人とシステム

季刊誌
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No.56 | システム紹介
Space-E CAA V5 Based R18 Update1 新機能のご紹介
PLM事業本部 開発統括部
CAD/CAMパッケージ開発部
チームリーダ 田丸 昭洋
チームリーダ 相良 克明

はじめに

Space-E CAA V5 Based(以下Space-E V5)の新バージョンであるR18 Update1のコア&キャビティ、モールド設計、3次元CAMの各商品の新機能および改善された機能についてご紹介します。

Space-E V5 CCD R18 Update1

■アンダーカット部位の確認

画面イメージ
図1 アンダーカット部位の確認

標準CATIA V5のドラフト解析や、抜き勾配チェックで見落としがちな影になる部分も含めたアンダーカット部位の確認機能を追加しました。
サーフェスまたはソリッドの成形品形状と抜き方向、計算パラメータを指示するだけで簡単に確認できます。
結果は領域ごとにまとめられ、リフレームすることで部位の詳細も確認できます。

■アンダーカットの深さ計測

画面イメージ
図2 アンダーカットの深さ計測

複雑化した成形品形状のアンダーカット深さ(アンダーカットユニットが抜ける最小距離)を容易に計測する機能を追加しました。スライド方向、抜き方向は自由に指定することができ、距離はリアルタイムに表示しているので、条件を変えながらスライド方向を検討することが容易になりました。
計測結果は、スライド方向の指定が座標軸、距離がパラメータとして作成され、アンダーカットユニット配置情報として利用することができます。

Space-E V5 Mold R18 Update1

■「汎用動的アセンブリ配置」機能の追加

画面イメージ 画面イメージ
図3 冷却横穴(左:配置時、右:編集でOリングを追加)

テンプレートを参照し、アセンブリを作成しながら部品を配置する汎用動的アセンブリ配置機能を追加しました。配置時または編集時に必要な部品のみを選択することができます。
また、編集時に長さなどの共通パラメータが参照できるため、容易に部品の編集ができます。

Space-E V5 CAM R18 Update1

■「加工工程順のマニュアル編集」機能の追加

「選択した工程を任意の位置に移動する」、「複数工程をまとめて移動する」などの編集をプロセスツリーから効率よく操作できる機能を追加しました。
これまで加工工程の並び替えをするとき、「切り取りと貼り付け」機能を使うと、加工工程の名前が変更されて分かりづらくなっていましたが、加工工程順のマニュアル編集では、元の名称で並び替えることができます。
また、工具交換の並び替えは、工具交換単位で移動、削除の編集ができ、工具交換内のオペレーションも一緒に編集されます。

画面イメージ
図4 プロセスツリーからの編集操作
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図5 工具交換単位の編集

■「工具番号の自動割り当て」機能の追加

画面イメージ
図6 リソースリストの工具番号の編集

工具番号の割り当てルールを参照して、工具番号をまとめて編集できる機能を追加しました。工具番号を割り当てるルールは、「オペレーションタイプによるソート」と「工具直径によるソート」があります。
これまで、NCデータ作成時に加工する順番に工具番号を割り当てたいとき、手作業で行うため工程数が多いと手間がかかっていましたが、新バージョンでは、工具番号の割り当てルールを設定するだけで自動的に工具番号を割り当てることができます。

■「穴あけ加工の工程分割」サポート機能の追加

画面イメージ
図7 冷却横穴(左:配置時、右:編集でOリングを追加)
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

穴あけ加工の工程分割が、効率よく操作できる機能を追加しました。まず、同じ工具を使用している穴あけ加工の切削距離が、工具の最大加工長さ以上になっている工程を抽出します。そして、工具の変更が必要な工程に工具交換を挿入することで、穴あけ加工の工程分割ができます。

■「ワイヤ放電加工」機能の改善

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図8 側面フェースからの設定

3次元モデルに対する加工形状設定を改善しました。
従来のワイヤーフレームからの設定の他に、サーフェスモデルの側面選択による上下異形状の設定を追加しました。

画面イメージ
図9 フェースからのテーパ設定

3次元モデルに対するテーパ設定を改善しました。
従来のテーパ角度の設定の他に、隣接フェースの角度からの2軸テーパ設定を追加しました。

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