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No.33 | システム紹介
Space-E CAA V5 Based CAM 今後の開発について
システム開発部
CAM グループマネージャー 小日向 章

はじめに

Space-E CAA V5 Based CAM R12(以下Space-E V5 CAM)ではHZS独自の経路作成機能追加の開発等を行いましたが、現在も機能向上の為の開発を継続しています。ここでは、今後の開発の予定についてお知らせいたします。

今後の開発予定

【経路作成機能の開発】

現在の機能改良や各種機能追加を行っていく予定です。また、既存機能の工具軌跡の細部についても改良を予定しています。

■等高線仕上げ加工のZピッチ指定方法の追加

Zピッチ指定方法にガイドカーブ指定方法を追加します。設定されたガイドカーブ上の一定間隔点のZ高さに経路を発生させる機能です。形状勾配参照によるZピッチ自動調整機能では意図した経路にならない形状などで利用できます。

■突き加工:荒取り加工の追加

専用の工具を用いて突き加工により荒取りを行う機能です。等高線荒取り加工などに対して、加工効率が必要とされる場面で利用できます。

■突き加工:側面仕上げ加工の追加

専用の工具を用いて突き加工により側面仕上げを行う機能です。輪郭加工などに対して垂直面の精度が必要とされる場面で利用できます。

■面沿い加工の改良

回避対象形状に対して経路を回避させる機能に、経路を乗り移らせる機能を追加します。加工対象形状と回避対象形状の関係に応じて回避と乗り移りを使い分けることができます。

【経路作成機能のパラメータ設定画面の改良】

Space-E V5 CAMでは経路作成機能のパラメータ設定画面において、グラフィカルな分かり易い設定画面を使用していますが、多機能によるパラメータの多さにより設定に迷うこともあります。そこで、現在の全パラメータを含む操作画面と、基本パラメータに限定した操作画面を切り替えできる機能を開発します。これにより、初めてSpace-E V5 CAMをご利用される方や標準的なパラメータで必要とされる経路が作成できる場面などで、容易なパラメータ設定操作を行うことができます。

また、工程作成後に各機能のパラメータの確認作業を容易にするために、各機能のパラメータの一覧表示機能を開発します。主要切削パラメータ、トレランス、回避高さ、使用工具などの確認作業を容易にします。

【送り速度制御機能】

通常、加工経路は経路各部位に対して設定された送り速度で作成されますが、この機能は経路作成後に加工をシミュレーションし、空転部や高負荷部など切削負荷に応じて送り速度を変更する機能です。これにより部分的に工具負荷が高い箇所があっても全体の送り速度を遅くする必要がなくなります。

【経路の分割機能】

ホルダー干渉や切削長・切削時間により経路の自動分割機能を、手動による経路編集とは別に追加します。あらかじめ分かっている手順での経路分割の操作を容易にします。

【工具長算出機能の改良】

設定されたツーリング情報から干渉の有無や必要突きだし長さを算出する機能がありますが、現在は、手動で個別の経路に対して計算を行う必要があります。この計算をまとめて処理できるようにします。また計算結果の表示を分かり易くします。

【工具設定】

工具ホルダーの設定の改良を行います。ホルダー部分の設定も工具カタログへ保存できるようになります。また設定画面の工具イメージは、現在は設定値に関わりなく同じですが、設定値に応じて表示形状が変わるようになり、入力パラメータの設定操作がより確実に行えるようになります。

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