3次元船殻CAD(GRADE/HULL)および
PrimeShip-HULL(Rules)/CSRとのインターフェースの開発
開発本部 ソリューション開発統括部 船舶ソリューション開発部 部長 尾崎 雅 |
開発本部 システム開発統括部 エンジニアリングシステム開発部 第一船舶システム開発 下村 紀啓 第ニ船舶システム開発 北野 義信 |
共同研究の概要
「3次元船殻CAD(GRADE/HULL)およびPrimeShip-HULL(Rules)/CSR とのインターフェースの開発」は、日本海事協会、尾道造船、 神田造船所、佐伯重工業、内海造船、エクサ、 NTTデータエンジニアリングシステムズとの共同研究体制により実施するとともに、日本海事協会の「業界要望による共同研究」のスキームにより研究支援を受けて実施しました。
本共同研究は、2012年8月に第1回検討会より開発を開始し、2013年12月に製品版として承認されましたのでその概要を報告します。
日本海事協会がリリースしている「PrimeShip-HULL(Rules)/CSR Bulk Carrier」(以後PS-HULL)には、市販の3D-CADとデータ連携を実現するためにXML形式のファイルフォーマットが開発され一般に公開されています。
本共同研究では、PS-HULLとGRADE/HULLとの間で、部材形状と部材属性の受け渡しを達成するためのインターフェースプログラムの開発を行いました。
GRADE/HULLからPS-HULLへ渡すデータは、操作画面上でフレームの範囲を指定してXMLファイルを作成します。 指定された範囲で部材を切断し、形状・属性データをXMLスキーマで規定された表現に変換して出力します。
PS-CAD I/F for CSR Rulesでは、XMLファイルを読み込み、画面に表示してチェックし、必要に応じて修正・構造マッピングを行い、PS-HULLにてルール計算を実行します。
GRADE/HULLの上流化へ向けて
GRADE/HULLは、これまで設計の下流段階である生産設計で主に使用されてきました。しかし、造船業界の競争激化に伴い、設計スピード強化、建造コストの早期把握のために初期物量算出を含めた最適設計が上流設計段階で強く求められるようになりました。
上流の設計では、Key Planを作成し、その強度がルールを満足するかどうかを確認し、全体重量は最適か、さらにブロックの大きさや重量が工場設備に適合するかどうか等の確認をする必要があります。そこで、GRADE/HULLは上流の設計者にも使いやすいように機能を追加し、PS-HULLとの連携を取り、初期の繰り返し計算をはじめとする最適化設計支援ツールとしての使用を目指して、下記の開発を行っています。
- 上流用メニューの作成
GRADE/HULLコマンドメニューを再編し、上流で使用される頻度の高いコマンドを集めました。 - 上流用メニューのリボンバー化
コマンドの入力データを集約し、入力や修正が容易なダイアログの開発に着手しています。
今後、マクロを使用した属性の一括入力、一括変更機能や任意平面の変更やスイープ面の変更の簡便化等を開発していく予定です。
おわりに
本共同研究の成果であるインターフェースプログラムは、GRADE/HULLの標準モジュールとしてVer.14.04.0に組み込んでお客様へご提供いたします。
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