人とシステム

季刊誌
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No.100 | トピックス
4事業部のご紹介(3)
造船・橋梁ソリューション事業部

造船・橋梁ソリューション事業部では、造船、橋梁業界のお客さまが抱える課題を解決する包括的なソリューションを提案しています。

自社製品である3次元船殻CAD/CAMシステム「GRADE/HULL」、3次元配管設計システム「管ナビ」、生産検討支援システム「Beagle」、造船業向けERPシステム、PLMシステムを中心としたシステムのご提供をはじめ、造船生産設計や橋梁原寸処理、解析の受託サービスを展開し、お客さまの戦略的なIT情報の活用支援につなげています。

造船・橋梁ソリューション事業部長 髙岡 忠夫

PROFILE


1989年に日立造船情報システム株式会社(現NDES)グループに入社し、メインフレーム(大型汎用コンピューター)のシステム維持・管理、日立造船の基幹業務システム構築などに携わる。2007年以降はシステム開発部門の部長や統括部長を歴任し、2018年から造船事業長などを兼務し、現在に至る。コロナ禍以降、運動不足解消のため自宅近くのゴルフ練習場へマメに通うようになった。

事業部が取り組んでいる
ソリューションの紹介

現在の目標は、造船業の設計・製造現場にIoT、AIを活用したソリューションをご提案して、お客さまの生産性向上とコスト削減および品質向上に貢献することです。まず、その方向性として造船業におけるICTの活用を考えています。例えば、AIによる設計・建造の最適化、ロボット導入による自動加工、IoTによる情報統括とVR(Virtual Reality)による建造のシミュレーション、ドローンによる建造進捗監視などを構想しながら、ソリューションを開発していきます。

私たちの主力製品であるGRADE/HULLでは、設計作業の効率化に寄与できるように次世代バージョンを開発しています。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の刷新を主軸とした大幅な改善を行うことにより、熟練者、非熟練者に関わらず生産性の向上を図ります。その他、構造定義、工作定義の自動化やAIによる図面の自動化にも取り組んでいます。

また、設計受託サービスでも新たな価値をご提供します。艤装設計は2次元設計が多いため、私たちが積極的に3次元設計の受託を行い、配管と内部の板材との干渉を抑制できる効果をお客さまに確認していただくことで、3次元設計のご提案につなげていきます。また、船殻・艤装の設計を一括受託させていただき、お客さまのスケジュール管理の負担軽減を図ります。さらに、3次元設計の効果を体験いただくためGRADE/HULL利用権をセットにした設計受託などのご提供も検討していきます。

事業の全体概要

事業部の将来ビジョン

将来へ向けた取り組みとして、既存領域ではさまざまな展開を図っていこうと考えています。例えば、配管艤装設計の受託サービスについては、プラント向け配管設計も受託に加えることを検討しています。また、新領域への展開としては、ICTを活用したものづくりとして、溶接ロボットのインターフェースの開発も視野に入れています。

日本の造船業界は中国や韓国との競争で厳しい状況に置かれ、2020年以降はコロナウイルスによる景気悪化の影響も受けています。一方、国土交通省では、「海事生産性革命(i-Shipping)」の一環としてIoT、AIを活用した造船技術の研究開発を支援している他、民間においても造船会社同士で合弁会社を立ち上げ、共同受注した製造を各造船所に割り振ることで日本の競争力を強化する構想が進んでいます。このような中、私たちもi-Shippingの研究開発事業に参画させていただき、関係各社様と一緒に上流CADのCADデータをGRADE/HULLに連携させるインターフェースの実証を済ませており、さらに他のCADデータとGRADE/HULLとを連携させられるインターフェースの開発を検討しています。

次世代船殻CADシステムの開発

GRADE/HULLのGUIを刷新する「次世代船殻CAD」は非熟練者の設計業務習得を短期間化し、熟練者と同様に高い生産性を出せるようになります。次世代船殻CADは、GRADE/HULLのオプションとして提供し、2021年秋にベータ版をリリース、2022年3月には正式出荷を予定しています。構造定義、工作定義時間の25%削減を目指し、開発しています。

作業フローモデルの変革
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