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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.63 システム紹介

導入支援レポート(第10回)
Space-E/Moldにおけるカスタマイズについて(1)

はじめに

今回は、Space-E/Moldにおけるカスタマイズ手法についてご紹介します。

現在、金型の3次元設計は一般的に行われるようになってきましたが、その一方で、単なる金型の3次元設計に留まらず、積極的にシステムをカスタマイズして、自社の設計スタイルにフィットさせ、より高度な利用技術を確立したいというご相談をいただく機会が増えてきました。

本文では、そうしたお客様へのご提案事例として、Visual Basic(以下VB)とFDLI(Space-Eのカスタマイズ言語)を活用した金型設計の標準化(手順化)の手法についてご紹介します。

3次元設計におけるデータベースの課題

テンプレートモデルに多くのノウハウを盛り込むには限界があります。

例えば、ユーザ部品やユニット部品を構築すると、金型部品の規格寸法だけでも大きなデータベースになります。そのデータベースを部品に持たせることになるので、データのレスポンスが悪くなります。

また、部品パラメータのダイアログサイズが決まっているため、設計ノウハウをダイアログに表示する画像だけに盛り込むことが厳しくなります。さらに、自社の設計ノウハウや設計を行う手順を部品に盛り込んだりするとパラメータが多くなり、部品ダイアログでは管理できなくなります。

その他にも、重要なパラメータとサブ的なパラメータを区別するためには、部品ダイアログだけでは限界があります。例えば、パラメータ名称の先頭に★マークを付けて分類しても、数種類しか区別できません。

システムの構築方法

CADの部品データにデータベースを持たせると先述のような課題があるため、データベースを外部ファイルとして持たせることが解決方法の1つです。外部に持たせることで、データベースによるレスポンスの低下が解消され、管理、運用も容易になります。

外部ファイルのデータベースとしては、VBと連携できる便利なツールとしてMicrosoft Excel(以下Excel)があります。

カスタマイズのイメージ

図1 VBとFDLIを使用したカスタマイズ
図1 VBとFDLIを使用したカスタマイズ
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

図1は、Space-Eでカスタマイズした場合のイメージになります。VBでGUI(Graphical User Interface)の作成やデータベースを作成すると、設計ノウハウや設計手順をパラメータ化できます。

また、VBを利用したSpace-E/Moldのカスタマイズでは、FDLIを使用することで、設計による効率化の幅が広がります。FDLIでは、3次元データから情報を取得したり、Excelで設計したパラメータで部品を作成したりすることができます。

カスタマイズ例(部品編集のExcel VBAとの連動)

Excelに設計ノウハウや設計手順を記述し、部品のパラメータをSpace-Eに送ることで、Space-E/Moldのモデルのパラメータを変更することができます。これは、金型のテンプレートモデルのパラメータをExcelで制御できるためです。

大きなメリットとして、金型のノウハウを確認しながら設計できるという点があげられます。Excelで設計の計算をさせて、金型設計を行っている設計者は多いと思います。そのとき、同じパラメータをExcelとCADの両方に入力するという手間が生じています。その手間をExcelとCADを連携することで削減できます。

図2 VBを利用したモールドベースのたわみ計算
図2 VBを利用したモールドベースのたわみ計算
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

図2は、ExcelとSpace-E/Moldでモデリングしたモールドベースをつないだイメージです。Excelには、モールドベースのたわみ計算を行うための計算式とイメージ図(設計根拠)を持たせています。

カスタマイズ例(部品作成<配置>のExcel VBAとの連動)

部品寸法をExcelに入力して、Space-E上に部品を配置するカスタマイズ例をご紹介します。

部品配置をするには、FDLIを使用する必要があります。部品の配置位置と回転情報などをFDLIで取得させるからです。

また、Excelを使って部品配置させるメリットとして作業の自動化があります。構築レベルに応じて、自動化のレベルも様々です。例えば、入力された金型仕様情報から、部品を自動的に決定して配置したり、プレートの情報などをExcelに持たせることで、部品の位置や高さを自動調整したりすることができます。

図3は、VBとFDLIを利用してモールドベースを作成するカスタマイズ例です

Excelには、イメージ図とパラメータを入力するセルを作成しています。VBからは、Excelで記述されたパラメータをSpace-Eに送ります。FDLIでは、部品の配置を行います。操作方法は、Excelのセルに金型寸法を入力した後にコマンドボタンをクリックすると、Space-E/Mold上にモールドベースが作成できます。部品の配置だけでなく、編集するために別のコマンドボタンを作成することもできます。そうすると、微調整した寸法をモデルに反映できるので、試行錯誤のときに重要なポイントになります。

図4は、FDLIとVBを利用してガイドピンユニットを配置するカスタマイズ例です。

ガイドピンユニットの情報として、Excelのセルに寸法や位置を入力します。次にExcel上のコマンドボタンをクリックすると、FDLIを通じて部品を配置できます。ガイドピンユニットの配置後も、モールドベースと同様に編集用のコマンドボタンをクリックするとガイドピンユニットの径や位置を変更することができます。

図3 VBによるモールドベースの配置
図3 VBによるモールドベースの配置
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)
図4 VBによるガイドピンの配置
図4 VBによるガイドピンの配置
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

おわりに

NDESでは、システムのカスタマイズや各種金型部品作成のお手伝いをさせていただいています。

最近では、特に海外に進出されたお客様からのカスタマイズのご要望に対応させていただく機会が増えてきました。

今後もNDESのシステム構築技術が、お客様の業務効率化の一助となれるよう、努力していきます。

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