を管理する機能で、設計変更の段階ごとにデータを残すことができます。設計中に大きな仕様変更があった場合、リビジョンアップして改訂版を保存できます。

リビジョンを利用することで、過去の設計状態から別の派生モデルを作成することや、設計変更の際に過去のデータを流用することが可能になります。

リビジョンは、上書きされるのではなく、過去のリビジョンもデータとして保持されています。ファイル検索すると、過去のリビジョンも検索結果に表示され、データとしてアクセスすることができます(図6)。

おわりに

3回にわたり、「3DEXPERIENCE Platform CATIA」のモールド設計についてご紹介してきました。3DEXPERIENCE CATIAの詳細などにつきましては、担当営業までお問い合わせください。私たちは、製造業のお客さまを長年サポートしてきたノウハウを生かし、ものづくりのプロセス全体のお困り事に対し、PLMシステムを融合させた解決法をご提案します。

<開催済みセミナー視聴のご案内>

開催済みの第1回、第2回セミナーは下記より視聴できます。

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