人とシステム

季刊誌
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No.46 | トピックス
技術教育にE-Trainer「インジェクション金型の基礎」を採用

トヨタ自動車株式会社様 R&Dラーニングセンターでは、技術教育にE-Trainer「インジェクション金型の基礎」をカスタマイズして、開発設計技術者向けの初級教育にご利用いただいております。

R&Dラーニングセンター

トヨタ自動車株式会社 技術管理部 R&Dラーニング推進室 室長 西澤 誌朗 様
トヨタ自動車株式会社
技術管理部
R&Dラーニング推進室
室長 西澤 誌朗 様

2006年4月、技術教育を企画・運営することを目的に、R&Dラーニング推進室を発足しました。

もともと、OJTを中心に技術教育を行っていましたが、今は、オールトヨタとして拡大傾向にありますので、若い人が急増しています。このような状況からOffJTによる技術教育の必要性を感じ、昨年からR&Dラーニング推進室を立ち上げて技術教育を企画し、TTDC*1の協力のもと、「R&Dラーニングセンター」で教育を実施しています。オールトヨタの車両開発に携わる技術者の能力向上、高いトヨタの品質の維持・向上を課題としています。

講師は、トヨタのベテランエンジニアが担当していますが、定年退職後に講師をしている方もいます。ベテランエンジニアの講義は、経験からの深みがあります。

*1 トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)トヨタ自動車株式会社が100%出資し、トヨタ自動車と車両開発コンセプトや技術を共有しながら、パートナーとして最新の技術を用いてクルマの開発を行う。

初級教育カリキュラム

技術部門における開発設計技術者の教育内容は、各事業体で導入基礎教育やCAD教育を行った後に、それぞれの部門に共通するところをR&Dラーニングセンターで初級教育として実施しています。

約2ヶ月で、導入基礎、品質、材料・機械、部品表・図面、実務演習、最後に自分たちの位置づけ・役割は何かという心得を習得して卒業となります。

講義の様子
講義の様子

この中の自動車用材料(樹脂)は2日間の講習で、材料・型・設計について、図面とモノを使って設計の留意点などを習得します。この講習の教材として、NDESのE-Trainer「インジェクション金型の基礎」を使用しています。成形機の動きや、金型の挙動などがアニメーションでわかりやすく解説されていて、初級教育に役立っています。

世の中は、e-Learningやm-Learningに向っていますが、我々は、演習を取り入れてその場で身につけてほしいと考えており、このような体制で実施しています。

■導入基礎 ねじ締結
技術部内のルール・マナー、安全、機密管理 自動車用材料(銅板)
自動車用材料(樹脂)
技術部でよく使うトヨタ用語 合理的設計
技術系帳票類一覧 ■部品表・図面
技術文書・報告書の書き方 設計情報体系
原価 設計情報システムの使い方
知財権の重要性 製図・図学(初級)
法規・認証の大切さ ■実務演習
PLとワードマネージメント 搭載設計演習
実験・評価の概要 バンパー設計演習
■品質 カーエレクトロニクス・制御演習
トヨタの品質 ■心得
SQC教育 設計者の心得
DRBFM 実験技術者の心得
■材料・機械 CAE技術者の心得

初級教育カリキュラム

2006年は、TTDCの新人技術者と海外事業体の技術者を対象に、350名の教育を実施しました。

受講者の所属部署からは、「R&Dラーニングセンターの初級教育によって、業務を始める上で必要な技術・知識を習得することができて、スムーズに業務に取り組めるようになった。」と成果があがっています。

2007年からは、トヨタ本体の技術部門の新人技術者400人も対象に、約900名の教育を計画しています。

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