人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.84 | システム紹介
3DEXPERIENCE Platform ENOVIA V6による
プロジェクト管理のご紹介
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
技術開発本部 エンジニアリングシステム統括部
第一システム開発部
第三PLMシステム課 松尾 千紘

はじめに

本誌前号(No.83)では、E-BOMについてご紹介しました。その内容は、ダッソー・システムズ株式会社(以下DS社)の次世代製品である「3DEXPERIENCE Platform ENOVIA V6(Project and Product Engineer:PPKX)」のE-BOMデータ管理機能を用いた部品表の作成、部品表構成の正展開/逆展開、CADデータとの相互連携、および購買システムへの連携についてでした。

今回は、プロジェクト管理の必要性、およびプロジェクト管理に役立つDS社のProject Management機能についてご紹介します。

プロジェクト管理の必要性について

(写真)
図1 プロジェクト管理の流れ

プロジェクトとは、設定された目標を達成するため、関連する特定の作業やタスクを実行していく業務のことです。コスト・リソース・スケジュールなどのバランスをとりつつ、プロジェクト全体を管理していく必要があります(図1)。

(写真)
図2 プロジェクト管理の構造

プロジェクト管理で重要なことは、プロジェクトにおけるタスクを細かく分割し、階層構造などで管理するWBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)を作成することです(図2)。

これにより、作業全体や各作業の関連の把握がしやすくなり、進捗管理や計画調整の精度向上を狙えます。プロジェクトの綿密な計画と管理によって、リスクを予測し、どう対処するかが重要な鍵になります。

ENOVIA Project Managementについて

(写真)
図3 ENOVIA Project Management

ENOVIAのプロジェクト管理機能である「Project Management」についてご紹介します(図3)。ENOVIAについては、本誌前号(No.83)をご参照ください。

Project Managementでは、下記のような手順でプロジェクト管理を行います。

・プロジェクトの作成・登録
・プロジェクトの実績投入・成果物管理
・プロジェクトのステータス監視・評価
・プロジェクトの修正・スケジュールの調整

1.プロジェクトの作成・登録

プロジェクト登録画面から属性を定義して、プロジェクトを作成します。テンプレートとして、社内標準となるプロジェクトを登録し、利用できます(図4)。その後、改善が必要な場合はテンプレートを変更することで、全てのユーザーに最新のテンプレートを共有できます。

タスクでは、個々に担当者・期間・タスク間の依存関係などを設定します。その依存関係の設定により、ガントチャートでスケジュール全体の最長経路であるクリティカルパスを確認できます(図5)。

(写真)
図4 プロジェクトの作成・登録
(クリックすると拡大画像が表示されます)
(写真)
図5 ガントチャート(計画)
(クリックすると拡大画像が表示されます)

2.プロジェクトの実績投入・成果物管理

プロジェクトの実績を入力することにより、ガントチャートで予実績を比較し、進捗状況を確認できます(図6)。

(写真)
図6 ガントチャート(計画と実績)
(クリックすると拡大画像が表示されます)

また、作成した成果物や関連する資料をタスクごとにひも付けて登録し、プロジェクト全体で一元管理できます(図7)。

(写真)
図7 成果物・関連資料の一覧表示
(クリックすると拡大画像が表示されます)

3.プロジェクトのステータス監視・評価

プロジェクトのステータスを監視・評価します。ENOVIAには、プロジェクトごとの進捗状況やリスク、品質、 問題、承認、評価などの情報をグラフィカルに表示するダッシュボード機能があります(図8)。

(写真)
図8 ビジネスステータス(上)/スケジュールステータス(下)
(クリックすると拡大画像が表示されます)

4.プロジェクトの修正・スケジュールの調整

評価内容を基に、プロジェクトの修正・スケジュール調整を行います。タスクの修正を行うと、依存関係に基づき自動的に調整され、併せてクリティカルパスも変化します。

また、進行中プロジェクトのコピーを作成し、オリジナルと比較しながら計画修正のシミュレーションを行えます。その修正箇所はオリジナルに反映できます(図9)。

(写真)
図9 プロジェクトの修正・スケジュールの調整
(クリックすると拡大画像が表示されます)

おわりに

NDESは、ものづくりのプロセス全体におけるお困り事に対し、PLMシステムを融合させた課題解決法をご提案します。ぜひお問い合わせください。

次回は、3DEXPERIENCE PlatformとNDES製品のERPパッケージであるProject-Spaceを連携させた「受注設計製造プロセス統合ソリューション」をご紹介する予定です。

関連するソリューション

関連するソリューションの記事

2021年07月10日
4事業部のご紹介(2)
製造ソリューション事業部
2019年01月01日
CAD/CAMシステムオンラインサポートサイト
e-support リニューアル公開のお知らせ
2016年10月01日
3DEXPERIENCE Platform ENOVIA V6による
BOM管理のご紹介
2016年07月01日
CATIA V5 ENOVIA V6
バンドルパッケージ(ASO3X-JP)のご紹介
2014年10月01日
トータルソリューションのご提案(1)
STLの活用例
2009年10月01日
導入支援レポート(第2回)
「経験」に基づいた導入支援における金型テンプレート構築方法
2009年07月01日
導入支援レポート(第1回)
「経験」に基づいた導入支援の進め方
2008年07月01日
PLM技術レポート(第7回)
CATIA V5を使用した設計業務におけるカスタマイズ事例
2008年01月01日
PLM技術レポート(第6回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(3次元加工テンプレート)」
2007年10月01日
PLM技術レポート(第5回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(マクロによる自動化)」
2007年07月01日
PLM技術レポート(第4回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(マクロによる自動化)」
2007年04月01日
PLM技術レポート(第3回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(穴あけの自動化)」
2007年01月01日
PLM 技術レポート(第2回)
「金型要件におけるSpace-E V5、CATIA V5の運用事例のご紹介」
2006年10月01日
PLM 技術レポート(第1回)
「金型要件におけるSpace-E V5、CATIA V5の運用事例のご紹介」
2006年01月01日
PLMレポート(第4回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年10月01日
PLMレポート(第3回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年07月01日
PLMレポート (第2回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年04月01日
PLMレポート(第1回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2002年10月01日
PLMソリューション CATIA V5のご紹介