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No.39 | システム紹介
Space-E CAA V5 Based R15 新機能のご紹介
システムソリューション統括部 システム開発部
金型製造グループ グループマネージャ 小日向 章
金型設計グループ チームリーダー 田丸 昭洋

はじめに

Space-E CAA V5 Based(以下Space-E V5)の新バージョンであるR15のモールド設計機能、コア&キャビティ設計機能、3次元CAM機能の各商品の新機能および改善した機能についてご紹介します。

Space-E V5 Mold Design R15

Mold Design R15では、設計工数の削減を目指し、以下に示す機能を追加および改善しました。

【冷却穴パターン配置機能】

基準点を指示して、予めシステムに登録した冷却穴の組み合わせパターンを、一括して配置することが可能になりました。これにより、複数の冷却穴を一度に配置することができます。また、冷却穴は、通常の穴フィーチャとして作成されるので、作成後に穴の情報を変更することもできます。

画面例
図1 冷却穴パターン配置機能

【成形機登録、配置機能】

成形機の仕様情報として、射出質量、射出速度、タイバー径、タイバー間隔などを登録することが可能になりました。(図2)

説明図
図2 成形機の仕様情報
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

この成形機の仕様情報は、顧客ごとに分類されています。配置機能コマンドのオプションを指定すると、成形機の情報をパラメータとして、モデル内に保存することができます。(図3)

説明図
図3 モデル内のパラメータ
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

また、成形機の簡易モデルを同時に配置して、金型の設置状況を視覚的に確認することもできます。(図4)

画面例
図4 成形機の簡易外形

【段付エジェクタピン一括作成】

R14では、ストレートエジェクタピンを一括して作成することができました。個々のストレートエジェクタピンの位置、径などをガイド図形として予め定義し、そのガイド図形を複数指示するという操作です。

さらにR15では、同様の操作で段付きエジェクタピンも、一括して作成できるように改良しました。また、オプションを選択すると、エジェクタピンの先端を成形品の形状でカットすることができます。

【回り止め穴の種類追加】

画面例
図5 回り止め穴とツバをカットしたエジェクタピン

エジェクタピンに作成できる回り止め穴として、従来のノックタイプに加えて、ツバの一面をカットした穴を追加しました。穴に挿入するエジェクタピンのツバの形状を同時にカットするオプションも準備しています。

形状選択時に、他の要素が含まれていても自動認識され、エジェクタピンのみが処理されます。

また、回り止め穴の形状が同じ場合は、複数の回り止め穴およびエジェクタピンを、一括して処理することができます。

Space-E V5 Core & Cavity Design R15

Core & Cavity Design R15では、金型設計において、必要な肉厚測定および面延長機能を追加しました。金型モデル作成の工数削減を目指しています。

【肉厚測定機能】

ソリッド形状に対し、肉厚とその変化を測定することが可能になりました。ソリッドを指示するだけで、形状をシステムが自動認識し、フェイス単位で肉厚の最小値、最大値、平均値、変化率(=最大値/最小値)を計算し、表示します。

全体的な肉厚または肉厚の変化率の分布は、色で表示されます。パラメータの最小値、最大値などを変更することにより、指定した肉厚値または肉厚の変化率を確認することができます。

また、個々のフェイスの肉厚および肉厚の変化率を数値で確認することもできます。

画面例
図6 肉厚測定機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【面延長機能】

単一のフェイスの外側や、内側の任意の境界に対して、延長量の正または負を与えることで、フェイスを延長したり、収縮することが可能になりました。オペレーションも簡単で、延長する境界と延長量、境界条件を指定するだけです。また、元面を延長する接続条件として、接線を保持して延長するか、曲率を保持して延長するかを選択できます。どちらの場合も作成されたフェイスは、単一のフェイスになります。

画面例
図7 面延長機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

Space-E V5 CAM R15

CAM R15では、新しい経路作成機能や強力な干渉チェック機能を追加しています。また、既存機能の強化や、操作性を向上させる機能を追加しています。

【隅取り加工機能】

ひとつの経路作成コマンドで、急傾斜部と緩斜面部の経路を同時に作成できる、隅取り加工機能を追加しました。これにより、前準備として行っていた、リワーク領域を作成する操作が不要になりました。きめ細かい設定が必要な場合は、従来のリワーク領域機能と等高線加工や3D輪郭加工などの、経路作成コマンドを組み合わせる方法も使用できるので、場合に応じた使い分けができます。

画面例
図8 隅取り加工機能の経路例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
説明図
図9 隅取り加工機能の設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【リブ溝加工機能】

リブを成形する部分として、金型の溝部分の加工に適したリブ溝加工機能を追加しました。細く深い溝の加工特性に合わせた経路を作成することができます。

画面例
図10 リブ溝加工機能の経路例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
説明図
図11 リブ溝加工機能の設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【レポート算出機能】

PPRツリーに登録された素材、工具、加工工程に従って、加工シミュレーションを行い、早送り干渉、ホルダー干渉の有無、必要突き出しなどを、レポート算出結果として一覧表示できます。また、簡単な操作で、htmlのファイルとして出力することもできます。

説明図
図12 レポート算出結果の例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
説明図
図13 レポート算出結果のhtml出力の例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【自由経路機能】

画面例
図14 スジ彫加工の例

自由経路にスジ彫経路作成機能を追加しました。ケガキ用工具などを使用して、形状表面に位置合わせ用の曲線や文字を彫り込むことができます。

【ポストプロセッサー】

個々の経路のNCデータを、簡単な操作で作成するために、ポストプロセッサー起動操作を追加しました。加工中にNCデータを追加作成する場合など、一部の経路のNCデータを作成する場合に便利です。

説明図
図15 ポストプロセッサー
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【NCコードの経路化】

NCデータを読み込んで、PPRツリーの経路にするための機能を追加しました。読み込まれたNCデータは、経路として扱われるので、他の経路と合わせてシミュレーションや再度ポスト処理を行うことができます。この機能により、NCデータの再利用などが容易になります。

説明図
図16 NCデータの経路化の操作
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
説明図
図17 NCデータの経路化の結果
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【操作支援機能】

経路作成における操作を容易にするための機能を追加しました。

パートオペレーション内のホーム点を設定する機能は、定義されている素材を基準に、ホーム点のZ高さを設定することができます。

説明図
図18 ホーム点の設定
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

CAM用加工座標系から座標軸を作成する機能は、方向指定ビューで、加工座標系の方向を使用したい場合に、必要となる座標系を簡単な操作で作成できます。

説明図
図19 加工座標系から座標系作成の操作
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
説明図
図20 方向指定ビューの基準として設定
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

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