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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.32 システム紹介

Space-E CAA V5 Based R12 新機能のご紹介

システム開発部
CAD グループマネージャー 杉原 隆夫
CAM グループマネージャー 小日向 章
MOLD グループマネージャー 東 和久

はじめに

Space-E CAA V5 Based(以下Space-E V5)は、CATIA V5の優れたフレームワークを、金型の設計・製造に適応させるため、各設計プロセスを分析しながら、HZSとダッソーシステムズ社が共同で開発を進めている次世代商品です。

本稿では、2004年1月にリリースするSpace-E V5 R12での改良項目を、コンポーネントごとに紹介します。

Space-E V5 CCD R12 新機能のご紹介

Space-E V5 CCDは"コア・キャビ設計"の効率化のために開発されたコンポーネントで、CCD R12では以下の改良が行われています。

【キャビ・コア分割支援機能】

キャビ・コア設計では、成形品の抜き勾配の確認は大切な作業です。

また、勾配角度は、システムによるキャビ・コア分割の判断基準にもなるため、設計の初期段階で抜き勾配を適切に付加しておくことは、設計プロセスを円滑に進めるうえでも大切です。R12で追加された勾配面の抽出機能は、指定した角度の勾配面を高速に色分け表示することが可能にし、これによって、勾配角度の誤り検出がとても容易になります。(図1)

さらに、分割したキャビ・コアを、抜き方向に沿って上下に開くことによって、分割の妥当性検証ができるようになりました。

通常、穴やボス・リブなど、小さな部品が混みあった内部組み付け部品の分割はとても厄介な作業ですが、実際にキャビ・コアを開閉することによって、設計者が型開きをイメージしやすくなり、同時に分割ミスの発見がとても容易になります。(図2)

画面例
図1 コア・キャビ分割(勾配チェック)
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
画面例
図2 コア・キャビ分割(キャビコア展開)
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【パーティング設計支援機能】

■パーティング面定義機能

キャビ・コア分割機能によって分類されたシートボディから、基本的なPL曲線を抽出し、さらに、それを基準平面に対して水平に押出すことによってパーティング面を自動生成します。(図3)
この機能によって、おおよそのパーティング面を簡単に定義し、さらに、標準のサーフェイス機能を組み合せながら、細部の形状を定義していただくことができます。

画面例
図3 パーティング面作成機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■スイープ面"捩れ部の削除"機能

パーティング面の形状は、PL曲線に対して垂直に押出すルールド面で定義するのが一般的ですが、PL曲線の曲率や押出し方向によっては、パーティング面が捩れてしまうことがあります。
こうした捩れの回避は、設計者のノウハウに依存する作業ですが、R12では捩れ部分が取り除かれた複数のルールド面を作成することによって、複雑なパーティング面のモデリングを支援します。(図4)

画面例
図4 スイープ面の"捩れ除去"
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■トリム反転

トリム反転機能は、サーフェイスのトリム境界の反対側形状を再生します。
この機能によって、成型品の穴部分のパーティング面(擦合せ面)を簡単に定義することが可能になります。(図5)

画面例
図5 トリム反転機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■3Dカーブオフセット

パーティング面と逃がし部の境界を定義する作業を想定して、3次元プロファイルのオフセット機能を追加しました。この機能によって、水平方向に張り出されたパーティング面に沿って一定距離分だけオフセットした曲線群を簡単に定義することが可能になります。(図6)

画面例
図6 3Dオフセット機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

Space-E V5 CAM R12 新機能のご紹介

Space-E V5 CAM Standalone / Space-E V5 CAM Add-on のR12では、CATIA V5標準機能に加え、次のようなSpace-E V5 CAM専用機能が追加されています。

【加工経路作成機能】

等高線荒取り機能と自由経路作成機能が追加されています。

■等高線荒取り機能

標準機能の等高線荒取り機能ではサポートされない、凸形状向き加工パターンに対応した機能です。加工対象の形状により標準機能との使い分けもできます。(図7)

画面例
図7 等高線荒取り機能パラメータ設定画面例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■自由経路作成機能

ワイヤーフレーム要素を加工経路にすることができます。部分加工用の経路などをマニュアル作成する際の支援機能となります。
また、リブ溝の加工を意識した、経路のZ方向へのコピー機能もサポートされています。(図8)

画面例
図8 自由経路機能パラメータ設定画面例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【経路編集機能】

標準の経路編集機能に加えて、Space-E/CAMで実現されていた、加工特性を意識した機能や特定作業に適した機能が追加されています。

■トリム

区間選択による経路トリムや平面と数値指定のトリムができます。

経路分割

加工時間、加工距離で経路を分割する機能です。経路のピック部など加工データとして適切な位置で分割が行われます。またプレビュー機能により、分割後の経路数や分割位置の確認ができます。(図9)

■反転・逆転

ダウンカット保持を考慮した反転ができます。

■端部延長

走査線加工用の機能です。

■最適化

回避調整、空転部編集ができます。

画面例
図9 経路分割編集操作画面例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【ポストプロセッサー】

CATIA標準のポストプロセッサー操作とは別に、ポストプロセッサーの操作内容を履歴として残せる機能が追加されています。(図10)

画面例
図10 ポストプロセッサー設定画面例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【加工データ作成支援機能】

加工経路作成機能以外に、テンプレートベースでカスタマイズできる加工指示書出力機能、経路移動情報のCAD要素化機能などが追加されています。(図11)

画面例
図11 加工指示書出力機能設定画面例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

Space-E V5 Mold Design R12 新機能のご紹介

Space-E V5 Mold Designは"金型構造設計"の効率化のために開発されたコンポーネントです。Mold Design R12では部品や穴を効率的に作成するためのカタログや機能、そして、作成した穴情報をCAM側に送るための連動機能が追加されています。その概要を以下に説明します。

【モールドベースカタログの改善】

Mold Designは標準モールドベースの仕様にこだわったカタログを目指しており、双葉電子工業株式会社のモールドベースが部品を付属させた形で登録されています。R12では、締め付けボルトの本数の切り替えや、基準面のマーキングなどの様々な内容が追加され、これまで以上に標準モールドベースを手軽に使用できるようなカタログに仕上げられています。(図12)

画面例
図12 フタバのモールドベース

【インテリジェント機能】

これまでMold Designでは、モールドベースカタログやCatalogWindowにより部品などのコンテンツの充実化を図ってきましたが、R12では部品や穴を効率的に作成するためのインテリジェント機能が追加されています。

■ボルト作成機能

ユーザが指示したプレートまでの距離とユーザが設定した勘合長さを基に、システムが適切な長さの六角穴付きボルトをカタログの中から選択し作成してくれる機能です。ユーザが設定ファイル内に勘合長さや穴クリアランスに関する社内のルールを書き込んでおけば、社内標準どおりの六角穴付きボルトの作成を行うこともできます。(図13)

画面例
図13 ボルト作成機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■ストレートエジェクタピン作成機能

ボルト作成機能と同じく、コア面までの長さに基づいて自動的に適切な長さのストレートエジェクタピンをカタログの中から選んで作成します。穴の仕様も設定ファイルによって社内標準化ができます。

■段付きエジェクタピン作成機能

段付きエジェクタピン作成機能では、ストレートエジェクタピン作成機能に加え、段までの長さの決定をシステムが支援し、作成します。

■回り止め穴作成機能

ストレート・段付きの両エジェクタピンのツバの部分に回り止め穴を作成します。作成する際に複数のエジェクタピンを選択すれば、同じサイズの回り止め穴を一度に作成することができます。(図14)

■縦穴作成機能

金型設計では温調の縦穴はコア面からの一定距離を取るように長さが決められることがよくあります。縦穴作成機能ではコア面からのオフセットで長さを指定して、縦穴作成を行うことができます。

画面例
図14 回り止め穴作成機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【CAM穴連動機能】

Mold Design上で作成した3次元金型モデルから穴情報を利用することで、PMG(プリズマティック マシニング)上で簡単に穴あけを行うことができます。PMG上でユーザがあらかじめ工具カタログや機械加工プロセスを設定しておけば、ほとんど自動で穴加工パスまでを作成することもできます。

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