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No.60 システム紹介

5軸加工およびSpace-E/5Axisのメリット

CAD/CAM統括部 西日本営業部
西日本営業技術グループ
堀川 茂稔

はじめに

一般的な5軸加工およびSpace-E/5Axisにおける具体的なメリットについてご説明します。Space-E/5Axisは、5軸加工用CAMでSpace-E/CAMのオプションです。

5軸加工のメリット

5軸加工は、インペラーやタービンブレード、ブリスクなどアンダーカット部があるような形状に適応されていますが、3軸加工だけで加工はできるという形状にも効果を発揮することができます。

例えば、深い金型加工や電極加工において5軸加工が有効なケースがあります。これは、3軸加工で仕上げることができる形状でも、5軸加工であれば、より早く高精度に加工できる場合があるからです。以下に、5軸加工のメリットをまとめました。

工程の集約

5軸加工は、他方向からの加工において、段取り替えの回数を削減できます。これにより、芯だしの手間を削減することができ、さらに段取り替えに伴う累積誤差も減少させることができます。

工具突出し長の短縮

垂直に近い部位の加工で小径工具を利用する場合、3軸加工であれば、L/D(L:工具突出し長、D:工具径)が大きくなるため、送り速度を下げるなどの加工条件の変更が必要です。しかし、5軸加工であれば、工具軸を傾斜させて工具突出し長を短くすることで安定した加工ができます。5軸加工は、加工条件を上げることで、3軸加工よりも効率良く加工することができます。

速い周速での加工が可能

3軸加工で平坦部をボール工具で加工すると、被削材と工具先端の接触位置での周速が0になり、品質的にあまり良い加工面にはなりません。ところが、5軸加工では、工具姿勢を傾斜させることで周速の速いところでの加工ができるため、加工面の品質を向上させることができます。

このように5軸加工には多くのメリットがあります。

Space-E/5Axisのメリット

Space-E/5Axisの一番のメリットは、操作性の良さです。3軸加工のSpace-E/CAMと同じような操作で利用できます。特に経路5軸変換機能は、3軸加工経路を利用して工具姿勢を変更するだけで、簡単に同時5軸経路を作成できます。(図1)

アンダーカット部があるような形状の場合は、同時5軸専用機能を利用します。

工具軸の姿勢制御方法を選択することで、形状に適した同時5軸経路を作成できます。工程登録は、3軸加工機能と同じような操作です。(図2)

3軸加工では、XYZの移動情報が全てですが、5軸加工は、工具軸姿勢を制御するベクトルが必要になります。このベクトルは、基本的には加工面から計算されることになるため、CADデータの品質が重要になります。

Space-Eは、自由曲面の作成や修正が豊富に揃っているので5軸加工に適したCADデータを作成できます。

もし、面の品質が良くない場合は、CAD上の自由曲線や点を利用して工具姿勢を決めることもできます。

それから、周りに干渉物がある場合や工具突出し長が短い場合などに、工具姿勢を自動で回避できる機能もあります。(図3)

また、計算後の経路データに対しても手動操作で工具姿勢を変更できる機能もあります。(図4)

図1 経路5軸変換機能
図1 経路5軸変換機能
図2 同時5軸機能
図2 同時5軸機能
図3 マウスによる工具姿勢の編集例
図3 マウスによる工具姿勢の編集例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
図4 ホルダ・シャンク部干渉の回避例
図4 ホルダ・シャンク部干渉の回避例
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

事例の紹介

次に、Space-E/5Axisの具体的な事例をあげてメリットをご紹介します。

グリル

底の部分に小さい半径の凹フィレットがあるので、斜め10度傾斜させて加工します。割出し5軸加工で処理することもできますが、それぞれの方向から加工すると継ぎ目がどうしても気になります。

それを同時5軸加工で全周に対して連続的に仕上げ加工を行うと継ぎ目のない仕上がりになります。

また、経路を下方向へスパイラル動作で作成できるので、最初のアプローチ位置から常に被削材に接したままの状態で徐々に下がり最下部まで切削移動できます。

これにより、アプローチ痕が無い綺麗な仕上がりになります。

インペラー

3軸加工では、何度も割出し加工が必要な形状でも、5軸加工であればワンチャッキングで加工できます。

プロペラ

門型工作機で、プロペラ形状を加工しました。翼面を周回で回るような経路にすることで、アンダーカット部分も含めて、一筆書きのように加工できます。

図5 グリル形状の加工例
図5 グリル形状の加工例
図6 インペラー形状の加工例
図6 インペラー形状の加工例
図7 プロペラ形状の加工例
図7 プロペラ形状の加工例

おわりに

実際に同時5軸加工が必要な形状は、それほど多くはありません。しかし、積極的に同時5軸加工を行うことで、効果を上げているお客様がいらっしゃることは事実です。

これまで、3軸加工で十分だとお考えのお客さまも、さらなる効率アップが期待できる5軸加工をご検討されてはいかがでしょうか?

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