人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.44 | システム紹介
Space-E CAA V5 Based R17 新機能のご紹介
システムソリューション統括部 開発技術部
システム開発グループ
鯵坂 昌広 / 田丸 昭洋 / 井土 隆也

はじめに

Space-E CAA V5 Based(以下Space-E V5)の新バージョンであるR17のモールド設計機能、コア&キャビティー設計機能、3次元CAM機能の各商品の新機能および改善した機能についてご紹介します。

Space-E V5 Mold Design R17

Mold Design R17では、モールド設計支援機能として以下に示す機能を追加しました。

■角エジェクタピン作成機能

図1 角エジェクタピン作成機能画面
図1 角エジェクタピン作成機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

金型内に多数配置される部品を効率的に配置するためのインテリジェント機能に、角エジェクタピン作成機能を追加しました。

図2 「スマート設定」タブ画面
図2 「スマート設定」タブ

エジェクタピンの配置位置からおも型までの距離を基に、最適なエジェクタピンの長さがカタログから自動的に選択されます。エジェクタピンの全長以外にも、エジェクタピンの先端角部の寸法(幅、厚さ)や軸の長さ(ピンの形状が角型に変わる部分までの長さ)の決定をシステムが支援します。(図2)

エジェクタピンがプレートにあける穴の仕様も、同様に部品配置時に指定することができます。また、穴の仕様が記述された設定ファイルを編集することで、ユーザ標準を穴の仕様の規定値として設定できます。

■部品ストレッチ編集機能

指示した部品の長さをストレッチ(伸縮)させながら容易に変更できる機能です。この機能で長さを変更できる部品は、エジェクタピン(ストレート・段付・角)、ボルト、ガイドピン、コアピンです。

部品は、以下の2種類の方法でストレッチできます。

図3 延長先までストレッチ編集画面
図3 延長先までストレッチ
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

・指示されたアイテムまでストレッチ[ アイテムまで]

部品をどこまで延長するのかを参照するアイテムを指示すると、指示したアイテムに部品が届くようにストレッチされます。(図3)

図4 指定長さ単位でストレッチ編集画面
図4 指定長さ単位でストレッチ
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

・指定した長さ単位でストレッチ[ 段階]

[ ストレッチ長さ] を入力すると、指定した長さ単位(5mm, 10mmなど)で部品の長さがストレッチされます。(図4)

■キャビティ側おも型たわみ計算機能

この機能は、キャビティ内にかかる圧力によるキャビティ側おも型の側壁のたわみ量を計算します。また、おも型の側壁のたわみ量を、指定された許容値以下に抑えるのに必要な側壁の厚さも計算できます。(図5)

キャビティ側おも型のたわみ
キャビティ側おも型のたわみの説明図
たわみ量計算
たわみ量計算画面
必要厚さ計算
必要厚さ計算画面
図5 キャビティ側おも型たわみ計算機能

※この機能は、精密な解析を行うものではなく、おおよその参考値を求めるためのものです。

■コア側おも型たわみ計算機能

この機能は、キャビティ内圧力によるコア側底面のたわみ量を計算します。また、たわみ量を指定された許容値以下に抑えるために必要な受け板の厚さも計算できます(受け板が存在しない場合は、コア側おも型の厚さとして計算します)。(図6)

コア側おも型のたわみ
コア側おも型のたわみの説明図
たわみ計算
たわみ計算画面
必要厚さ量計算
必要厚さ量計算画面
図6 コア側おも型たわみ計算機能

※キャビティ側おも型たわみ計算と同様に、おおよその参考値を求めます。

■スプリング計算機能

スプリングの配置条件を入力すると、適合するスプリングが表示され、そこからスプリングを選択して配置する機能です。

図7 配置条件の指定画面
図7 配置条件の指定

・配置条件の入力

スプリングの径や長さ、スプリングにかかる荷重などの配置条件を指定します。指定された条件をもとにバネ定数、たわみ量などのスプリングの選定条件が計算されます。(図7)

図8 スプリングの選択画面
図8 スプリングの選択

・スプリングの選択

計算された選定条件をもとに、スプリングのカタログが検索され、条件に適合するスプリングのリストが表示されます。そのリストからスプリングを選択し、位置を指定して配置します。(図8、9)

図9 スプリングの配置画面
図9 スプリングの配置

Space-E V5 Core & Cavity Design R17

Core & Cavity Design R17では、新たに次の機能を追加しました。

■キャビコア分割機能

図10 キャビコア分割画面
図10 キャビコア分割

製品形状をパーティングラインで、キャビティーとコアのサーフェイスに分割する機能です。製品形状として複数のソリッド、サーフェイスを選択できます。分割後にキャビティーとコアの2つのフィーチャーが作成され、それぞれ"キャビティー"と"コア"の形状セットへ登録されます。また、スライダ/ リフタ形状を取り出したい場合は、分割モードを変更することで分割を行うことができます。

■パーティング面作成機能

図11 パーティング面作成画面
図11 パーティング面作成

パーティングラインと抜き方向を指定するだけで、簡単にパーティング面が作成できる機能です。パーティングラインとして、複数の曲線を選択することができます。指示したパーティングラインが接連続ではない場合に発生する隙間には、自動的に補間面を挿入します。

■高さチェック機能

図12 高さチェック画面
図12 高さチェック

指定した方向に垂直な平面を、高さによって色分けする機能です。平面的な形状が多いモデルで簡単に高さの関係を把握することができます。高さをチェックする形状として複数のソリッド、サーフェイスを指定できます。また、座標系を指定することで、同じ傾きを持った平面どうしの高さをチェックすることができます。

■投影面積計算機能

製品形状の投影面積を簡易的に計算する機能です。

金型作成時に金型締め圧力の計算などで投影面積が必要な場合に使用されます。投影面積を計算する形状としてソリッド、サーフェイスを指定できます。計算結果は、ナレッジのパラメータとして出力されます。

図13 投影面積画面
図13 投影面積
図14 投影面積出力結果画面
図14 投影面積出力結果

■ぼかし面機能

図15 ぼかし面機能画面
図15 ぼかし面機能

複数の曲面が集まっている場所に、ぼかし面を作成する機能です。選択した曲面は、ぼかし面の境界で自動的に分割されます。連続性を変更することで、参照面とぼかし面とのつながりの滑らかさを調整できます。また、通過点を指定することで、ぼかし面の膨らみを調整できます。

■徐変勾配面作成機能

図16 徐変勾配面編集画面
図16 徐変勾配面

曲線上の任意の位置に勾配角度を指定して、徐変勾配面を作成する機能です。ドラフト方向、ベース曲線、勾配面の終端面、勾配位置を指定すると勾配面が作成されます。勾配位置は複数指定でき、それぞれの位置に対して勾配角度を設定できます。

■基準平面作成機能

様々な形状からモデルの基準となる有限平面を簡単に作成できる機能です。平面の参照方法を指定し、平面の境界となる2点を選択すると有限平面が作成できます。平面の参照方法は、「平面の参照」、「平面係数の入力」、「曲面上の点の指定」、「曲線上の点の指定」の4つの方法から指定できます。

図17 基準平面(平面の参照)画面
図17 基準平面(平面の参照)
図18 基準平面(ダイアログ)画面
図18 基準平面(ダイアログ)

Space-E V5 CAM R17

CAM R17では、経路作成機能やモデル差分表示機能、コーナー減速機能など、新しい機能を追加しました。また、EPXファイル出力機能については、CATIAの操作体系に合わせて再構築しました。

■アイソパラメトリック加工(面沿い加工)機能

図19 アイソパラメトリック加工の設定画面
図19 アイソパラメトリック加工の設定画面

曲面が持つパラメータ曲線に、加工方向を合わせた面沿い加工機能です。曲面のトリム状態に依存しない経路を作成できます。また、簡単な操作で加工方向、切り込み方向の定義を行うことができます。(図19、20)

図20 アイソパラメトリック加工作成経路画面
図20 アイソパラメトリック加工作成経路
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■モデル差分表示機能

図21 モデル差分表示設定画面
図21 モデル差分表示設定画面

設計変更前のモデルと設計変更後のモデルから、変更箇所を領域として抽出する機能です。抽出された領域は、工具パスを作成するための加工範囲として利用できます。この機能を使用することにより、変更箇所の見落としを防ぐとともに加工範囲を作成する手間を低減できます。

図22 モデル差分表示機能画面
図22 モデル差分表示機能
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■コーナー減速機能

コーナー部で、工具パスの折れる角度を判断して送り速度の減速を行う機能です。走査線コーナー減速(Z方向に工具パスが折れる場合の減速)と、等高線コーナー減速(XY方向に工具パスが折れる場合の減速)の2種類の減速を行うことができます。

図23 コーナー減速設定画面
図23 コーナー減速設定画面
コーナー減速前の経路
コーナー減速前の経路画面
コーナー減速後の経路
コーナー減速後の経路画面
図24 コーナー減速機能(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

■放電加工機制御機能(EPXファイル出力機能)

R16で追加した機能をCATIAの操作体系に合わせて再構築しました。これにより、操作性の向上が図れます。この機能では、Space-E V5 Core&Cavity Designの電極設計機能で設計した電極情報から、放電加工用のEPXファイルを作成できます。

図25 EPX ファイル出力設定画面
図25 EPX ファイル出力設定画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
図26 スクリーンキャプチャー画面
図26 スクリーンキャプチャー画面
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

関連するソリューション

関連するソリューションの記事

2019年01月01日
CAD/CAMシステムオンラインサポートサイト
e-support リニューアル公開のお知らせ
2010年07月01日
Space-E CAA V5 Based 新機能のご紹介
2010年01月01日
Space-E CAA V5 Based R18 Update1 新機能のご紹介
2010年01月01日
導入支援レポート(第3回)
「経験」に基づいた導入支援におけるカスタマイズ方法
2009年10月01日
導入支援レポート(第2回)
「経験」に基づいた導入支援における金型テンプレート構築方法
2009年07月01日
導入支援レポート(第1回)
「経験」に基づいた導入支援の進め方
2009年01月01日
Space-E CAA V5 Based R19 新機能のご紹介
2008年07月01日
PLM技術レポート(第7回)
CATIA V5を使用した設計業務におけるカスタマイズ事例
2008年04月01日
Space-E CAA V5 Based R18 新機能のご紹介
2008年01月01日
PLM技術レポート(第6回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(3次元加工テンプレート)」
2007年10月01日
Space-E CAA V5 Based R17 Update2 新機能のご紹介
2007年10月01日
PLM技術レポート(第5回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(マクロによる自動化)」
2007年07月01日
Space-E CAA V5 Based R17 Update1 新機能のご紹介
2007年07月01日
PLM技術レポート(第4回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(マクロによる自動化)」
2007年04月01日
PLM技術レポート(第3回)
「Space-E V5、CATIA V5を使用した、
カスタマイズ事例(穴あけの自動化)」
2007年01月01日
PLM 技術レポート(第2回)
「金型要件におけるSpace-E V5、CATIA V5の運用事例のご紹介」
2006年10月01日
Space-E CAA V5 Based R16 Update 新機能のご紹介
2006年10月01日
新商品Space-E CAA V5 Based 5Axis のご紹介
2006年10月01日
PLM 技術レポート(第1回)
「金型要件におけるSpace-E V5、CATIA V5の運用事例のご紹介」
2006年01月01日
Space-E CAA V5 Based R16 新機能のご紹介
2006年01月01日
PLMレポート(第4回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年10月01日
Space-E CAA V5 Basedの新たな取り組み
2005年10月01日
Space-E CAA V5 Based R15 新機能のご紹介
2005年10月01日
PLMレポート(第3回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年07月01日
PLMレポート (第2回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年04月01日
PLMレポート(第1回)
「型設計効率50%UPを実現させるために」
2005年01月01日
Space-E CAA V5 Based R14 のご紹介
2004年04月01日
Space-E CAA V5 Based CAM 今後の開発について
2004年01月01日
Space-E CAA V5 Based R12 新機能のご紹介
2003年01月01日
Space-E V5のご紹介