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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.69 システム紹介

岩手大学における金型技術の研究教育 
金型技術研究センターと産学官連携[その2]

岩手大学工学研究科金型・鋳造工学専攻について

2006年度に、岩手大学の工学研究科の修士課程として、金型・鋳造工学専攻が、定員10名のコースとして設置されました。この専攻の特徴は、金型と鋳造に特化した高度技術者を育成する「教育」に重点を置いた大学院になります。

また、実務的な基礎を身につけるために、通常の大学院ではめずらしい多くの実習科目と、経営的素養も必要との観点から、MOT関連の科目も設けられております。

大学院の特徴として、以下があります。

  • 産学官連携による人材育成~高度技術の開発と継承・生産現場におけるマネジメント、経営スキルなど、産学官が連携して、地元産業界をリードする人材を育成します。
  • 長期インターンシップ~企業において6カ月にわたる長期インターンシップを実施。その期間、教員が訪問して進捗状況の確認を行い、修士論文を作成します。
  • 産業界のニーズに合ったカリキュラム~金型と鋳造それぞれの基礎と原理をおさえ、かつ実践的なカリキュラムを準備。また、社会人入学者に配慮した時間割を用意します。
  • 社会人の積極的受入れ~大学の既卒者だけではなく、工業高等専門学校や工業高校等の卒業者で、企業で相応の実績のある人も入学可能です。
  • テーラーメイド教育~社会人入学者には時間的、距離的制約があるので、それを加味した学生一人ひとりに適した柔軟なカリキュラムを準備。また、計画的に教育課程を履修する長期履修制度もあります。
  • 実務経験者を教員に~企業での実務経験者を教員に招き、高度な実際的な技術と理論をダイレクトに指導します。
専攻の目指す人材
専攻の目指す人材
金型・鋳造工学専攻学生募集のポスター
金型・鋳造工学専攻学生募集のポスター

金型コースにおける金型製作実習とCAEの事例
(INTERMOLD学生金型グランプリへの出展)

INTERMOLD出展のポスター(プレス班)
INTERMOLD出展のポスター(プレス班)

本専攻の金型コースでは、金型設計製作の実務を学ぶために、金型設計実習、金型製作実習などの実習科目があり、その実習の一貫として、毎年4月に開催される展示会INTERMOLDにおいて開催される「学生金型グランプリ」へ参加してきました。

これは、課程の大学院生が4人くらいのグループに分れ、プレス部品とプラスチック部品の課題に対応した金型を実際に設計し、部品の試作を行って、金型と部品を出展するものです。金型設計のために、3DCADだけではなく、CAEも活用し、プレス金型用としてSimufact.forming、プラスチック金型用として3DTIMONを使っています。

2012年度に出展したポスター(プレス班のみ)を紹介します。このポスターにあるように、課題の製品に対し、CAEで金型の構想を検証し、それをもとに、金型設計、加工、組立、試し打ち・調整という流れで作業を進めていくことになります。

このときのプレスの課題はカップ状の絞り形状の側面にバルジ(アンダーカットになるふくらみ)をつけるもので、このバルジ形状をどのようにつくるかが、決め手になると思われます。そこで、ウレタンゴムをカップの内側に置き、パンチで押込むことでバルジ形状を創ることを考案し、Simufact.formingで解析を行い、その実現性を見いだすことができました。金型を使った実際のプレス成形でも解析どおりの結果が得られ、大学院生にとって、CAEの有用性を体感することができたと思います。

岩手マイスター事業

2007年度の文部科学省の科学技術振興調整費「地域再生人材創出拠点の形成」に、岩手大学が採択され、「21世紀型ものづくり人材岩手マイスター育成」を実施してきました。

本事業は、大学が有する個性・特色を活かし、将来的な地域産業の活性化や地域の社会ニーズの解決に向け、地元で活躍し、地域の活性化に貢献しうる人材の育成のため、地域の大学と自治体との連携により、科学技術を活用して地域に貢献する優秀な人材を輩出する「地域の知の拠点」を形成し、地方分散型の多様な人材を創出するシステムを構築することを目的としています。

本事業の活動は、学部向け、大学院向け、社会人向けのものがあります。金型・鋳造工学専攻および、大学院の複合デバイス関連の科目を、短期講習コース、長期講習コースとして社会人向けに開講し、所定のユニット数(150ユニット以上)を受講し、5年程度実務経験があれば岩手マイスターの認定試験を受けることができます。それに合格すれば「岩手マイスター」の称号が授与されます。

おわりに

岩手大学工学研究科における「金型・鋳造工学専攻」および「岩手マイスター」事業ともに、社会人の参加を前提に開設され、これまでの多くの社会人が、地域のみならず、遠方からも受講に来ていただいています。
これも、これまで経験と勘でやってきたものづくりに、学術的なアプローチが必要との認識が強くなってきたためだと思います。

そのような背景から、ますますCAEの活用が重要になってくると思いますし、本専攻においてもCAEを研究教育に取入れることで、使いこなすことができる有用な人材を輩出し、ものづくりに貢献できるようにと考えています。

組織のプロフィール

研究所の場所
研究所の場所
(クリックすると拡大画像が表示されます)
所在地 〒020-8551 岩手県盛岡市上田4-3-5

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