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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.46 お客様事例

CATIA V5で目指すのは自動設計と業務の効率化

株式会社酉島製作所様は、長年培ってきたポンプ設備の技術、経験、ノウハウをより高度化し、国内外の幅広い業界へポンプ事業を展開されています。このポンプ事業を軸として、風力発電などの「新エネルギー事業」、廃棄物をリサイクルする「環境事業」、メンテナンスを提供する「サービス事業」にも取り組んでいます。

今回は、21年前のCATIA導入後から現在の状況、CATIA V5での取り組みなどのお話を中心に生産本部 技術管理課 課長 河合隆様、猿渡哲郎様、村田達哉様、前田京子様にお伺いしました。

事業概要

当社は、1919年に大阪市此花区酉島町にポンプ専門製作工場として酉島製作所を創設したのが始まりです。1941年に現在地の大阪府高槻市宮田町に本社、工場を移転しました。創業以来、主力としてきたポンプ事業の他に、新エネルギー事業、環境事業、サービス事業を展開しており、高効率ポンプの開発・提供による省エネルギー化はもとより、環境との共存を重視し、自然エネルギーを利用した風力発電や小水力発電によるCO2削減、資源を再利用したバイオマス発電システムの開発・提供にも挑戦しています。

生産本部 技術管理課長 河合 隆 様
生産本部
技術管理課長
河合 隆 様

また、海外への展開ですが、いち早くグローバル化を意識し、既に30年程前から東南アジアを中心にポンプ場のプラントメーカとして進出してきました。香港、クエート、アブダビ等で大きな案件を受注し、海外オフィスの設立にも力を入れ、今では海外での実績も多くなっています。実際、官公需、民需(国内、海外)の比率が6:4から4:6に逆転し、海外需要が官公需を超えるようになりました。

今後は、中近東で都市開発が行われ、工業地帯が整備されつつあるので、それに伴ってライフラインの上下水道や海水の淡水化、地域冷暖房設備などのプラントで、当社のポンプが社会に深く貢献できればと考えています。

■ポンプの用途

水は人が生きていく上で欠かせないものです。そこで必ずポンプが必要になります。身近なところでは、水道の蛇口から出る水を供給するために浄水地から送水するポンプ、そして使った水を下水処理するためのポンプなど、かなり大きな設備になります。その他にも鉄鋼、機械、自動車、食品、薬品などあらゆる一般産業の生産やビルの冷暖房なども水との関わりがあります。それから治水、かんがいなどの公共施設、発電所、化学プラントなどにポンプは重要なコア部品として使われています。普段は人目に触れることはありませんが、人と水とをつなぐ重要な役割を果たしています。

21年前にCATIAを導入して

CATIAは1986年にVM汎用3D CADのCATIA V2を導入以来、V3、EWS版のV4を経て現在のCATIA V5に至るまで、21年間長きに渡って使用しています。導入前は、多くの案件に対応する為に、短期間での書類や図面の対応が困難になっていました。

そこで設計業務の効率化と工場サイドも含めた合理化を目的として導入したのが、その当時めずらしかったCATIAです。手描きで作図していた職場では画板が取り去られ、CAD端末での作図へと移行しました。導入当初は端末台数が少なく、再利用可能な資産もなく、ユーザは不慣れな操作で、効率化どころかストレスさえ感じていました。しかし数多くの図面が電子化され、自動作図プログラムも自社で次々に開発するようになると、なくてはならない存在となりました。一例としては、ポンプの注文を受けると生産管理システムに仕様データが入力され、それに従い毎日数十種類の2D図面が自動的に出図されるシステムがCATIA上で展開されました。このシステムにより、標準ポンプと呼ばれるもののほとんどが、わずかな人手で処理できることが実現しました。

生産本部 技術管理課 技師 猿渡 哲郎 様
生産本部
技術管理課
技師 猿渡 哲郎 様

その当時はホストコンピュータ専用の部屋があり、毎日手動で起動・停止を行うのが常でした。導入以来、CATIAのメンテナンスは少人数で行っています。利用頻度が高まり運用時間が長くなるにつれ、担当者の負担が増えたため、時間管理専用のパソコンでホストコンピュータを自動起動・停止、異常が発生すると警報を発し、担当者に電話連絡するという、当時としては画期的なシステムも導入し、利用者のニーズに対応することも行ってきました。

生産本部技術管理課技師 村田 達哉 様
生産本部
技術管理課
技師 村田 達哉 様

お客様へのサービスを向上するため、CATIAを全国展開したいという構想もありましたが、保守管理を各拠点で行うための人員配置が難しく、CATIAとしての展開は対応できる数拠点に留まりました。

現在は、2D CADではできない複雑な曲面を含む3Dモデリングや解析計算などをハイエンド3D CADであるCATIAで行っています。

設計の風景

CATIAに期待すること

■3次元データを提供

常に3次元CADの効果を意識して色々と取り組んできましたが、今までは2次元での作図が大半であり、3次元の利用は、ほんの数パーセントにしかすぎませんでした。しかし最近では、国内外を問わず3次元データが取引条件のひとつになりつつあります。面形状やソリッド形状を使用して製造したり、3次元データを使って製造前に鋳造の湯流れ解析が行われ、木型が製造されることもあります。

研究開発部門では、アウトソーシングを活用して、3次元データを利用した造型を行い、開発スピードを短縮化することを実現しました。従来、数ヶ月を要した試作が数日で可能になっています。

このように、これからの時代はますます3次元データが必要になると思います。

■解析するため

解析が必要になる形状はCATIAで3次元データを作ります。社内の研究開発部門で流体解析や構造解析を行い、その解析結果をもとに形状の検討をして、試作する対象を絞込んだり、設計基準の策定に活用しています。

今後は、解析したときの問題点を解明し、解析結果と実製品との性能の差異をいかに推測、究明するかが課題だと思います。そして、研究開発の効率を向上させ、コスト削減することが主流になります。

■自動設計と業務の効率化

去年の10月からポンプ部品の3次元形状を作成して、自動的に図面を作成する本格的なパラメトリック設計に取り組み始めました。3次元形状の自動変形は、初めての取り組みです。あらかじめ各寸法値にパラメータの入った3Dモデル及びそれに追従する2D図面を数型番用意しておき、ユーザが入力したデータに基づいて、スケール、形状が自動で変更するというものです。

この図面を従来の方法で作成するのに、製図とポンプの設計知識がある人で約15日間かかっていたのが、この自動設計では数分もあれば完了します。又3Dモデルからは質量も算出できます。設計者の図面作成時間を大幅に短縮し、瞬時に正確な質量が算出できる強力なシステムです。3次元データを自動生成することで、見積り、設計、製造と、一貫して利用できるシステム作りを目指しています。今後も、このような3次元自動設計システムを多数開発し、業務の効率に貢献していきたいと考えています。

生産本部 技術管理課 前田 京子 様
生産本部
技術管理課
前田 京子 様
CATIA画面 1 CATIA画面 2 CATIA画面 3
自動設計によるポンプ形状
CATIA画面 4 CATIA画面 5 CATIA画面 6
ポンプ形状

NDESに期待すること

これからは、3次元データが主力になることが多々あるので、NDESといろいろな情報交換をしながら、CATIAの位置付けや新しい流用方法を思案していこうと考えています。

また、まだCATIAを使いこなしていないと感じることがあるので、スキルアップを図るためにも知らない機能やテクニックを教えていただきたいと思っています。

そして、当社がNDESに一番期待しているところは、酉島としてCADというシステムを今後どういう形で展開していくか、ということにつながります。NDESは、旧HZS時代からCAD/CAMシステムを自社開発され、そのノウハウを持っていることに、当社としては魅力を感じています。これまでプログラムを作ってきて、CATIAに特化する部分でうまくいかず、メーカに調べてもらうと、最終的にスペックだと言われて断念したケースがありました。そういう点でも、CATIAにこだわらず、CADシステムの開発スキルがあるパートナーとしてNDESに期待しています。

おわりに

ポンプの説明をお伺いして、毎日の暮らしのライフラインに欠かせない設備だということを再認識しました。そして、排水、発電所などで使われる特殊なポンプでは、口径3,000mm以上になるものや、富士山の頂上まで水を上げることができるものもあるそうで、その大きさと性能に圧倒されました。

大変お忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

会社プロフィール

本社・工場
本社・工場
本社・工場〒569-8660 大阪府高槻市宮田町1丁目1番8号
創業1919年8月1日
設立1928年4月20日
資本金15億9,277万円(2004年4月現在)
売上高36,404百万円(2007年3月期)
従業員880名(2007年4月現在)
事業内容ポンプ(<公共部門>:上水道・工業用水道、下水道、農業、治水、港湾、IT・NET 技術、<産業部門>:エネルギー、化学・石油化学、地域開発・都市開発、その他一般産業)、新エネルギー、環境(水処理、資源リサイクル)、サービス
発電用超臨界圧ボイラ循環ポンプ(北海道電力株式会社 苫東厚真発電所:600MW)
発電用超臨界圧ボイラ循環ポンプ
(北海道電力株式会社 苫東厚真発電所:600MW)
口径1800φ農業排水用斜流ポンプ(農林水産省九州農政局嘉瀬排水機場)
口径1800φ農業排水用斜流ポンプ
(農林水産省九州農政局嘉瀬排水機場)
発電用循環水ポンプ(メキシコ・ペタカルコ発電所:350MW)
発電用循環水ポンプ
(メキシコ・ペタカルコ発電所:350MW)
口径1300φ軸斜流渦巻下水送水ポンプ(香港・S.S.D.S.ストーンカッター島主ポンプ場)
口径1300φ軸斜流渦巻下水送水ポンプ
(香港・S.S.D.S.ストーンカッター島主ポンプ場)
700MW級発電用バレル型ボイラ給水ポンプ(トルコ・エルビスタンB火力発電所:360MW、原動機:12,600kW)
700MW級発電用バレル型ボイラ給水ポンプ
(トルコ・エルビスタンB火力発電所:360MW、
原動機:12,600kW)

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