プロジェクト管理のご紹介
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ 技術開発本部 エンジニアリングシステム統括部 第一システム開発部 第三PLMシステム課 松尾 千紘 |
はじめに
本誌前号(No.83)では、E-BOMについてご紹介しました。その内容は、ダッソー・システムズ株式会社(以下DS社)の次世代製品である「3DEXPERIENCE Platform ENOVIA V6(Project and Product Engineer:PPKX)」のE-BOMデータ管理機能を用いた部品表の作成、部品表構成の正展開/逆展開、CADデータとの相互連携、および購買システムへの連携についてでした。
今回は、プロジェクト管理の必要性、およびプロジェクト管理に役立つDS社のProject Management機能についてご紹介します。
プロジェクト管理の必要性について

プロジェクトとは、設定された目標を達成するため、関連する特定の作業やタスクを実行していく業務のことです。コスト・リソース・スケジュールなどのバランスをとりつつ、プロジェクト全体を管理していく必要があります(図1)。

プロジェクト管理で重要なことは、プロジェクトにおけるタスクを細かく分割し、階層構造などで管理するWBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)を作成することです(図2)。
これにより、作業全体や各作業の関連の把握がしやすくなり、進捗管理や計画調整の精度向上を狙えます。プロジェクトの綿密な計画と管理によって、リスクを予測し、どう対処するかが重要な鍵になります。
ENOVIA Project Managementについて

ENOVIAのプロジェクト管理機能である「Project Management」についてご紹介します(図3)。ENOVIAについては、本誌前号(No.83)をご参照ください。
Project Managementでは、下記のような手順でプロジェクト管理を行います。
・プロジェクトの作成・登録
・プロジェクトの実績投入・成果物管理
・プロジェクトのステータス監視・評価
・プロジェクトの修正・スケジュールの調整
1.プロジェクトの作成・登録
プロジェクト登録画面から属性を定義して、プロジェクトを作成します。テンプレートとして、社内標準となるプロジェクトを登録し、利用できます(図4)。その後、改善が必要な場合はテンプレートを変更することで、全てのユーザーに最新のテンプレートを共有できます。
タスクでは、個々に担当者・期間・タスク間の依存関係などを設定します。その依存関係の設定により、ガントチャートでスケジュール全体の最長経路であるクリティカルパスを確認できます(図5)。
2.プロジェクトの実績投入・成果物管理
プロジェクトの実績を入力することにより、ガントチャートで予実績を比較し、進捗状況を確認できます(図6)。

(クリックすると拡大画像が表示されます)
また、作成した成果物や関連する資料をタスクごとにひも付けて登録し、プロジェクト全体で一元管理できます(図7)。

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3.プロジェクトのステータス監視・評価
プロジェクトのステータスを監視・評価します。ENOVIAには、プロジェクトごとの進捗状況やリスク、品質、 問題、承認、評価などの情報をグラフィカルに表示するダッシュボード機能があります(図8)。

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4.プロジェクトの修正・スケジュールの調整
評価内容を基に、プロジェクトの修正・スケジュール調整を行います。タスクの修正を行うと、依存関係に基づき自動的に調整され、併せてクリティカルパスも変化します。
また、進行中プロジェクトのコピーを作成し、オリジナルと比較しながら計画修正のシミュレーションを行えます。その修正箇所はオリジナルに反映できます(図9)。

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おわりに
NDESは、ものづくりのプロセス全体におけるお困り事に対し、PLMシステムを融合させた課題解決法をご提案します。ぜひお問い合わせください。
次回は、3DEXPERIENCE PlatformとNDES製品のERPパッケージであるProject-Spaceを連携させた「受注設計製造プロセス統合ソリューション」をご紹介する予定です。
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