BOM管理のご紹介
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ ビジネスインテグレーション事業本部 ソリューション企画室 PLMソリューション部 第一営業課 橋本 拓巳 |
はじめに
本誌前号(No.82)では、3DCADデータの効果的な運用について、「CATIA V5 ENOVIA V6バンドルパッケージ(ASO3X-JP)」を用いたレイアウト設計業務から設計業務までの流れ、およびシステム構成/要件をご紹介しました。
今回は、BOM(部品表)の管理、さらにBOM管理に役立つダッソー・システムズ株式会社の次世代製品である「3DEXPERIENCE Platform ENOVIA V6(Project and Product Engineer:PPKX) 」についてご紹介します。
BOMの必要性について(E-BOM)

E-BOM(Engineering BOM:設計部品表)は、主に設計部門が活用し、ものづくりに必要な製品の全情報が網羅されている部品表です(図1)。
E-BOMは、構成要素となる各部品に関係するCADデータや技術仕様を関連付けて管理する必要があります。その他の部品表には、製造部門が活用するM-BOM(Manufacturing BOM:製造部品表)や営業部門が活用するS-BOM(Sales BOM:販売部品表)などがあります。
ENOVIAとは

ENOVIAはPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)ソフトウエアです。
PDM(プロダクト・データ・マネジメント)の機能も内包しており、CADデータの管理以外にE-BOMデータ管理やプロジェクト管理などさまざまな機能を利用できます(図2)。
ここでは、E-BOMの管理機能についてご紹介します。E-BOMには、主に以下の管理機能が必要です。
・部品表の作成
・部品表構成の正展開/逆展開
・CADデータとの相互連携
・購買システムとの連携
◆部品表の作成
ENOVIA のWeb画面上から部品の属性や階層を定義して部品表を作成します(図3)。
また、Excelで作成された部品表を取り込んで、ENOVIAのE-BOMとして作成できます(図4)。
◆部品表の正展開/逆展開
部品表は階層構造で管理しており、製品を構成する全部品を含んでいます。その部品表を展開する機能として正展開と逆展開を備えています(図5)。
正展開は、製品(または上位部品)を構成する部品を確認することができ、その上、膨大な部品の中でも必要な箇所だけを展開することができます(図6)。
逆展開では、どの部品がどの製品(または上位部品)に使われているかを確認できます(図7)。
◆CADデータとの相互連携
CADデータとE-BOMデータは相互に同期することができます。CADデータを取り込み部品表への展開が可能です。また、その逆にE-BOMのデータからCADアセンブリを作成することもできます(図8)。
◆購買部門との連携
E-BOMで構成される部品を取引先から購入する場合も多くあります。そうすると、E-BOM管理システムと購買システムの連携は非常に重要ですが、それぞれ別システムを使っていると、二重入力によるミスや入力漏れが発生します。そこで、ENOVIAと購買システムを連携させることで、設計部門は購買システムを意識することなくENOVIAから購買や状況確認を行うことが可能です。その結果、システムへの二重入力やミスがなくなり、業務効率の向上につながります(図9)。
おわりに
NDESは、PLMシステムだけでなく、ERPシステム(エンタープライズ・リソース・プランニング)であるProject-Spaceの販売・構築も行っています。このたび、ご紹介しましたENOVIAとの連携などのカスタマイズのご提案もいたしますので、ぜひNDES担当営業までお問い合わせください。
◆NDESウェブサイト(Project-Space製品紹介)
次回は、3DEXPERIENCE Platformでのプロジェクト管理を中心にご紹介する予定です。
関連するソリューション
関連するソリューションの記事
- 2021年07月10日
-
4事業部のご紹介(2)
製造ソリューション事業部
- 2019年01月01日
-
CAD/CAMシステムオンラインサポートサイト
e-support リニューアル公開のお知らせ
- 2017年01月01日
-
3DEXPERIENCE Platform ENOVIA V6による
プロジェクト管理のご紹介
- 2016年07月01日
-
CATIA V5 ENOVIA V6
バンドルパッケージ(ASO3X-JP)のご紹介
- 2014年10月01日
-
トータルソリューションのご提案(1)
STLの活用例
- 2009年10月01日
-
導入支援レポート(第2回)
「経験」に基づいた導入支援における金型テンプレート構築方法
- 2009年07月01日
-
導入支援レポート(第1回)
「経験」に基づいた導入支援の進め方
- 2008年07月01日
-
PLM技術レポート(第7回)
CATIA V5を使用した設計業務におけるカスタマイズ事例
- 2006年01月01日
-
PLMレポート(第4回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
- 2005年10月01日
-
PLMレポート(第3回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
- 2005年07月01日
-
PLMレポート (第2回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
- 2005年04月01日
-
PLMレポート(第1回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
- 2002年10月01日
- PLMソリューション CATIA V5のご紹介