NTT DATA — Trusted Global Innovator

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.83 システム紹介

Simufactプロダクトにおける
新機能のご紹介

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
技術開発本部 エンジニアリングシステム統括部
第二技術サービス部 第一CAEサービス課 廣川 啓

はじめに

本項では、Simufact Engineering社が開発し、NDESが販売・サポートを担う、メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム「Simufact.forming」と、溶接シミュレーションシステム「Simufact.welding」の新機能紹介、およびSimufactプロダクトが提唱している「プロセスチェーン」の概要をご紹介いたします。

Simufact.formingの新機能紹介

Simufact.formingは、現在、最新バージョン13.3.1をお客さまにご提供しています。バージョン13.3.1は、バージョン12から新たに追加した「カシメ/ジョイント」モジュールにおいて機能強化を図りました。その他にも、摩擦圧接、抵抗溶接が扱える「圧接」モジュールを追加しています(図1)。

「カシメ/ジョイント」モジュールは、セルフピアシングリベット(SPR)、クリンチングなどのメカニカルジョイニング(機械的接合)を扱うことができます(図2)。

メカニカルジョイニングの接合性の評価には、インターロック、出代、下板最小肉厚部の寸法および成形荷重の把握が重要になります。バージョン13.3.1 は、特にSPR について、これらを自動で測定する機能を備えているため、極めて容易に接合性を評価することができます。これにより、リベット形状、板厚、金型形状などといった接合条件が接合性に及ぼす影響について、より早く確実な評価を行うことができます(図3)。

(写真)
図1 バージョン13.3.1 アプリケーションモジュール
(クリックすると拡大画像が表示されます)
(写真)
図2 左:セルフピアシングリベット(SPR)/右:クリンチング
(クリックすると拡大画像が表示されます)
(写真)
図3 SPRの主要寸法・成形荷重の自動測定機能
(クリックすると拡大画像が表示されます)

「圧接」モジュールは、摩擦圧接を扱えます。摩擦圧接とは、高速回転させた部材に固定部材を押し付けたときに、接触面に発生する摩擦熱を利用して接合する方法です。Simufact.formingは、摩擦圧接を2次元モデルとして計算できるのが特長です。これにより、圧接条件が接合部における材料の流れ(バリの形状)や発熱に及ぼす影響について、短い計算時間で評価を行うことができます(図4)。

(写真)
図4 摩擦圧接のシミュレーション
(クリックすると拡大画像が表示されます)

さらに、「圧接」モジュールは抵抗溶接も扱えます。抵抗溶接とは、ジュール発熱を使うことで接触面を溶融させて接合する方法です。電流値、材料の電気抵抗率(電気伝導率)、接触面における電気伝導率、電極の加圧条件などを設定することで、発熱や加圧による変形を計算・解析できます。

※「カシメ/ジョイント」モジュールおよび「圧接」モジュールはオプションです。

Simufact.weldingの新機能紹介

Simufact.weldingは、現在、最新バージョン5.0.1をお客さまにご提供しています。バージョン5.0.1は、「スポット溶接」モジュールを新たに追加しています(図5)。

「スポット溶接」モジュールは、スポット溶接ガンの動作として、CタイプおよびXタイプを定義できます。また、ISO 5821に準拠した電極形状をあらかじめ用意しています。そのため、事前に電極形状を用意することなく、モデリングが可能です。もちろんユーザーが作成した電極形状も使用できます(図6)。

※「スポット溶接」モジュールは、オプションです。

(写真)
図5 スポット溶接
(クリックすると拡大画像が表示されます)
(写真)
図6 スポット溶接ガンの動作および電極形状
(クリックすると拡大画像が表示されます)

プロセスチェーン

(写真)
図7 プロセスチェーンの事例
(クリックすると拡大画像が表示されます)

Simufact.formingおよびSimufact.weldingは、データの互換性を持っています。この2つのプロダクトを連携させることにより、「溶接後の塑性加工」「塑性加工品の溶接」というような「プロセスチェーンのシミュレーション」を可能にします。

例として、自動車のクラッシュボックスの製作におけるプロセスチェーンの考えをご説明します(図7)。この製品は、ボックス部および支持部で構成されています。ボックス部は、ロールフォーミングにより成形した2つの部品を溶接によって接合しています。支持部は、板材の絞り成形にて製作しています。それぞれ"プロセスヒストリー"を持った2つの部品を、最終的に溶接にて接合しています。これは、実際の製造現場で行われている工程を忠実にシミュレーションしていることになります。

このように、Simufactプロダクトを連携させて、原材料からの製造工程を連続的にシミュレーションすることで、最終製品の特性をより正確に予測するというのが、Simufactのプロセスチェーンの考え方です。

おわりに

Simufactプロダクトの開発では、新機能を追加する以外に、既存機能の安定性、精度および正確度の向上にも取り組んでいます。今後のバージョンアップにご期待ください。

また、本項で紹介したモジュールのオプションとなる「カシメ/ジョイント」「圧接」および「スポット溶接」につきましては、担当営業までお気軽にお問い合わせください。

― この記事に関連するソリューション ―