人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.47 | システム紹介
メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム
Simufact.forming 8.0のご紹介
EIT 統括部 設計製造システム開発部
営業技術・品質管理グループ
成田 忍

はじめに

MSC.SuperForgeは、3次元鍛造シミュレーションシステムとして2000年にリリースされて以来、ご好評をいただいております。この度、開発元であったMSC. Software社(米)によるメタルフォーミング領域のビジネスが、FEMUTEC Engineering Gmbh社(独)(以下、FEMUTEC 社)へ移管されました。これにより、MSC.SuperForgeは、メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステムSimufact.formingとしてリニューアルしました。

この移管に伴い、2007年5月末にNDESはFEMUTEC社と日本におけるSimufact製品の取り扱い関する契約を締結しました。

写真1 FEMUTEC社とNDESの調印式
写真1 FEMUTEC社とNDESの調印式
(前列左から、FEMUTEC社 CTO Dr. HendrikSchafstall、NDES取締役 木下、NDES副社長 渡辺、
FEMUTEC社 CEO Mr. Michael Wohlmuth、NDES EIT技術部長 東)

FEMUTEC社は、メタルフォーミングに特化したソフトウェアの開発、販売およびサポートを一貫して行っており、ドイツ国内および周辺国で多くの実績を持っています。また、CAEの世界的なマーケットリーダーであるMSC.Software社は、Marcおよび、Dytranのソルバー技術を通じて、引き続きシミュレーションのコアテクノロジー部分を担います。

図1に、Simufact.formingのコンセプトを示します。

図1 Simufact.formingのコンセプト
図1 Simufact.formingのコンセプト

Simufact.formingは、Marcを使ったFEソルバーとDytranを使ったFVソルバーを統合し、メジャーバージョン8.0としてリリースされます。

この統合により、新規機能の追加、既存機能の改善を行いましたので、それらについて簡単にご紹介します。

FEおよびFVソルバーの完全統合

図2 FEおよびFVソルバーの完全統合
図2 FEおよびFVソルバーの完全統合
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

Windows環境であるMSC.SuperForge GUI上にFEソルバーとFVソルバーを完全統合しました。

これにより、同じ操作環境で2つのソルバーを自由に切り替えることが可能になり、静的なモデルから大変形モデルまで、幅広いメタルフォーミングに対応できます。

図2では、ロール成形(4パス)をFEソルバーで計算し、潰し~仕上工程(3工程)をFVソルバーで計算しています。各工程間の結果は、ソルバーの種類に関わらず、引き継ぐことができます。

メッシングの改良

FE ソルバーでは、メッシングアルゴリズムの改良に加えて、プロセス作成時にメッシングが行えるようになりました。これにより、計算実行前に素材のメッシングパラメータを調整したり、そのパラメータを計算中に行われるリメッシングのパラメータとして使用することができます。

図3 メッシングの改良
図3 メッシングの改良
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

計算モデルが2Dの場合は、Quad(四辺形)要素、計算モデルが3Dの場合は、Hex(六面体)またはTetra(四面体)要素を使用できます。

また、図3に示すようなリファインメントボックスを利用して、任意の箇所に対して細かくメッシングすることが可能になりました。これにより、冷間での歯形成形に代表されるような計算モデルで、転写性や接触の計算精度向上に大きな効果が期待できます。

コンタクトテーブルおよびレインフォースメント

図4 コンタクトテーブル
図4 コンタクトテーブル
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

リングによる冷間成形用金型の補強(レインフォースメント)や、アッセンブルダイなどの金型同士の接触、変形を考慮した金型応力解析のためのFEソルバー用に、コンタクトテーブルとレインフォースメントプロセスを導入しました。

例えば、図4のような2DモデルでFEソルバーを使用する際に、型モデルを変形体としてメッシングしておきます。このとき、コンタクトテーブルを使用して素材と型の接触を設定することで、素材と型それぞれの変形を考慮したフルカップリングシミュレーションを行うことができます。

おわりに

Simufact.forming 8.1および9.0の新たなバージョン開発も既に開始しており、これまで以上に使いやすく、ハイエンドなソリューションをご提供していく予定です。

図5 Simufact 製品
図5 Simufact 製品
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

また、2008年以降には、Simufact.forming以外のSimufact製品として

  • Simufact.joining:機械接合用シミュレーション
  • Simufact.welding:溶接用シミュレーション

などの新たな領域のソフトウェアも順次リリースする予定です。

関連するソリューション

関連するソリューションの記事

2020年01月01日
Simufact RoundTable Japan 2019のご報告
2019年10月01日
メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム
Simufact Forming 16.0 のご紹介
2019年01月01日
CAD/CAMシステムオンラインサポートサイト
e-support リニューアル公開のお知らせ
2019年01月01日
Simufact RoundTable Japan 2018
開催のご報告
2018年01月01日
Simufact RoundTable 2017開催のご報告
2017年04月01日
金属積層造形シミュレーションシステム
「Simufact.additive」のご紹介
2017年01月01日
スロッシング予測に対するCAEの適用
2016年10月01日
Simufactプロダクトにおける
新機能のご紹介
2016年07月01日
第1回 名古屋 設計・製造ソリューション展
出展報告
2015年07月01日
トータルソリューションのご提案(4)
PDMを活用した鍛造解析向けトータルソリューション
2014年05月14日
Simufact日本駐在事務所の開設について
2014年01月01日
メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム
Simufact.forming
溶接シミュレーションシステム Simufact.welding
のご紹介
2013年04月01日
岩手大学における金型技術の研究教育 
金型技術研究センターと産学官連携[その2]
2013年01月01日
岩手大学における金型技術の研究教育 
金型技術研究センターと産学官連携[その1]
2012年10月01日
メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム
Simufact.forming 今後の方向と新バージョンのご紹介
2009年10月01日
メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム
Simufact.forming v9.0と事例のご紹介
2008年10月01日
メタルフォーミングプロセスシミュレーションシステム
Simufact.formingのご紹介