GRADE/HULL
船殻の機能設計から生産設計までをカバーする3次元CAD/CAMシステム
GRADE/HULLは、ユーザーが自由に定義できる設計標準作成機能を備えています。設計標準が作成・適用可能なものは画像のとおりです。
設計標準の適用は、選定標準にしたがって行われます。たとえば、すみ肉溶接として、I, V, X型の開先標準を定義しておき、板厚によってどれを適用するかを選定標準として登録しておけば、モデル作成時には、自動的に適切な標準が選択され適用されます。
構造定義の作業では、平面・側面・正面それぞれの図面を呼び出しながら、取合い確認、関連修正を行うことが頻繁にあります。
GRADE/HULLでは、その際の図面呼び出しを名称入力ではなく、部材指示にすることで、目的の図面を素早く呼び出すことが可能です。
また、構造定義、部品モニター、ネスティングとそれぞれのシステム間の切り替えも同様に行えるため、迅速に工程間の確認・編集ができます。
船殻構造の定義では、多くの部材に対して同じ定義をする場面が多くあります。
そこで、GRADE/HULLのバッチコマンドを活用することで、定義操作の省力化が可能になります。
例えばドレンホール等の定義では、対話操作により位置とタイプを個々に指示するのに対し、バッチコマンドでは、コマンドテキストを編集するだけで一度に定義できます。また、オペレータの都合により対話操作かバッチコマンドかを選択することもできます。
上流設計では、必要な板厚・骨寸法等が決まらないまま設計を開始することがよくあります。しかしCADでは、確定した寸法を入力しなければモデルを作ることができません。
そこでGRADE/HULLでは、寸法等の各種属性をディフォルト値(初期値)を設定しておき、これらを自動入力することにより、モデリングができる機能を用意しています。
たとえばスティフナ定義などには、骨寸法・板逃げ・端部形状など一連の決まったコマンドを使うことになります。これらの定型的な作業を一つのマクロコマンドして登録しておけば、作業ミスもなくまた操作も簡単になります。
GRADE/HULLには、このような頻繁に利用する一連のコマンドをマクロコマンドとして登録しておく機能があります。
このマクロコマンドは設計者全員で共有し、他船へコピーすることも可能です。
CADの操作中に、たとえばデッキ付きのロンジをすべて選択したい、あるいは矩形で囲んだ部品だけを選択したい、というようなことは良くあります。
GRADE/HULLでは、コマンドの実行対象を指示する際、これらを一括してまとめて指示することができます。
この一括指示は、マクロコマンドと併用することもできますので、操作の手間を大幅に削減することができます。